教育のためのグローバル・パートナーシップGPE、1月24日「国際教育の日」にあわせてメッセージを発信

教育のためのグローバル・パートナーシップ「Global Partnership for Education(GPE)」(本部:ワシントンD.C. / 議長:ジュリア・ギラード)の副議長セリネ・ムバエ・ティアム氏(現セネガル共和国 水・衛生大臣、元国民教育大臣)は、1月24日の「国際教育の日」にあわせて、質の高い教育の提供を継続するには、「教員の質の向上」と「強靭な教育システムの構築」が重要である、というメッセージを発信した。

新型コロナウイルス感染症の影響で、世界中の教育機関は閉鎖の危機に直面している。

そのような状況の中、GPEが支援している国の中には、子どもたちへの教育を継続するため、教員がクリエイティブかつ自由な発想のもと、自主的に努力している国が多く存在する。

GPEは今後もSDGsの目標4「質の高い教育をみんなに」の達成に向けて、世界中の教育システムが強化されるよう、様々な課題を支援国と共に取り組む。

それに向けて、まずは2021年7月のG7と同時期に開催される教育のための増資会議で、教育の重要性を訴え、世界中の子どもたちに質の高い教育を提供する上で充分な資金調達を目指す。

さらに2025年までに、「強靭な教育システムの構築」のために必要とされる50億米ドル以上の資金調達を目指す。

Global Partnership for Education セリネ・ムバエ・ティアムGPE副議長の提言

​セリネ・ムバエ・ティアム GPE副議長 (セネガル共和国 水・衛生大臣、元国民教育大臣)

2025年までに、50億米ドル以上の資金調達を目指す

新型コロナウイルス感染症のパンデミックは、世界中の教育施設の閉鎖拡大のリスクになっていると同時に、教育システムの脆弱性も露呈しました。すべての人が質の高い教育を受けられるようにするには、不平等の削減、紛争の予防や、男女平等の促進に取り組むことが必要です。

パンデミックが拡がり始めてすぐに、GPEは行動を起こしました。5億米ドルを超える緊急資金を調達して、教育機関の閉鎖による被害を軽減し、66カ国で教育システム再開をサポートしました。

しかし、現在も多くの課題が未解決のままです。今、最も急がれていることは、質の高い教育を継続して提供するため、「教員の質の向上」と「強靭な教育システムの構築」を目的とした大規模な投資を行うことです。GPEは、世界で最も貧しい国々の教育制度を支援するためには、ドナー国(現在、日本を含む25ヵ国)・民間企業・財団等が協力して、50億米ドル以上の資金を拠出することが必要だと訴えます。

教員は、子どもたちに質の高い教育を提供する上で、極めて重要な役割を担っています。私たちの社会の再興は、教育を通じて、また教員たちの努力なしには達成できません。彼らは、世界中の教育の変革に欠かせない存在なのです。

新型コロナウイルス感染症の知られざる英雄、教員

新型コロナウイルス感染症の拡大により、「強靭な教育システムの構築」が緊急の課題となっています。2020年、世界中が新型コロナウイルスの脅威に直面し、一時的に学校を閉鎖せざるを得なくなりました。就学に影響を受けた生徒の数は、16億人以上と推定されています。教育分野でこのような危機を経験したことはいまだかつてありません。低所得の国々では、約2,400万人の生徒たちが学校に戻ることができずにいます。その中でも特に厳しい状況にあるのは、女の子です。

1月24日の「国際教育の日」を迎え、学校等の教育施設の閉鎖に直面しながらも、生徒たちが学習を続けられるよう、日々奮闘したのは教員たちにほかなりません。教員たちはみな、自らの仕事の本質的な価値を、身を持って示しました。コロナ禍で完全に変わってしまった世界で、教員たちは、外出自粛期間であっても学習を継続できるように、想像を超える努力をしてきたのです。

技術的な課題も教員たちは創意工夫して、教育の継続に努める

コロナ禍で教員、生徒、そしてその家族は、ただちにオンライン教育に適応する必要に迫られました。特に、低所得の国々では課題が山積みです。新しい学習方法に必要な機材やインターネット環境も、ほとんどの家庭にありません。世界中の生徒の約半数、8億2,600万人の子どもや就学児童が、学校閉鎖期間中に技術的な困難に直面したと推定されています。それでも、主体的に生徒をデジタル学習へ導こうとする教員たちもいました。技術面での知識や、十分な予算がない中で、教員たちは、創意工夫しながら、生徒が教育を受け続けられるように献身的に努力しました。

多くの国が、革新的なソリューションの開発に投資しました。ガボン、セネガル、ブルキナファソのように、遠隔教育のプラットフォームを立ち上げた国もありました。インターネットアクセスの問題を回避するため、マリ、カメルーン、コートジボワールは、ラジオやテレビで授業内容を流しました。マダガスカルやモロッコなどの国々では、学習用教材を印刷し、生徒達に配布しました。オンラインプラットフォームをはじめ、様々な教育の形を実践したのは世界中の学校閉鎖の影響を受けた6,300万人の教員です。

授業を録音し、ラジオやテレビで流したのも、教員です。さらに、オンライン指導用の内容を急遽準備し、SNSでサポートグループをつくり、生徒とのつながりの維持に努めたのも、教員です。毎日何キロもの道のりを駆け回り、生徒の宿題を集めて採点したのも、やはり教員です。子どもたちが、学習を続けられるように家族をバックアップし、生徒の中でも特に女の子が除外されないように親に注意を促したのも、教員なのです。今こそ、この教員たちの取り組みと勇気を讃えなければなりません。その理由は、何百万人の子どもたちがなんとか学習を継続できるようにしてくれたことにとどまりません。前例のない困難な状況に直面しながら、優れた適応能力を示し、自分たちのミッションを変わらず堅持してくれたことに対するものなのです。

GPEは、今後も世界の教育問題に関する最新情報を国内でも定期的に配信していく。

GPEとは

教育のためのグローバル・パートナーシップ「Global Partnership for Education(GPE)は、2002年に世界銀行が主導して、設立された世界で唯一の教育問題に特化した国際基金。

すべての人に公平で質の高い教育を提供することを目指している。

途上国、支援援助国、民間企業、各国政府や、国連機関、NGOなどの多くの関係者に支えられている。

世界中から教育のための資金を調達し、教育システムの改善・強化などを通じて、途上国が直面する教育の最重要課題を解決すべく、支援を行っている。

GPEはSDGsの目標4「質の高い教育をみんなに」の達成を目指している。

 


ABOUT US

シンボ ナツキ
埼玉県出身。2018年12月からほぼ毎日EdTech Mediaの記事を更新しています。 EdTech Mediaのほかに、教育業界専門の転職サイト「Education Career」を運営している株式会社ファンオブライフのマーケティング担当です。