NPOカタリバと広島県、オンラインを活用した不登校・長期欠席の子どもたちの学びの支援で連携

認定特定非営利活動法人カタリバ(本部:東京都杉並区、代表理事:今村久美、以下カタリバ)は、オンラインを活用して不登校・長期欠席の子どもたちの学びを支援する「オンライン不登校支援事業」において、広島県教育委員会と、連携協定を締結したことを発表した。

広島県教育委員会が推し進める不登校等児童生徒の学び支援において、オンライン支援領域で連携し、個別最適な学びの実現と充実を目指す。

広島県とNPOカタリバの連携概要

背景

不登校・長期欠席児童生徒は過去最多。ますます求められる個別最適な学び

2020年度、文部科学省による「令和2年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果」で、日本の小中学校において、不登校の児童生徒をふくむ「長期欠席者」の数が、過去最多である約29万人(287,747人)に上ることが明らかになった。

不登校になった子どもたちをサポートする「教育支援センター(適応指導教室)」の存在もあるが、実際に設置されている自治体は全国の約6割程度であり、特に地方においては、仮に地域に教育支援センターがあっても車で数時間の場所にあるなど、支援につながりにくい状況がある。

民間が運営するフリースクールはというと、月額費用平均は3.3万円と高額であり、公的支援につながれず、経済力に課題がある家庭は行き場がないというのが実情だ。

「音やダンスで表現することが得意な子ども」「特定の分野に尋常じゃない集中力を発揮する子ども」「興味や関心が拡散しやすい子ども」など、学級にはさまざまな特性をもつ子どもが存在し、一斉授業スタイルは限界に来ているという指摘もある中で、皆同じことを一斉にやり、皆と同じことができることを評価するのではない、新しいものさしが必要になってきているという見方もある。

子ども一人ひとりの能力・適性に合わせた多様な学びの選択肢を。自治体×NPOの協働モデルとして、広島県とカタリバが連携協定を締結

前述のような背景から、カタリバでは昨年度からオンラインを活用し、さまざまな事情で学校に行けていない子どもたちに居場所や学びを届ける取り組みをスタート。

オンラインの学び場(room-K)や、不登校の子どもを持つ保護者が悩みをオンラインで相談できる窓口などを立ち上げ、オンラインで一人ひとりに合わせた学びの形を提案する不登校支援プログラムを進めている。

また、広島県は、かねてより”個別最適な学びの実現”を目指してきた都道府県のひとつ。

教育委員会の中に担当部門「個別最適な学び担当」をおき、県内の12市町に不登校SSR(スペシャルサポートルーム)推進校を設置したり、不登校やいじめなどの電話相談窓口「心のふれあい相談室」を設置するなど、不登校や長期欠席の子どもたちへの支援に注力してきた。

その中で、SSRなどのリアルな支援と並行し、オンラインで支援の仕組みを確立することで、より多様な環境にいる子どもたちへ個別最適な学びの選択肢を届けようと、カタリバが行う不登校支援DXプログラムとの連携協定の締結に至った。

令和2年度時点で、広島県の小中学生の不登校・長期欠席者数は約6,500人(*「令和2年度の広島県における生徒指導上の諸課題の現状について」)。

さまざまな環境にいる一人でも多くの子どもたちへ、多様な学びの選択肢をオンラインで届けるために、自治体とNPOが協働することでどのような仕組みづくりができるのかをともに模索していきたいと考えてるという。

協定に基づく連携・協力の内容

協定に基づき、下記の内容について連携・協力を進めていく。

  1. 個別の学習相談(アセスメント等)を踏まえた個別サポート計画の作成
  2. メンターの派遣等による学習支援
  3. デジタルツールを活用した学びプログラムの提供
  4. 効果的な支援方法等の研究開発を目的としたデータ分析

※ その他、本取り組みを円滑に実施するため、実施時期、実施方法、その他の具体的な事項については、双方が協議して定める。

代表メッセージ

広島県教育委員会 平川理恵教育⻑

県教育委員会では、全ての児童生徒の「主体的な学び」の実現に向け、子供の実態に応じた多様な選択肢と自己決定を意識した教育活動を推進しております。

今回、カタリバさんと連携・協力して、SCHOOL“S”を利用する児童生徒に対して、よりきめ細かい支援を実施、多様な学習プログラムを提供することにより、個々の状況に応じた学びの支援の強化・充実につながると考えております。

認定特定非営利法⼈カタリバ 今村久美代表理事

常に当たり前を疑い、革新し続ける広島県教育委員会と連携し、新しい未来をつくれることを嬉しく思っています。

オンラインとリアルの良さを組み合わせ、だれも取りこぼさない多様な学びの場をつくり出すことを目指します。

カタリバで開発してきた、ひとりひとりの学び方を見つけ伴走するこども支援の実践を公教育に広げ、さらに多くのこどもたちに出会えることを楽しみにしています。