慶應義塾大学が経済学部のPEARL (Programme in Economics for Alliances, Research and Leadership)の入試において、世界標準モデルのWeb入試コンソーシアム「The Admissions Office(通称:TAO)」を利用し、21年10月より志願者募集を開始することを発表した。
PEARLは、英語で経済学を学び、4年間で学位取得ができる9月入学のプログラムで、全世界の学生を対象として募集を行っている。
TAOは学生がひとつのフォームで複数の大学に出願できるほか、日英両言語に対応し、国内だけでなく海外からの出願受付も可能なグローバル対応の入試システム。
また、どのような募集書類であっても全てデジタル化できるため、どの国の志願者にとっても出願しやすく、大学が世界中の志願者を募集しやすいシステムとなっている。
The Admissions Office(TAO)とは
世界の大学は「オンラインアプリケーション」と呼ばれるシステムを使って入試プロセスを全面的にオンライン化している。
このシステムでは、願書提出の手続きから、選考書類の提出、合格発表まで、すべて簡単に一括管理することが可能。
現在、日本の大学は、大学・学部ごとに入試の流れが異なり、Web出願といっても書面郵送が必要だったりと、国内の志願者はもとより、「オンラインアプリケーション」が主流の海外の志願者にとって複雑なものになっている。
そのため、海外学生が日本に留学したいと思っても、方法がわかりづらいため断念するといった機会損失にもつながっている。
「The Admissions Office」は、世界標準のオンラインアプリケーション。日本語・英語で利用でき、グローバル対応のシステムでありながら、独自フォーム作成機能やCSVインポート/エクスポート機能など日本の大学の実情に即した運用が可能。
国内学生のAO入試や多面的・総合的評価型入試、海外学生の募集にも役立てることができる。
今後、The Admissions Officeは、他の大学とも連携してフォームの共通化を進め、アジアの大学のための入試コンソーシアムを形成していく。
PEARLにおけるTAO導入の背景

現在、PEARLではⅠ期〜Ⅲ期を通じた全志願者に対する外国籍志願者の比率は51%となっており*、海外から多くの学生を受け入れている状況(*慶應義塾大学経済学部 PEARL「Application Guidebook」Admission Statistics より算出)。
一般的に、外国籍学生にとって、日本の大学の入試プロセスは海外大学と比べて複雑で、大学・学部、入試方式によっても異なるため、志願者が出願する際のハードルになっていると言われている。
この複雑さが原因で志願者が出願自体を断念するケースも見られ、大学にとっての機会損失に繋がっている場合もある。
TAOを導入することによって、入試プロセスの世界標準化・デジタル化を進めるができ、上記のような課題を解決することも可能になる。
また、TAOでは「フォーム作成機能」によって、大学の管理者が自ら出願フォームを設定することができる。
そのため、どのような変化に対しても柔軟に時間・コストをかけることなく対応できることも大きなメリットとなっている。
現在のTAO参画校(50音順)
大学・大学院
- 京都先端科学大学
- 慶應義塾大学
- 芝浦工業大学
- 総合研究大学院大学
- 早稲田大学
専門学校
九州テクノカレッジ