香川高専と東京大学・松尾研究室、AIサマースクールを9月21日~29日に遠隔開講

香川高等専門学校(香川県、校長:田中正夫)は、東京大学大学院工学系研究科松尾研究室の講師による、AIの最新動向や様々な手法を習得する「AIサマースクール」を9月21日~29日(内、5日間)に遠隔開講したことを発表した。

AIサマースクールとは

AIサマースクールは、AI(人工知能)(※1)やデータサイエンスに関する技術について正しく理解するとともに、実際のプログラミング演習を通して深層学習(※2)モデルを実装できる能力を集中的に習得することを目的としている。

講義は東京大学大学院工学系研究科松尾研究室で深層学習を研究している講師が行った。

例年、講師が同校(詫間キャンパス)に来校して対面講義を行っていたが、昨年度より新型コロナウイルス感染症対策と本校以外の全国の高専からも受講できるように松尾研究室から遠隔配信により実施。

この講座は、平成30年8月から毎年夏に開講しており、今年で4回目となる。

過去の受講者にはこのスクールの受講がきっかけとなり、高専を卒業後に東京大学に編入学した学生や、ベンチャー企業を立ち上げて活躍している学生がいる(送電線の異常検知技術のシステムを開発する企業や、AIの技術と他のデバイスを組み合わせて情報のサイクルを上手に回すことのできるシステムを開発する企業)。

今回は、21高専(同校含む)の学生および教職員と関係企業4社より、約120名が受講(内訳:本科3~5年生・専攻科生・教職員が多数、分野は電子・電気・機械・情報・通信・制御・商船・生物など多岐にわたる)。

5日間という限られた期間ではあったが、全国の高専関係者および地域の技術者・研究者のAI技術教育と、今後のAI人材育成へ結びつく有意義な講義となったという。

今年度の同スクールの授業内容は、後日、高専機構内で無料配信を予定しているという(現在調整中)。

また、次年度は同校(詫間キャンパス)に講師を招いての対面講義を考えており、同時に遠隔配信も検討しているという。

※1 AI(人工知能):Artificial Intelligence(アーティフィシャル インテリジェンス)。人間の知能を人工的にコンピューターで再現した技術。

※2 深層学習:別名、ディープラーニング。大量のデータをコンピューター自らが学習し、データが持つ特徴を見つけ出す手法。ニューラルネットワーク(※3)を多層化することで、データがもつ特徴を深く学習することができる。

※3 ニューラルネットワーク:人間の脳神経細胞の仕組みを真似たシステム。

講座内容

今井講師(松尾研究室)の講義

今井講師(松尾研究室)の講義

松尾豊教授の特別講演

松尾豊教授の特別講演

AIは、近年目覚ましい発展を遂げており、エンジンやトランジスタに匹敵する極めて汎用性の高い重要技術であり、これからの生活に欠かせないものになると予想されている。

そんなAIやデータサイエンスに関する技術について正しく理解するとともに、プログラミング演習を通して深層学習モデルを実装できる能力を全5日間(計30時間)で集中的に習得する。講座内容は次の通り。

  1. 人工知能の歴史と現状についての概要
  2. データサイエンスの概要
  3. プログラミング言語Python(パイソン)※の基本的な使い方と確立統計処理の方法
  4. 機械学習の概要
  5. 機械学習モデルの実装
  6. 機械学習モデルを高性能化するための具体的なテクニック
  7. データサイエンスコンペ
  8. ニューラルネットワークの概要
  9. 深層学習ライブラリの基本的な使い方
  10. CNN(Convolution Neural Network)の概要
  11. CNNを使用した深層学習モデルの実装
  12. 画像認識プロジェクト
  13. CNN以外の深層学習モデルについての理解
  14. 画像認識プロジェクトの成果発表
  15. 深層学習の最新動向と今後の展望
  16. ≪特別講演≫「人工知能の切り拓く未来社会」 東京大学大学院工学系研究科 松尾豊 教授

Python(パイソン):プログラミング言語の一つ。少ないコードで簡潔に書くことができる。AI開発の主流となっている言語。

香川高専と松尾研究室の取り組み

合意書締結式の様子

合意書締結式の様子

香川高専と松尾研究室は、平成30年8月に香川県三豊市との三者で、「AI(人工知能)技術による地域活性化・人材育成等に向けた連携協力に関する合意書」を交わし、それぞれが有する人的・物的・知的資源を有効に活用して協力することにより、AI(人工知能)技術による地域活性化・人材育成・社会実装を推進している。

 MAiZM設立式典の様子

MAiZM設立式典の様子

平成31年4月には、「一般社団法人みとよAI社会推進機構MAiZM(マイズム)」を三者で設立し、人材育成や地域社会の課題解決に向けた取り組みをスタート。

このスクール以外にも、ディープラーニング講座やプログラミング指導者研修会、子ども向けプログラミング教室、地元学校へのICT支援などMAiZMを通して様々な活動を行っている。

内容

「人工知能の基礎的知識と技術」

講師

東京大学大学院工学系研究科松尾研究室DL(ディープラーニング)教育スタッフ

実施日

令和3年9月21日(火)・22日(水)・27日(月)・28日(火)・29日(水)の5日間 全30時間

実施場所

香川高等専門学校詫間キャンパスおよびZoomによる遠隔講義

講義配信元

東京大学大学院工学系研究科松尾研究室

対象者

全国高専学生および教職員、MAiZM賛助会員

受講料

無料

主催

香川高等専門学校

協力

東京大学大学院工学系研究科松尾研究室

協賛

一般社団法人みとよAI社会推進機構(MAiZM)

後援

三豊市、三豊市教育委員会