エイチーム、非エンジニアを含む全社員にAI基礎教育を実施

株式会社エイチーム(代表取締役社長:林高生、本社:愛知県名古屋市、以下エイチーム)では、IT企業で働く社員のビジネススタンダードとして「AI(人工知能)基礎教育」を実施することを決定し、2020年8月より、全社目標『全社「AI」基礎力アップ!』を掲げ、グループ全社員(*1)への研修を実施している。

2021年5月から2021年度入社のエンジニア、非エンジニアを問わず新入社員全員を対象に「AI基礎教育」研修を実施することを発表した。

(*1):必須受講または任意受講の区分は、職務領域・職能等によって異なる。

「AI基礎教育」研修実施概要

2020年8月より、営業やマーケターなどのビジネス領域・マネジメント領域・スペシャリスト領域の社員766名(約70%)を必須受講対象者として実施(その他の職務領域並びにビジネス領域の一部職能の社員は受講任意)。

カリキュラムは最大50時間(必須受講項目は10時間、任意受講項は40時間)で、2021年2月に、学んだAI基礎力を測るため、必須受講者全員を対象に「AIテスト」を実施した。

同様のカリキュラムを2021年5月から2021年度入社のエンジニア、非エンジニアを問わず新入社員全員を対象として実施する。

受講後に実施したアンケート(回答者数373名)では、AI研修への意欲は高く、熱心に受講した様子がうかがえた。

社員自身の成長欲求と会社の人材育成戦略が合致し、一定の効果が生まれたと考えているという。

研修の成果としてもスキルの向上実感が6割弱で研修の成果がうかがえた。また、3%ではあるが、13名の社員が実際の施策に活用し、現在の業務において取り組んでいるという。

注目すべき点として、アンケート2位の「エンジニアとの会話の質が上がった」8%という回答があげられる。

これまで新サービス開発の際に、AI知識がない社員とエンジニアとの間でコミュニケーションが難しいと感じていたが、研修により一定の理解が進み、新たなアイデアや発想が生まれるなど、さまざまな効果が生まれはじめているようだ。

今後の事業においてAIを活用した施策が増え、成果に結びついていくことを期待しているという。

「地味にすごい!」AIを活用したサービス開発事例

事例1/墓石彫刻の画像加工費用・工数が激減!「ライフドット」企画職(中途入社2年目)

墓、葬儀、仏壇、相続など、ライフエンディングに関する情報を発信する「ライフドット」でAIを活用。

サイト内で使用する画像で、お墓に彫刻された文字を認識し消す画像加工をAIで自動化し、費用・工数削減が可能になった。

AI施策の背景

膨大な工数だった文字認識と画像加工をAIで自動化し費用・工数削減ができないか、非エンジニアの企画担当者からエンジニアに提案。

AI施策を開発部門に一任するのではなく、企画と開発が一緒に取り組むことができた。

AI研修を受講して役に立ったこと

研修によりAIの理解が深まり、以前と比べてエンジニアと専門的な話ができるようになった。

また、AIで実現可能な施策がイメージしやすくなり、施策検討の幅や選択肢が増えた。

事例2/AIを活用した新機能追加プロジェクトに参加。「ラルーン」デザイナー職(新卒5年目)

生理日予測・体調管理アプリ「ラルーン」で、2019年12月にリリースした生理日のAI予測機能に続き、2021年2月にAI排卵日予測機能をリリース。

AI施策の背景

生理日AI予測に次いで、排卵日予測のリリースに向けプロジェクトがスタートし、デザイナーとしてプロジェクトに参加。

エンジニアと組んで仕様決めからローンチまでプロジェクト推進に携わった。

AI研修を受講して役に立ったこと

「ラルーン」の予測日のロジック・仕組みを知ることで、UI・グラフィック・コンテンツの仕様をスムーズに決めることができた。

研修を受講した社員の感想

広告運用グループのマネージャー

Web広告運用は高難易度で複雑な機械学習が用いられている。マーケターとしてAIの基礎知識は業務上で不可欠だがメンバー個人の自己研鑽に頼っていた。AI研修によりマーケターのAI基礎力が向上。

ゲームプランナー

ゲーム内のユーザー行動を自身で機械学習・分析することが可能になった。これまでユーザー行動の学習と分析は今まではエンジニアチームが行っていたが、AI研修後は自身で行うようになった。

社長室 経営企画 M&A・ベンチャー出資・投資 担当

AIなどの先端技術などをサービスを展開する投資先のCTOやエンジニアとの会話が円滑に、正しくサービスの価値を理解できるようになった。

その他、感想​

  • 「AI」=「なんでもできる魔法の技術」というイメージがなくなり、実現可能な活用イメージが具体化した
  • 日々の業務で非エンジニアがデータの整理を意識するだけでも、データを扱うエンジニアにとってはとても助かるということが理解できた。

背景と目的

エイチームでは、2018年6月にAIを研究開発する全社横断プロジェクト「AI WORKING GROUP」を立ち上げ、AIの研究開発、事業における積極的な活用を通して、サービス品質の向上を図り、ビジネス展開力や技術力の競争力強化を推進してきた。

すでに、サービス開発における予測機能、業務効率化に向けた活用、広告配信の効率化や自動化など、幅広い領域でAIを活用している。

しかし、今後ますます注目されるDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進、行政の「デジタル庁」新設、小学校のプログラミング教育必修化など、ITやAIの教養がビジネススタンダードになりつつありることを受け、エイチームでは、非エンジニアの社員にも「AI基礎教育」が必須と考え、AI人材育成・活用を目的とする全社員対象のAI教育プログラム実施に踏み切った。

技術的な知識を有するエンジニアだけでなく、事業に関わる非エンジニアを含めたすべての社員がAIの知識やスキルを身に着けることで、AIを活用した事業開発やサービス改善を可能とし、グループ全体のさらなる成長を目指すという。

参考:全社横断プロジェクト「AI WORKING GROUP」とは

エイチームの各部門で取り組んでいるAIの研究開発を全社横断で行うプロジェクト。

AIに関する情報共有会の開催や各事業へのAI施策支援、AI研修の運営を担当。

AIの知見・ノウハウを共有・蓄積し、サービスの改善を目指す。将来的には、グループ全体の売上・利益の向上を目指している。


ABOUT US

埼玉県出身。2018年12月からほぼ毎日EdTech Mediaの記事を更新しています。 EdTech Mediaのほかに、教育業界専門の転職サイト「Education Career」を運営している株式会社ファンオブライフのマーケティング担当です。