IBMが2030年までに世界3,000万人のスキル習得支援を発表、日本では東京・神奈川・茨城で展開

IBM(NYSE:IBM)は10月13日(米国ニューヨーク州アーモンク現地時間)、2030年までにあらゆる世代の世界3,000万人に対し、今後の就労につながる新たなスキル習得支援への画期的なコミットメントおよびグローバルのプランを発表した。

この目標の達成に向けた170を超える産学連携のパートナーシップを伴う明確なロードマップも公表している。

この取り組みでは、IBMの既存のプログラムとキャリア構築プラットフォームを活用して、教育や需要の高い技術職へのアクセスの拡大を目指す。

IBMの会長兼CEO アービンド・クリシュナ氏コメント

多様な人材が存在しますが、トレーニングの機会はどこにでもあるわけではありません。だからこそ私たちは、経歴を問わずより多くの人々がデジタル経済のメリットを享受できるように、デジタル技術や雇用機会へのアクセス拡大に向けた抜本的かつ大胆な措置を講じなければなりません。

本日IBMは、2030年までに世界の3,000万人に新たなスキル習得の機会を提供することをお約束します。これにより、スキル習得機会の平等化と拡大するスキル格差の解消、および新世代の就労者自身や社会にとってより良い未来を築くために必要な手段が提供されることになるでしょう。

IBMが世界3000万人に展開するグローバルプランについて

  • IBMは、南北アメリカ、アジア太平洋、欧州、中東およびアフリカの30カ国以上で、170件を超える新たなパートナーシップとプログラムの拡大を発表
  •  官民連携の新しい教育モデルのP-TECH、日本では東京都、神奈川県、茨城県で展開
  •  就労支援を目指すオンライン学習プログラムのSkillsBuild、10月から大阪府の求職者向けに提供開始

全世界の雇用主が直面する、熟練された就労者を見つけることの難しさは、経済成長を大きく阻害する。

世界経済フォーラム(WEF)によればグローバルなスキル格差を埋めると、2028年までに世界のGDPが11.5兆ドル増加する可能性があるが、そのためには教育やトレーニング制度が、市場の需要に後れを取らないようにする必要がある。

その後押しには、官民の協力による、市場の需要、人口の変化、および技術の進歩に合わせた教育およびトレーニングが必要とWEFは述べている。

万人のためのプログラム

IBMでは、教育に関しては汎用的なアプローチはうまく機能しないと考えているという。

そのためIBMの教育ポートフォリオは、多様なオファリングと適合性のあるアプローチを組み合わせた、唯一無二かつ効果的なものとなることを目指す。

IBMのプログラムは、既存の公立学校や大学における10代の若者向けの技術教育から、現場における有給のIBMインターンシップや実習にまで及ぶ。

またIBMのスキルおよび教育プログラムでは、IBMのメンターと学習者とを組み合わせるとともに、意欲的なプロフェッショナルに対しては、カスタマイズ可能な無料のオンライン・カリキュラムも提供する。

3,000万人に教育機会を提供するというIBMの計画は、自社プログラムの多彩な組み合わせを利用するものであり、また大学や主要政府機関(職業斡旋機関など)との協力を伴う。

パートナーシップの締結先はNGOにも及び、特に十分な機会を得られていない若者、女性、および退役軍人といったグループに焦点を当てたNGOがその中心となる。

IBMの取り組みは全世界の民間企業や組織の力を集結し、社会的、歴史的に平等な機会を得られなかったコミュニティーを含む幅広い対象者に向けた、学習や就労機会の開拓と拡大を目指す。

具体例

具体的な例は以下のとおり。

米国

IBMはWorkforce Development Inc、National Association for Community College Entrepreneurship(NACCE)、OHUBをはじめとする複数の新規パートナーとの協業により、将来の就労機会への準備として、IBM® SkillsBuildプラットフォーム上でスキルの向上やリ・スキリングの機会を提供する予定。

インド

IBMはHaryana State Board of Technical EducationおよびUttar Pradesh State Council of Educational Research and Training(SCERT)と協力して、若者たちのスキル向上を図る。

日本

IBMは大阪府および一般財団法人大阪労働協会(NPO)と連携して、大阪府の求職者向けにIBM SkillsBuildを提供することで、求職者がITスキルを習得し、就労できるよう支援している。

提供する主なトレーニングは以下の4コース。

  • 「ビジネス・社会人基礎コース」
  • ITパスポート取得のための学習内容を含む「デジタル基礎コース」
  • AIやクラウド・コンピューティングなどの「IT専門知識」
  • カスタマーサービスやWebデベロッパー、データ・アナリストなどを想定した「職種別コース」

受講者は、オンライン学習プラットフォームのSkillsBuild上でコンテンツを視聴でき、体験プログラムへもリモートで参加が可能。

南米

IBMはJunior Achievement Americasと連携して、IBM SkillsBuildおよびIBMのメンターを提供し、女性がWeb開発やプログラミングの仕事に就くためのトレーニングを提供している。

スペイン

IBMはAgencia para el Empleo del Ayuntamiento de Madrid(Madrid Council Employment Agency)と連携し、IBM SkillsBuildを通じて失業者に技術スキルや専門スキルを習得する機会を提供している。

コースの一部には、対人スキル、クライアント・エンゲージメント、Web開発、サイバーセキュリティーなどが含まれる予定。

香港

IBMは全世代の学習者向けの香港最大の職業および専門教育・トレーニング・プロバイダーである職業訓練局(VTC)と連携して、IBM SkillsBuildを同局の技術関連スキルに関する中核学習の一部として組み込んだ。

ナイジェリア

IBMはコカ・コーラHBCと連携して、若者を対象に職場で必要とされる基礎スキルや対人スキル構築を支援した。

スウェーデン

IBMはWar Childと協力して、戦争から逃れた女性たちにSTEM関連職で活躍をする準備を支援している。

IDCのEuropean Skills Practiceのリサーチ・マネージャー兼共同責任者のマーティン・サンブラッド(Martin Sundblad)氏はコメント

デジタル・トランスフォーメーションは、企業や組織全体のすべてのプロセス、職務、および仕事上の役割に及ぶところまで来ており、社会が適応するためにはトレーニングの必要性が不可避となっています。

現在では、行われた投資を無駄にしないために、教育制度全体、ほとんどの職務分野、およびITの専門家コミュニティー内において、それぞれ規模や形態は異なれどもデジタル・スキルの開発が必要とされます。IBMのプログラムには、この移行をサポートする規模と範囲が備わっています。

IBMの教育へのかかわり

教育に対するIBMの長年にわたるコミットメントは、長きにわたって同社の社会的責任の中核となっている。

10年前にIBMは、ハイテク・スキルの格差解消のために考案された、革新的な官民連携の新しい教育モデルのP-TECHプログラムを立ち上げた。

さらにIBMは、それぞれの学習パスのあらゆる段階にあるコミュニティー・メンバー向けの、スキルの向上および再習得プログラムを構築している。

これらのプログラムでは、サイバーセキュリティー、量子コンピューティング、コグニティブAI、デザイン思考、およびデジタル・マーケティングなどが関係する仕事のための技術スキル習得を支援する。

またそれらのプログラムでは、履歴書作成、コラボレーション、プレゼンテーション、時間管理、さらにはマインドフルネスなど、人を主体とする職場向けのスキル習得機会も提供する。

IBMは、実地プログラムと仮想プログラムを組み合わせ、全世界のあらゆる場所にいる人々に提供していく。