英語・外国語活動が始まり、現役小学校教員が課題と感じる点は「評価の仕方」 イーオンの「小学校の英語教育に関する教員意識調査 2021 夏」より

英会話教室を運営する株式会社イーオン(本社:東京都新宿区、代表取締役:山﨑高人、以下「イーオン」)は、現役小学校教員を対象とした「小学校の英語教育に関する教員意識調査2021夏」を実施し、結果を発表した。

「小学校の英語教育に関する教員意識調査2021夏」結果概要

このアンケートは、イーオンが2021年8月18日に開催した「小学校教員向け指導力・英語力向上オンラインセミナー」(後援:文部科学省)に申し込んだ教員132名を対象に、新学習指導要領2年目に入った小学校英語・外国語活動の状況や考えについて調査したもの。

主な調査結果は以下の通り。

調査結果サマリー

新学習指導要領導入2年目。3—4年生、5—6年生の授業運営の感想はどちらも「不安の方が大きい」がやや上回る結果に

英語が「教科」となって2年目になる2021年度、小学校5-6年生の英語を「教科」として教えた先生(91名)に、授業運営がうまくいっているかを尋ねたところ「うまくいっている」「おおむねうまくいっている」あわせ27%(36名)という結果に。

「うまくいっていない」「あまり自信がない・不安の方が大きい」の合計33%(43名)をやや下回る結果となった。

また、「外国語活動」を行う小学校3-4年生を担当した先生(78名)も、「うまくいっている/おおむねうまくいっている」が22%(29名)となり、同様に「あまり自信がない・不安の方が大きい」24%(32名)をやや下回る結果となった。

3—4年生、5-6年生担当の先生が、小学校英語で特に教えるのが難しいと感じているのは共に「スピーキング(やりとり)」。英語の専科教員の増員には、8割が好意的。

小学校5-6年生の英語を「教科」として教えた先生(91名)のうち授業運営が「うまくいっていない」「あまり自信がない・不安の方が大きい」と回答した43名に、教えるのが難しいと感じている項目について尋ねると、「スピーキング(やりとり)」が32名でトップ。

小学校3—4年生の「外国語活動」でも、教えるのが難しいと感じている項目は「スピーキング(やりとり)」という回答が27名でトップとなり、「スピーキング」の中でも「やりとり」に課題を感じていることがわかった。

またすべての先生を対象に、学級担任を持たず英語のみを教える「専科教員」増員の方向性についての意見を尋ねると、「とてもよいと思う」が46%で半数となり、「どちらかといえばいいと思う」と合わせ81%の先生が好意的な意見だった。

コロナ禍でオンライン授業を実施した小学校は約3割。オンライン授業と対面授業では、26%が「対面授業の方が進めやすい」という結果に。

新型コロナウイルスの影響を受け、「外国語活動」「英語」において「オンライン授業を行った」と回答した先生は35%(46名)。

また、対面授業とオンライン授業での違いについては、「対面授業の方が進めやすい」という回答が26%(34名)だった。

「オンライン授業が進めやすい」という回答は1%(1名)で、「対面授業の方が進めやすい」という回答が大きく上回った。

「英語」「外国語活動」が実際に始まり、課題だと感じる点は「評価の仕方」

実際に「英語」「外国語活動」が始まって課題と感じる点を尋ねたところ「児童の評価の仕方」が22%(64名)でトップ。

以下、「ALTとのコミュニケーション」15%(44名)、「クラスルームイングリッシュ」14%(40名)と、先生自身の英語スキルを要する項目が上位に挙がる結果となった。

調査結果詳細

1.小学校5-6年生で英語を「教科」として教えている先生の授業運営の状況

(N=132)

新学習指導要領において、実際に小学校5-6年生の英語を「教科」として教えた先生(91名)に、授業運営がうまくいっているかを尋ねたところ、「うまくいっている」「おおむねうまくいっている」あわせ27%(36名)という結果に。

「あまり自信がない・不安のほうが大きい」「あまりうまくいっていない」の合計33%(43名)を下回る結果となった。

(N=91、複数回答)

また、授業運営が「あまり自信がない・不安のほうが大きい」「うまくいっていない」と回答した43名を対象に、教えるのが難しいと感じている項目について尋ねると、「スピーキング(やりとり)」が35%(32名)でトップ。

「スピーキング(発表)」は、難しいという回答が16%(15名)となり、同じスピーキングという項目でも、「やりとり」と「発表」で差が出ていることが分かった。

一方、授業運営が「うまくいっている」「おおむねうまくいっている」と回答した36名を対象に、うまくいっていると感じている部分を自由回答で尋ねたところ、

  • 子どもに力がついていると感じる。パフォーマンステストなども実践が少しずつ積み上がってきている
  • 児童が楽しみながら英語を使おうとする姿が見られる。
  • 授業構成や流れなどが定着し、比較的スムーズに進行できるようになった

などの声が寄せられた。

2.小学校3-4年生で「外国語活動」を行う先生の授業運営の状況

(N=132)

新学習指導要領において、実際に小学校3—4年生の「外国語活動」を教えた先生(78名)に、授業運営がうまくいっているかを尋ねたところ、「うまくいっている」「おおむねうまくいっている」あわせ22%(29名)という結果に。

こちらも「あまり自信がない・不安のほうが大きい」「あまりうまくいっていない」の合計24%(32名)をやや下回る結果となった。

(N=57、複数回答)

また、授業運営が「あまり自信がない・不安のほうが大きい」「うまくいっていない」と回答した32名を対象に、教えるのが難しいと感じている項目について尋ねると、「スピーキング(やりとり)」が47%(27名)でトップ。

ついで「スピーキング(発表)」が21%(12名)と、3—4年生では「スピーキング」に関する項目が難しいという回答が約7割を占めることとなった。

一方、授業運営が「うまくいっている」「おおむねうまくいっている」と回答した29名を対象に、うまくいっていると感じている部分を自由回答で尋ねたところ、

  • 型にはまった会話ではなく自分の気持ちを大切に会話しようとしている。
  • 複雑な言語活動でないので楽しそうにゲームなどを使用して楽しめるから
  • 外国語活動の時間を楽しみにしている

などの声が寄せられた。

3.英語のみを教える「専科教員」増員の方針について

(N=132)

小学校の英語教育改革に伴い、文部科学省が今後学級担任を持たず英語のみを教える「専科教員」の増員を進めていく考えを示していることについて意見を聞いたところ、46%(61名)の先生が「とてもよいと思う」と回答。

「どちらかといえばいいと思う」と合わせると8割を超える先生が好意的な意見を持っていることが明らかとなった。

4.コロナ禍でのオンライン授業実施において、難しかったのは「児童の発言の促進・児童同士のやり取りの促進」

​(N=132)

(N=132)

新型コロナウイルスの影響を受け、オンライン授業を実施したと回答したのは35%(46名)。

その46名にオンライン授業で難しかった点・課題と感じた点を尋ねたところ、「児童の発言の促進・児童同士のやり取りの促進」が35名でトップとなった。

また、対面授業とオンライン授業のどちらが教えやすいかという設問では、「対面授業の方が進めやすい」という回答が26%(34名)となり、「オンライン授業の方が進めやすい」という回答を大きく上回った。

5.「英語」「外国語活動」が実際に始まって、課題と感じた点

(N=292、複数回答)

2020年4月のスタートから1年が経った小学校英語の教科化・早期化について、実際に教えてみて課題と感じた点を尋ねたところ、「児童の評価の仕方」が22%(64名)でトップとなった。

「評価の仕方」は2019年夏、2021年春の調査でも同項目のトップとなり、教員が引き続き「評価の仕方」を課題に感じていることが分かった。

以下、「ALTとのコミュニケーション」15%(44名)、「クラスルームイングリッシュ」14%(40名)など、教員自身の英語力を要する項目が上位に挙がる結果となった。

6.自身の英語スキルアップにかけられる時間について

(N=132)

(N=132)

自身の英語力アップのための取り組みについて、1日あたりどのくらい時間をさけているのか尋ねたところ、「全く取れない」と回答した先生が24%(32名)に上り、「1日1時間未満」とあわせると8割以上の先生が1時間に満たないと回答する結果となった。

2019年夏、2021年春の調査でも9割に上ったことから、引き続き自身の学習時間確保に苦労している先生の様子が見て取れる結果に。

週あたりでは「週1-3時間」が43%(56名)と最も多くなった。

英会話イーオン 法人事業部 学校教育グループ 窪田遼講師のコメント

今回もこれまでと同様に、評価の仕方に課題を感じている先生が多いことが見えます。小学校英語はアクティビティーが中心で、実技教科のような性格がありますが、一方で評価をするにはテストの点数のように明確な物差しが必要というイメージの間に、ギャップがあるのかもしれません。

また、「見取り」「パフォーマンス評価」といった新しいキーワードに代表される小学校英語の評価の仕方が示されておりますが、その実態が想像しづらいのも原因でしょう。実は、小学校の先生方は体育や音楽などで、以前からこのような評価の方法をとっているはずです。今後、外国語の授業とその評価を経験した先生が増えれば、そこに課題を感じる先生方は自然と減っていくのではないでしょうか。

もう一つ、多くの先生がスピーキング(やり取り)の指導に困難さを感じていることも特徴的です。まず、同じ内容であれば、聞くなどの技能よりも、話す技能の方が難しいということがあるでしょう。そういった意味では、アンケートから見えた先生方の感じ方は正しく、それだけ多くの話す活動を授業の中で取り組んでいる証でもあると思います。

8月18日(水)に開催した、「小学校英語教員向け 指導力・英語力向上セミナー2021」での、国際教養大学の町田智久先生による基調講演でのお話を借りれば、やり取りはキャッチボールです。子どもたちにいきなり150kmのファストボールを投げることを求めず、山なりのボールでも、ワンバウンドでも、まずは相手に言いたいことが届くことを目指して、たくさんやり取りの打席に立たせてあげてほしいと思います。

調査の概要

調査対象

現役小学校教員132名

調査方法

イーオンが2021年8月18日に開催した「小学校教員向け指導力・英語力向上オンラインセミナー」(後援:文部科学省)の参加希望者の応募条件として調査。