早稲田大学開発の英会話能力判定AIエージェント InteLLA、教育コンテストQS-Wharton Reimagine Education AwardでBronze賞を受賞

早稲田大学 グリーン・コンピューティング・システム研究機構(東京都新宿区:機構長 木村啓二、以下GCS研究機構) 知覚情報システム研究所の松山洋一(まつやまよういち)主任研究員、鈴木駿吾(すずきしゅんご)次席研究員、佐伯真於(さえきまお)研究助手らの研究グループが推進する英会話能力判定エージェントシステムInteLLA(Intelligent Language Learning Assistant)開発プロジェクトが、革新的な教育の取り組みを表彰する世界最大級の教育コンテストQS-Wharton Reimagine Education Award 2021におけるLearning Assessment Category(能力判定部門)にてBronze賞(銅賞)を受賞したことを発表した。

「QS-Wharton Reimagine Education Award 2021」受賞概要

QS-Wharton Reimagine Education Awardは、英国の大学評価機関のクアクアレリ・シモンズ(QS)社と米国ペンシルベニア大学ウォートン校(MBA)とが主催する世界最大級の教育イノベーションのアワードとして世界的に有名。

AIやVR/AR、Eラーニング、能力判定等、複数の部門から構成されている。

主なスポンサーにGoogle Cloud、Amazon Web Services、IBM、Microsoft、Salesforce等が名を連ね、過去にはハーバード大学、MIT、カーネギーメロン大学等の海外有力大学の研究や世界的に有名な教育アプリ等が受賞している。

これまでの英語スピーキングテストの多くは読み上げ型のようなものが主であり、「会話能力」の測定の妥当性に欠ける場合があった。

そこで、言語学習者の習熟度や理解度に合わせて会話を調整することで能力を最大限引き出し、言語運用能力を効果的に評価することを目的として、会話能力判定エージェントシステムInteLLAを開発。

InteLLAは、最新の音声対話システム技術を活用して、人間のインタビュアー同様に自然な発話タイミングの制御や非言語的なやりとり、適応的な対話戦略を通して自然な会話を実現し、学習者の潜在的な会話能力を発揮させることを促す。

この点が評価され今回の受賞となったという。

InteLLAの能力判定は、言語能力判定の国際標準であるCEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)に準拠した多次元的な評価を行っている。

今後、早稲田大学グローバルエデュケーションセンター英語科目Tutorial Englishでのクラス判定や、大学発ベンチャーを通して英会話学校やGIGAスクール、個人セルフラーニング向けのサービスとして展開されていくことが期待されている。

主催

クアクアレリ・シモンズ(QS)社 および 米国ペンシルベニア 大学ウォートン校(MBA)

部門と賞

Learning Assessment Category(能力判定部門)Bronze賞(銅賞)

発表日

2021年12月10日(金)

InteLLA開発プロジェクトの今後の狙い

AI分野における位置づけ

英会話授業の教室を一つの小さな社会と見立てて、そこでチュータや学生と一緒に成長できる会話エージェントの設計パラダイムを提案している点にInteLLA開発プロジェクトの独創性がある。

一般的にAIを作るには、大量かつ良質なデータを必要としますが、本研究では大規模なデータが収集しやすい「オンライン英会話授業」に焦点を当てている。

また、人間であっても説明がしにくく、複雑かつ主観的にもなりうる「評価」という行為に対して、言語能力に関する国際標準であるCEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)を用いることで、信頼性の高い教師データが期待できることも、本研究がAI研究としても有望な点である。

AIの説明可能性

AIの推論結果の説明可能性は社会においても切実な問題である。

InteLLA開発プロジェクトで取り組まれている能力判定結果への信頼性や納得性は、教育の品質そのものを担保するものになることが期待される。

デジタル社会への展開

新型コロナウィルス感染症蔓延に伴って加速する社会のオンライン化、メタバース(仮想現実)化の潮流にも合わせて、InteLLA開発プロジェクトで開発された技術は英会話のみならず広い分野への応用が期待されている。