コロナ禍で67.1%が「働くうえで重視すること」が変わった ラーニングエージェンシー「コロナ禍による働くうえで重視することの変化とキャリアに関する行動・意向」調査より

業界初*となる定額制の社員研修「Biz CAMPUS Basic」を提供する株式会社ラーニングエージェンシー (旧トーマツ イノベーション株式会社、本社 東京都千代田区、代表取締役社長 眞﨑大輔、以下「LA」)は、2021年8月23日~10月15日の期間、ビジネスパーソン5,995人を対象に「ビジネスパーソンのキャリアや学びに関する意識調査」を行った。

今回はその中から「コロナ禍による働くうえで重視することの変化とキャリアに関する行動・意向」について結果を発表した。

*2010年3月東京商工リサーチ調べ

「コロナ禍による働くうえで重視することの変化とキャリアに関する行動・意向」調査結果概要

調査実施の背景

2021年、LAは創業15周年を迎えた。

この15年間を振り返ると、”アベノミクス”と呼ばれる経済政策を背景として緩やかに経済が成長した一方、企業は、リーマン・ショックや東日本大震災など、数々の危機的な状況に直面し、それらを乗り越えてきた。

ビジネスパーソンに目を向けると、周辺環境の著しい変化に絶えず対応することが求められてきたといえる。

こうした中、2020年、新型コロナウイルスによるパンデミックが発生。生活様式の変化までも強いられたこのコロナ禍において、ビジネスパーソンは働き方を含めた変化対応が必須となり、意識にまで影響があったと想定される。

そこでLAでは、ビジネスパーソンのキャリアや学びに関する意識調査を行った。

今回はその中から「コロナ禍による働くうえで重視することの変化」と「キャリアに関する行動・意向」についてレポートする。

調査結果サマリ

  1. コロナ禍で「働くうえで重視することが変化した」ビジネスパーソンは67.1%
  2. コロナ禍において重視するようになったことは「リモートワークの可否」が最多。 20代以下のビジネスパーソン、コロナ禍前後で重視することが大きく変動
  3. コロナ禍で、キャリアに関して新しく「特に行ったことはない」人が64.1%
  4. 今後のキャリアの意向、「さらにキャリアアップを目指したい」人が最多。 キャリアアップを目指し、何かを始めた人は36.2%
  5. キャリアプランを見直し、19.4%が「全く違う仕事にチャレンジしたい」と転職活動をスタート

調査査結果の詳細

1. コロナ禍で「働くうえで重視することが変化した」ビジネスパーソンは67.1%

コロナ禍で「働くうえで重視することが変化した」と回答したビジネスパーソンは67.1%となった。

おおよそ3人に2人の割合で重視することが変化している(図1)。

2. コロナ禍において重視するようになったことは、「リモートワークの可否」が最多。20代以下のビジネスパーソン、コロナ禍前後で重視することが大きく変動

コロナ禍により「働くうえで重視することが変化した」と回答したビジネスパーソンに対し、コロナ禍になる前に何を重視していたのか、それに対し現在コロナ禍で何を重視しているかを尋ねた。

コロナ禍前に最も重視していたものは、「収入」で49.1%のビジネスパーソンが回答。

以下、「休日数や残業時間」(38.2%)、「一緒に働く人」(33.1%)、「会社の安定性」(26.5%)と続く。

一方、コロナ禍において重視しているものは、「リモートワークの可否」が45.5%で最も多く、次いで「収入」(44.2%)、「勤務時間の柔軟性(フレックス勤務など)」(27.8%)、「会社の安定性」(27.5%)となった。

コロナ禍前とコロナ禍を比較すると、最も割合が増えた回答は、「リモートワークの可否」で7.0%から45.5%と38.5ポイントの大幅増加。

反対に、「休日数や残業時間」は、38.2%から24.2%の14.0ポイント減で、最大減少。

次いで、「一緒に働く人」が33.1%から22.4%の10.7ポイント減少となった(図2)。

次に、コロナ禍前後で重視する人の割合が最も増えた「リモートワークの可否」と、最も減った「休日数や残業時間」について、年代による傾向の有無を確認した。

まず「リモートワークの可否」については、コロナ禍前後の変動が「20代以下」では45.6ポイントの増加(重視する人が5.7%から51.3%へ)だったが、「50代以上」では30.2ポイントの増加(重視する人が11.6%から41.8%へ)に留まっている。

総じてコロナ禍では「リモートワークの可否」を重視する人の割合が大きいが、年代が上がるにつれて、コロナ禍前後の変動が少ない傾向にあるといえる。

一方の最も割合が減った「休日数や残業時間」では、「20代以下」においてはコロナ禍前に46.3%の人が重視していたが、コロナ禍では重視している人が27.3%にまで減少(19.1ポイント減少)。

「50代以上」では24.9%から17.0%へ7.9ポイントの減少に留まっており、こちらも「リモートワークの可否」と同様、年代が上がるにつれて、コロナ禍前後の変動が少ない傾向にあることが明らかになった(図3)。

3. コロナ禍で、キャリアに関して新しく「特に行ったことはない」人が64.1%

コロナ禍において、働くうえで重視することが大きく変化するなか、自分自身のキャリアについて新しく始めたことを尋ねた。

「特に行ったことはない」が64.1%で最も多く、「キャリアプランの見直し」を始めた人が24.5%、「転職活動」を始めた人が12.1%と続いている。

「副業」を始めた人は、4.1%のみだった(図4)。

4. 今後のキャリアの意向、「さらにキャリアアップを目指したい」人が最多。キャリアアップを目指し、何かを始めた人は36.2%

今後のキャリアに関する意向を尋ねる質問では、3項目に回答が集中した。

「さらにキャリアアップを目指したい」(27.6%)が最多となり、次いで「今の働き方を継続したい」(26.0%)、「プライベートを重視したい」(20.3%)となっている(図5)。

次に、キャリアに関して「何かを始めた人*」と「何も始めていない人」で今後のキャリアの意向に違いがあるのかを調査した。

コロナ禍において何かを始めた人は、「さらにキャリアアップを目指したい」が最多の36.2%となり、「特に行ったことはない」(22.8%)人と比べて13.4ポイント多い結果となった。

逆に「今の働き方を継続したい」(15.5%)は16.1ポイント少なく、「プライベートを重視したい」と回答した人は大きな差異はなかった。

これらのことから、仕事におけるキャリアアップの意向が行動に表れているといえる(図6)。

*何かを始めた人:図4において「キャリアプランの見直し」「転職活動」「副業」「その他」いずれかを選択した人

5.キャリアプランを見直し、19.4%が「全く違う仕事にチャレンジしたい」と転職活動をスタート

コロナ禍において何かを始めた人のうち、回答が多い「キャリアプランの見直し」「転職活動」を選んだ人に着目。

回答者を「キャリアプランの見直し(だけ)」を始めた人、「転職活動(だけ)」を始めた人、「両方」始めた人の3つに分類して傾向を調べた。

まず、全体の傾向と同じく、すべての分類で「さらにキャリアアップを目指したい」が最多となった。

特に「キャリアプランの見直し(だけ)」を始めた人では39.1%の回答が集まり、他の分類と比べても多い結果となった。

「転職活動(だけ)」を始めた人は、他の分類と比べて「プライベートを重視したい」の割合が高く、唯一1/4を超える結果(25.1%)となっている。

また、「両方」始めた人は「全く違う仕事にチャレンジしたい」(19.4%)が約20%と他の分類と比べて高い割合だった(図7)。

まとめ

企業に求められることは、多様化が加速する働き方やキャリアに対する柔軟性

今回の調査で、働くうえで重視することがビジネスパーソンの3人に2人の割合で変化していることが判明した。

新型コロナウイルスによって生活様式が変化するとともに、多くの人が自分自身の働き方に改めて目を向けたことがその背景にある。

なかでも、20代以下の若いビジネスパーソンはその傾向が顕著である。

価値観の多様化とも相まって、「誰と働くか」よりも「どのように働くか」を重視していると見受けられる。

そうしたメンバーを抱える管理職は、今までの働き方を前提としたマネジメントでは対応できなくなる可能性もあるだろう。

“会社で仕事をするのが当たり前世代”が、”リモートワーク当たり前世代”をどうマネジメントしていくのかというコロナ禍ならではの課題が浮き彫りになった。

しかし、コロナ禍で重視することが変わった人が多かったという事実がある一方、キャリアに関して見ると新しいことを始めた人は多くはなかった。

現時点で「特に行ったことはない」人が64.1%を占め、キャリアプランの見直しを実施した人は24.5%で4人に1人程度となっている。

多くの人が変化対応の必要性を感じつつ、キャリアにおいては現状維持を選択、あるいは現時点では静観している現状が表れているといえるだろう。

また、転職活動を始めた人の中には様々なキャリアに関する意向が見られた。

キャリアアップを目指して行動した人に加え、仕事とプライベートのメリハリをつけやすい環境を目指して転職活動を始めた人、自身のキャリアプランを見直した結果、目指すキャリアを今の会社では実現できないと考えて社外に目を向ける人の存在が見て取れる。

このような状況の中、社員を惹きつけ、長く活躍してもらうために企業ができることは2つ挙げられる。

まずはキャリアアップを重視する社員とプライベートを大切にする社員など、それぞれの希望に応じて活躍できる環境を整えること。

そして社内で挑戦できる仕事についてしっかりと周知し、新しい仕事にチャレンジしたいと考える人に選択肢を提示してあげること。

どちらも簡単ではないが、そこに一歩、二歩踏み込んでいけるかどうかが人材の定着・活躍、ひいては会社の永続的な発展を左右するだろう。

調査概要

  • 調査対象者:LAが提供する研修(会場型・オンライン型)、オンライン講演の受講者
  • 調査時期:2021年8月23日~2021年10月15日
  • サンプル数:5,995人
  • 属性
    • (1)年代
      • 20代 2,166人(36.1%)
      • 30代 1,616人(27.0%)
      • 40代 1,271人(21.2%)
      • 50代以上 885人(14.8%)
      • 不明 57人(1,0%)
    • (2)役職
      • 一般社員クラス 4,166人(69.5%)
      • 係長・主任クラス 1,328人(22.2%)
      • 課長クラス 284人(4.7%)
      • 部長クラス 96人(1.6%)
      • 経営層・役員クラス 18人(0.3%)
      • その他(専門職・特別職など) 77人(1.3%)
      • 不明 26人(0.4%)
    • (3)従業員数
      • 100人以下 1,381人(23.0%)
      • 101人~300人 2,452人(40.9%)
      • 301人~500人 795人(13.3%)
      • 501人~1,000人 673人(11.2%)
      • 1,001人以上 484人(8.1%)
      • わからない 170人(2.8%)
      • 不明 40人(0.7%)
    • (4)業種
      • 情報通信業 1,577人(26.3%)
      • 製造業 785人(13.1%)
      • 卸売業,小売業 594人(9.9%)
      • サービス業(他に分類されないもの) 675人(11.3%)
      • 建設業 364人(6.1%)
      • 学術研究,専門・技術サービス業 319人(5.3%)
      • 不動産業,物品賃貸業 256人(4.3%)
      • その他、不明 1,425人(23.8%)

*各設問において読み取り時にエラーおよびブランクと判断されたものは、欠損データとして分析の対象外としている。