明蓬館高校、2021年4月に発達に特性のある生徒がプログラミングを学べる「CONEC」を開設

発達障害などスペシャルニーズを持つ高校生向け通信制高校「明蓬館高等学校」が、2021年4月にコーダーを養成する専門の学習センター「CONEC(こねっく:Coder’s NeuroHACK Center)」を開設することを発表した。

プログラミングに親和性の高いと言われる発達障害の生徒が、サポートを受けながらゲームやイラスト、写真など個々の興味関心を入口にプログラミング学習を進めていくという学習スタイルでプログラミングを学ぶことができる。

明蓬館高等学校の学習センター「CONEC」概要

CONECは、発達に特性のある生徒がプログラミングに関する学習を中心に学ぶことができる専門の学習センター。

高校の教育課程の中で、実社会で今まさに求められているプログラミングを、企業社会で活躍する、生徒の先行モデル的な専門家からも指導を受けながら、臨場感のある生きた学びをできるプログラムをつくる。

2030年には、45万人から70万人不足すると言われる、プログラミング人財。実社会で問題解決が迫られる課題に沿って、コードを書く、プログラミングしていく。発達系の課題を持つ生徒が、むしろその優位点を生かして、実社会で求められる、実学的で、即実戦的な学び、スキル取得をできるもの。

発達障害者向けの学習支援、就労支援の発想のブレイクスルーになるものだと考えているという。

新設の背景と意義

シリコンバレー症候群という言葉を代表に、世界の研究では発達障害とプログラミングの類似性等も注目されている。

明蓬館高等学校でも、SNEC(すねっく:スペシャルニーズエデュケーションセンター)に通う発達に特性のある生徒たちの中には、入学前からプログラミングに興味を持っている生徒、プログラミングに興味を持ってはいるけれども、ハードルが高く取り組めない生徒やゲームに没頭している生徒も多く在籍している。

そこで昨年から、明蓬館高等学校 品川・御殿山SNECでは、教室の中でSONYのKOOVを使ったプログラミング学習や、3Dプリンタを使って自分のイメージしたものを実際に描写し、印刷をしていく等ITを活用した学習を実施してきた。

また、外部連携として、経済産業省の「未来の教室」事業で「エシカルハッカー養成講座」を開講し、興味のある生徒たちを中心に参加をしてもらった。

これらの講座を通じ、個別に配慮された環境の下、自分の特性に合ったプログラミング学習をしていくことで、生徒たちの主体性や課題解決意欲の向上が見られた。

それらの活動を通して、一部の発達障害生徒の進路可能性として、IT、ネットワーク・プロフェッショナルに適性があることが分かってきた。

そこで、明蓬館高等学校では2021年度よりCONEC(こねっく:コーダーズ・ニューロハックセンター)を開設する。

3つの専科の特徴

  • 課題解決型コーダー専科(アプリ開発):日常の課題に対し、プログラミング技術を身に付け、解決するためのアプリ開発などに携わっていくことを目標にした専科
  • 創造発展型コーダー専科(ウェブデザイン):写真やイラストなど個々の特技を生かし、プログラミング技術を兼ね備えたウェブデザイン技術を身に付けていくことを目標にした専科
  • 企業連携型コーダー専科(キャリア開拓):企業と連携し、実際の業務に携わりながらプログラミング技術を極め、キャリアを開拓していくことを目標にした専科

どの専科にも、エシカル・ハッカー(倫理的なハッカー)養成の特別講座開講を計画している。

今後コンピュター、スマホなどのデバイスだけでなく、さまざまなものや移動交通手段に通信機能を持たせ、自動認識や自動制御、遠隔計測・操作などが可能になるIoT・AI社会が本格化する中で、防御・防衛的な職務を担う正義のハッカーの社会的ニーズも増えてくる。

CONECでは、倫理、公共道徳、法律などについても専門家からの授業、ワークショップも行う。

CONEC対象生徒の入学受入れ方針

対象となる生徒は以下のとおり。

  • ゲームやパソコンに今まで多くの時間を費やしてきた、学び辛さや生き辛さを持つ生徒
  • 不登校傾向を持つ生徒、及び発達障害《LD(限局性学習症)、ADHD(注意欠如・多動症)、ASD(自閉スペクトラム症)》と診断された生徒およびそれらの心配のある生徒

開設時期

2021年4月

定員

新入生20名、転編入生5名

就学コース

ネットコーチングコース(在宅で24時間学べるコース)、スクールコーチングコース(週最大4日間登校し、学べるコース)

※どちらのコースも、支援員、心理相談員、教員それぞれの担任が付き、支援員はコーチとして生徒の選択・決定の支援と伴走を受けられる。

登校可能な学習センター

スクールコーチングコースについては、2021年度は、登校可能な学習センターは、品川・御殿山、横浜・関内、博多の3カ所。

職員体制

高校教育×コーチング×心理支援

明蓬館高等学校CONECでは、SNECで培ってきたノウハウを応用した職員体制で生徒たちの学びをサポートしていく。

教員、支援員、相談員の三位一体の職員体制でアセスメントからスタートし、個別の教育支援計画を活用して、生徒一人ひとりの目標に向かって支援と伴走をしていく。

プログラムの特徴

CONECでの学習は、海外でのプログラミング教育では主流となりつつあるピア・ラーニング手法を軸にしている。

CONECのオンラインプラットフォーム上に出された課題を、先ずは生徒自身が自分で考え、必要であればインターネットで必要な情報を検索することで課題解決に取り組む。

また、同じ課題に取り組む同じ教室内の仲間(Peer)に相談したり、他の場所で学ぶ仲間にオンラインで質問したりし合いながら互いで助け合うことで、社会で重要視されるコミュニケーション能力と問題解決能力も好きなプログラミング学習を続ける過程で無理なく自然に身につけられる新しい学習スタイル。

また、CONECでは、生徒固有のアカウントを発行し、オンラインプラットフォーム上で学習を進めるので、ほぼ全ての講座がオンラインでの学習が可能。

通学する教室にあるパソコン上での学習はもちろんのこと、何らかの理由で教室に行くことが出来なくなっても、自宅に一般的なパソコンやインターネット環境さえあれば在宅でも学習を続けることが可能。

今後の展望

初年度はアプリ開発を中心とした課題解決型コーダーコースとウェブデザインを中心とした創造発展型コーダーコースの2つのコースから学びを開始。

次年度以降は、生徒の多様な興味関心に合わせた形で、コースの幅を拡げていく。

それぞれのコースは後に企業と連携をする企業連携型コーダーコースと同様に生徒個々のキャリア開拓へと繋がるようにしていく。

それぞれのコースの中には、ビギナーステージ・スタンダードステージ・アドバンスステージの3つの段階を設けているため、自分に合ったスピードで安心して技術を習得する事が出来る。