ミドルシニアの約50%が今後「IT・デジタル関連スキル」が必要と回答 ラーニングエージェンシー「ミドルシニアのキャリアと学び」調査より

定額制の社員研修「Biz CAMPUS Basic」を提供する株式会社ラーニングエージェンシー(旧トーマツ イノベーション株式会社、本社 東京都千代田区、代表取締役社長 眞﨑大輔、以下「LA」)は、2021年8月23日~10月15日の期間、ビジネスパーソン5,995人を対象に「ビジネスパーソンのキャリアや学びに関する意識調査」を行い、今回はその中から「ミドルシニアのキャリアと学び」に関する結果を発表した。

「ビジネスパーソンのキャリアや学びに関する意識調査」結果概要

2021年、LAは設立15周年を迎えた。

この15年間を振り返ると、“アベノミクス”と呼ばれる経済政策を背景として緩やかに経済が成長した一方、企業は、リーマン・ショックや東日本大震災など、数々の危機的な状況に直面し、それらを乗り越えてきた。

ビジネスパーソンに目を向けると、周辺環境の著しい変化に絶えず対応することが求められてきたといえる。

こうした中、2020年、新型コロナウイルスによるパンデミックが発生。

生活様式の変化までも強いられたこのコロナ禍において、ビジネスパーソンは働き方を含めた変化対応が必須となり、意識にも大きな影響があったと想定される。

そこでLAでは、その影響を明らかにするためビジネスパーソンのキャリアや学びに関する意識調査を行った。

今回はその中から、年代ごとの違いに着目しながら「ミドルシニアのキャリアと学び」についてレポートする。

※レポートでは、40代~50代以上をミドルシニアとして定義している。

調査結果

  1. 95.3%のビジネスパーソンが新しい知識・スキルの習得が必要と回答。知識習得のため動画視聴、セミナーへの参加が最も多いのは50代以上
  2. 半数以上のビジネスパーソンが社外研修の機会を希望。ミドルシニアは自身での学習を重視する傾向
  3. 専門領域の強化が年代共通の課題。 ミドルシニアの約半数が今後「IT・デジタル関連のスキル」の習得が必要と回答
  4. ミドルシニアのキャリアについて「今の働き方を継続したい」が最多で30%以上

調査結果の詳細

1. 95.3%のビジネスパーソンが新しい知識・スキルの習得が必要と回答。 知識習得のため動画視聴、セミナーへの参加が最も多いのは50代以上

今後働いていく中で「新しい知識・スキルの習得は必要」と回答したビジネスパーソンは95.3%だった(図1)。

多くのビジネスパーソンが自身の知識・スキルに対して変化の必要性を感じていることがうかがえる。

また、新しい知識・スキルの習得のために自身で行っていることを見ると、年代による順位の大きな違いは見られなかった(図2)。

最も多い回答は「書籍での自己学習(55.2%)」となり、次いで「動画コンテンツの視聴(無料)(29.1%)」、「勉強会やセミナー、コミュニティへの参加(無料)(21.9%)」の順で取り組まれている。

「動画コンテンツの視聴(無料)」と「勉強会やセミナー、コミュニティへの参加(無料)」の2つにおいては、50代以上が最も取り組んでいる割合が高くなった。

その一方で、50代以上では約4人に1人が「特に取り組んでいるものはない」と回答している。

2. 半数以上のビジネスパーソンが社外研修の機会を希望。ミドルシニアは自身での学習を重視する傾向

勤務先で利用したい支援は、年代問わず「社外の研修を受ける機会(50.1%)」が最も多く、「書籍やeラーニングなどの教材(38.9%)」「資格取得支援の制度(38.2%)」「社内の研修を受ける機会(37.9%)」が上位を占めた(図3)。

年代別で見ると、「資格取得支援の制度」は20代、30代が40%以上選択しているのに対し、50代は26.1%にとどまった。

どの項目も若い世代ほど利用したいと回答する割合が高い傾向が見られるが、「書籍やeラーニングなどの教材」を利用したいと回答した割合のみ、50代(41.0%)が最も多く、年代が下がるほど割合も低い結果となった。

3. 専門領域の強化が年代共通の課題。ミドルシニアの約半数が今後「IT・デジタル関連のスキル」の習得が必要と回答

自身が今後新しく身につける必要があると思うスキルについて尋ねた。

全体の割合で見ると、「自身の専門領域と関連する領域(60.2%)」「自身の専門領域(59.6%)」に回答が集まっている(図4)。

「今持っているスキルとは全く別の領域のスキル」と回答した人は25%程度にとどまり、自身が今取り組んでいる専門領域でのスキルアップを重視する傾向が見られる。

一方で、「思考力、コミュニケーション力など基本的なビジネススキル」「IT・デジタル関連のスキル」といった、職種・業種を問わず共通して必要とされるスキルについて、全体の割合では約半数が必要と回答。

ミドルシニアにおいても4割近くが必要と回答している。

4. ミドルシニアのキャリアについて「今の働き方を継続したい」が最多で30%以上

キャリアに対する意向を年代別に見ると、年代が上がるごとに「今の働き方を継続したい」という回答が増加する。

「全く違う仕事にチャレンジしたい」と回答した割合は、20代では10%を超え、30代以降では7%以下にとどまっている。

「今の会社で違う業務にチャレンジしたい」という回答は、年代問わず6%程度にとどまった(図5)。

まとめ

今回の調査では、95%以上のビジネスパーソンが新しい知識・スキル習得の必要性を感じている結果となった。

新型コロナウイルスの感染拡大を含め、まさにVUCA時代といえる予測困難な状況下において「変化に対応しなければ」という危機感が、学ぶことへの積極性を高めていると考えられる。

具体的に身につけるべきスキルとしては、自身の「専門領域」でのスキルアップを重視している傾向が見られる。

さらに、ミドルシニアに着目すると、40代、50代以上のベテランであっても「基本的なビジネススキル」や「ITスキル」を身につけようという姿勢が見られた。

キャリアに関する意向が、新しいことへのチャレンジよりも「今の働き方を継続したい」人が多数となっていることから、ミドルシニアが今の職場・業務領域で今後も働き続けるために、新しい知識・スキルを学ぶことが必要になっていると言えそうだ。

また、知識・スキルの習得方法としては、ミドルシニアの多くが書籍だけでなく、新型コロナの影響により一気に普及の進んだオンラインセミナーや動画コンテンツを利用している。

オンライン学習ツールは、学ぶ意識を持った人たちの心強い学習手段となっていることが今回の調査で明らかになった。

このように、すでに個人で学習に取り組んでいる一方で、勤務先に求めているものも「社外研修」や「教材」などの学習機会が多数という結果に。

企業としては、個人では手の届かない専門的な知識を学ぶ機会や、他者との学習機会を提供することが、社員の積極的な学ぶ姿勢を後押しすることに繋がるのではないだろうか。

特にミドルシニアである40代、50代になると、周りからの指摘を受けることが少なくなる。

1人で学ぶだけではなく、自分と異なる見解や価値観、知識を持った社外の人から学ぶことで、新しい知識・スキルの習得にとどまらず、社内にいると気が付けない自身の課題や強みを見つけるきっかけにもなるだろう。

一つの会社で成果を出すために真摯に業務に取り組んできた40代、50代のビジネスパーソンにこそ、このような機会の提供が必要になると考えられる。

調査概要

  • 調査対象者:同社が提供する研修(会場型・オンライン型)、オンライン講演の受講者
  • 調査時期:2021年8月23日~2021年10月15日
  • サンプル数:5,995人
  • 属性
    • 年代
      • 20代 2,166人(36.1%)
      • 30代 1,616人(27.0%)
      • 40代 1,271人(21.2%)
      • 50代以上 885人(14.8%)
      • 不明 57人(1.0%)
    • 役職
      • 一般社員クラス 4,166人(69.5%)
      • 係長・主任クラス 1,328人(22.2%)
      • 課長クラス 284人(4.7%)
      • 部長クラス 96人(1.6%)
      • 経営層・役員クラス 18人(0.3%)
      • その他(専門職・特別職など) 77人(1.3%)
      • 不明 26人(0.4%)
    • 従業員数
      • 100人以下 1,381人(23.0%)
      • 101人~300人 2,452人(40.9%)
      • 301人~500人 795人(13.3%)
      • 501人~1,000人 673人(11.2%)
      • 1,001人以上 484人(8.1%)
      • わからない 170人(2.8%)
      • 不明 40人(0.7%)
    • 業種
      • 情報通信業 1,577人(26.3%)
      • 製造業 785人(13.1%)
      • 卸売業,小売業 594人(9.9%)
      • サービス業(他に分類されないもの) 675人(11.3%)
      • 建設業 364人(6.1%)
      • 学術研究,専門・技術サービス業 319人(5.3%)
      • 不動産業,物品賃貸業 256人(4.3%)
      • その他、不明 1,425人(23.8%)

*各設問において読み取り時にエラーおよびブランクと判断されたものは、欠損データとして分析の対象外としている。構成比などの数値は小数点以下第二位を四捨五入しているため、合計値が100%とならない場合がある。