京都大学とドコモgaccoが提携、「gacco」にて「KoALA」提供14講座を順次公開

国立大学法人京都大学(所在地:京都市左京区、総長:湊 長博)と株式会社ドコモgacco(東京都港区、代表取締役社長 佐々木 基弘、以下ガッコ)は、京都大学が運営する学内外にMOOC※1及びSPOC※2を提供する学習支援環境である「KoALA(コアラ)」とガッコが運営するIT環境があれば誰でも大学レベルの講義を受けられるMOOCプラットフォーム「gacco(R)(ガッコ)」を連携し、2021年8月5日より、講座提供で提携することを発表した。

また、今回の提携によって、「KoALA」の提供講座「オオサンショウウオ先生の医療統計セミナー」を8月5日より、「gacco(R)」にて開講し、以降、2021年中に合計14講座を公開、相互の会員に向けたコンテンツの充実を図るとともに、長期的な日本発のMOOCの普及・推進に取り組んでいく。

※1 MOOC(呼称:ムーク)とは:Massive Open Online Coursesの略称で、「大規模公開オンライン講座」と訳されます。Web上で誰でも参加可能な大規模な講座を提供し、修了者に対して修了証を発行する教育サービス。2012年より米国を中心として、主要大学および有名教授により公開され、2020年末現在で、世界中から1億8,000万人以上が受講している。

※2 SPOC(呼称:スポック)とは:Small Private Online Coursesの略称で、「小規模プライベートオンライン講義」と訳される。各大学が自学の学生向けに提供するオンライン講義・教材・学習環境の総称。

gaccoと京都大学「KoALA」の連携概要

85万人を超える「gacco(R)」会員に向け京都大学「KoALA」の講座を提供

京都大学では、2013年5月に日本の大学としては初めて、国際的MOOCプラットフォーム「edX」に参加し、講義の配信を行うなど、世界の有名大学でも広がりを見せるMOOCについて積極的に取り組んでおり、2018年からは、学内外にMOOC及びSPOCを提供する学習支援環境である「KoALA」を開発・運営し、自学生向けの授業での活用や、一般や高校生等に講義を公開・開放している。

ガッコでは、大学や企業に所属している様々なジャンルの講師による講座を無料で視聴できるMOOCプラットフォーム「gacco」を85万人以上の会員に提供している。

学びの領域は多岐にわたり、AI、SDGs、統計学などのビジネススキル向上に役立つ講座や、日常に役立つインターネットセキュリティ対策、また心理学・歴史などの教養を深めるものまで、累計400以上の講義を開講している。

京都大学とガッコは、以前より京都大学の講座を「gacco」にて公開するなど、JMOOC※が掲げる、「良質な講義」を「誰も」が「無料」で学べる学習機会の提供について、共同で取り組んできた。

今回の提携によって、2021年に「KoALA」提供の14講座が順次「gacco」上で公開され、85万人を超える会員に新たな学びを届けるとともに、長期的に両MOOCプラットフォーム・コンテンツが相互に連携することにより、さらなる講義・学習者同士の交流や、より多くの学びの機会の創出を目指す。

今後も、日本発MOOCが発展するために様々な施策に取り組んでいくという。

JMOOC(呼称:ジェイムーク)とは:一般社団法人日本オープンオンライン教育推進協議会を指し、MOOCの日本語での無償提供及びその普及・拡大を目的とし、2013年11月に設立された非営利団体。

公開予定講座

以下は講座の開講順ではなく、開講準備ができた講座より順次開講予定。

オオサンショウウオ先生の医療統計セミナー

講師:田中 司朗 特定教授、耒海美穂 特定助教、清水さやか 特定助教

「臨床医学の論文を読んでみたい」、「読んだとき方法や結果が正しく理解できているか自信がない」といった人に向けて、臨床医学で用いられる統計学を解説。

統計の入門

講師:京都大学国際高等教育院データ科学教室

統計ならびに統計学に関する基本的な考え方を中心に解説し、統計を、集計・分析し理解する力を養うことを目的とした講座。

因果推論 ― 一般化線型モデルとRubin因果モデルの理論 ―

講師:田中 司朗 特定教授

修士レベルの学生向けに、医学のための因果推論(causal inference)の基礎概念と手法について解説する講座。

第1部では最尤法、第2部では一般化線型モデル、第3部ではRubin因果モデルを扱う。

臨床試験の統計的方法 ― サンプルサイズ計算の技術 ―

講師:田中 司朗 特定教授

臨床試験について、実際に生じた3件の事例を取り上げ、統計学的な視点で討論を行う。

数理・データ科学のための数学II

講師:中野 直人 特定講師

微分積分学は数理・データ科学のために必要となる数学の基礎的内容。

この講義ではその入門として微分積分に関する総合的な内容について講義を行う。

理論的な事項には深く立ち入らず、計算手法やそれらの内容がどのように数理・データ科学に用いられるかを理解することを目的としている。

音波入門 ― 音波の不思議を探る ―

  • 講師:北野 正雄 京都大学名誉教授
  • 特別協力:植松 恒夫 京都大学名誉教授

本講義では、音波の基礎的内容について、「粒子の変位」と「圧力」それぞれにおける音の表し方の違いなどを学び、両者の関係を音の伝搬や反射・干渉に関する2種類の実験を通じて体験的に理解を深める。

クリティカルシンキング入門1 ― ブランチ ―

講師:若林 靖永 教授、平方 文哉 氏(講義スタッフ)

考える方法(クリティカルシンキング)を学ぶと、勉強ができるようになる。

自分の考えが明確になり、人と共同して活動できるようになる。今回は、1.ブランチ(因果関係で考える)を学ぶ。

クリティカルシンキング入門2 ― CLR ―

講師:若林 靖永 教授、平方 文哉 氏(講義スタッフ)

考える方法(クリティカルシンキング)を学ぶと、勉強ができるようになる。

自分の考えが明確になり、人と共同して活動できるようになる。今回は、2.CLR(よく考えるための 4つの問い・点検項目)を学ぶ。

クリティカルシンキング入門3 ― クラウド ―

講師:若林 靖永 教授、平方 文哉 氏(講義スタッフ)

考える方法(クリティカルシンキング)を学ぶと、勉強ができるようになる。自分の考えが明確になり、人と共同して活動できるようになる。

今回は、3.クラウド(対立を理解し解消すること)を学ぶ。

クリティカルシンキング入門4 ― ATT ―

講師:若林 靖永 教授、平方 文哉 氏(講義スタッフ)

考える方法(クリティカルシンキング)を学ぶと、勉強ができるようになる。自分の考えが明確になり、人と共同して活動できるようになる。

今回は、4. ATT(目標に向かう戦略的計画をつくる)を学ぶ。

江戸時代の人びとは世界をどのように見ていたのだろうか

講師:岩﨑 奈緒子 教授

この講義では、江戸時代の「鎖国」中の人びとの世界の見方が変わる過程について解説する。

樹木の生命力

講師:高部 圭司 名誉教授

私達の身の回りに生育する樹木、なぜ樹木が長命で巨大な生命体になり得るのかや、なぜ優れた生命力を有しているのか、そのすごさについて考える。

フィールド医学への誘い1― 日本からブータンへ ―

講師:坂本 龍太 准教授

「フィールド医学」は、疾病、老化のありさまを、 自然環境、文化背景との関連でもう一度、捉えなおそうとする研究領域。

今回、我々が日本及びブータンで取り組んでいる高齢者の健康を守るための活動を紹介する。

フィールド医学への誘い2 ― 人間の健康としあわせ ―

講師:坂本 龍太 准教授

ブータンはしあわせな国というイメージがあるが、その秘密はどこにあるのだろうか。

また、その中で、しあわせではないと感じている人はどのような人なのだろうか。

本講義では、これらの問いに関してブータンの一つの小さな診療所を拠点にして働く中で垣間見たこと、感じたことを、みなと共有する。

京都大学MOOC「KoALA」について

“Kyoto University Online for Augmented Learning Activities” の略称で、反転授業や予復習のためのブレンディッド学習での利用をはじめ、授業内・外での学びの質的・量的な向上・強化に活用されることが目指されている。

近年、世界中の人々が無料で受講できるオンライン講義配信・MOOC(大規模オープンオンライン講義)の取り組みが世界的な広まりをみせるなか、京都大学は、主要なグローバルMOOCプラットフォームである米国のedX(エデックス)を通じて英語によるMOOCを配信している。

このMOOCが世界中の誰もに開かれたオンライン講義であるのに対し、MOOCと同様のツールや仕組みを利用し、各大学が自学の学生向けに提供するSPOCを提供するツールとして、「KoALA」は誕生。

学内向けに構築された講義ビデオや提出課題等のオンライン教材・SPOCを提供するための学習支援環境として、京都大学の学生・教職員や一般の人にも利用されている。