日本の保護者の学校教育に関する満足度と収入に対する教育費の割合は11ヵ国中最下位:スプリックス基礎学力研究所発表

株式会社スプリックス(本部:東京都豊島区/代表取締役社長:常石博之)が運営するスプリックス基礎学力研究所は、グローバルにおける日本の教育実態を把握すべく、世界11ヵ国において子ども・保護者を対象に学習に関する「意識調査」、および基礎学力を測る「学力調査」を実施した。

各国1,000名ずつの子どもと保護者、合計22,000名へのリサーチ結果から得られたデータを全4回にわたり公表する。

さらに、スプリックス基礎学力研究所公式Twitter公式Facebookにて、一部の調査結果に加え、補足データや最新情報も併せて掲載実施中。

α世代の子どもたちの基礎学力が世界11ヵ国中9位であることが明らかになった第1回目調査に続き、第2回目となる今回は日本の保護者は学校の授業への信頼が他国と比べ低い上、保護者の関与度も低く、教育投資も少ないにも関わらず、自力で勉強すべきとも考えていないという矛盾が浮き彫りとなる調査結果となった。

▶スプリックスが世界11ヵ国22,000名の子ども・保護者に学習調査を実施、日本の10歳未満の子どもの基礎学力は11ヵ国中9位

※α世代とは2010年中盤~2020年代序盤に生まれた人を示し、今回は6~9歳の子どもたちを指している。

保護者を対象に学習に関する「意識調査」および基礎学力を測る「学力調査」結果概要

① 日本の保護者は基礎学力が応用力の土台であると認識!

9割以上が基礎学力がなければ応用力を身につけられないと考えており、11ヵ国中1位に

第1回目調査で、日本では基礎学力を大切だと考えていることが明らかになったが、基礎学力がなければ応用力を身に付けることができないと認識している日本の保護者は91.8%に上り、基礎学力テストのトップである中国を上回り、11ヵ国中で1位になった。

その一方で前回の調査では、世界と比べてみても、子どもが学力を身につける努力をしていない保護者の割合は、日本が11か国中最も高いことがわかっており、応用力の土台としての基礎学力の重要性の認識と、実際の行動とのずれが起きている。

② 日本の保護者は学校の授業に対する満足度が11ヵ国中最も低い結果に!

今後受けさせたい教育は「一人ひとりの学力に合わせた教育」「到達度を評価しながら進める教育」

基礎学力育成の中心となる学校に対して保護者はどのように捉えているのか調査したところ、「学校が提供する授業に満足」「学校の授業についていっている」「学校の授業で十分な学力がついている」について、いずれも11ヵ国中最下位であることがわかった。

学校教育に対する満足度において、他国が7割台後半以上であることに対し日本は過半数を下回っており、他国と大きく差が開いていることがわかった。

また、保護者の「今後受けさせたい教育」については、日本では「教員から生徒への講義中心の教育」が約10%と最も少なく、「生徒1人ひとりの学力に合わせた教育」が最も多い結果となり、次いで「学習の到達度合いを評価しながら進める教育」が挙がった。

学校が従来提供してきた講義中心の受動的な教育ではなく、学習の個別最適化や評価に対する保護者の関心の高さが伺える。

③ 収入に対する教育費の割合も11ヵ国中最下位で、習い事を含む教育に関する投資が少ない!

 一方で保護者が「自力で勉強するべき」と考えている割合も低く、関与しないのに他力も頼らないという矛盾状態に

収入に対する習い事を含む教育費の割合について調査したところ、日本では1~4%となる家庭が他国に比べて群を抜いて多く、11ヵ国中で最低であることがわかった。

教育費の割合が最も高いミャンマーと比べると10%以上の差が開いており、教育投資が少ないと考えられる。

また、「子どもたちがもっと勉強するために必要なこと」の項目に対して、「自分の力ですべきだ」と回答した保護者の割合は日本が最も低いという結果が出た。

これらを踏まえると、日本の保護者は子どもの学習に関与しない上、教育投資が少ないにも関わらず、自力で勉強すべきとも考えておらず、矛盾をはらんでいることがわかる。

スプリックス基礎学力研究所 所長 梅田修平氏コメント

今回のリサーチ結果からは、まず、日本の保護者が他国以上に「基礎学力がなければ応用力を身につけられない」と考えていることが分かりました。実際、本リサーチ対象国かつOECD加盟国において、「PISA調査 数学的リテラシーの得点」が高い国では「本学力調査(基礎的な計算)正答率」も高い傾向が見られました。この点から、日本の保護者の認識自体は否定されるべきものではありません。

一方で、日本の保護者は「学校に不満がある」にもかかわらず、「教育への投資も少ない」ことが明らかとなりました。これら事実は、日本の保護者が現実に目を向けず、子どもの学力向上と向き合えていない可能性を示唆するものであり、自身を含めた日本の保護者が認識すべきものであると捉えています。

控える第3回目、第4回目のリリースにおいても、また別の切り口から日本の教育の現状を明らかにしてまいります。

調査概要

調査地域

日本・アメリカ・中国・インド・イギリス・フランス・ポーランド・タイ・インドネシア・マレーシア・ミャンマー

調査対象

  • 子ども:6歳~15歳(各国1,000名・11ヵ国の11,000名)
  • 保護者:上記子どもの保護者(各国1,000名・11ヵ国の11,000名)

調査手法

インターネット調査

調査内容

  • 「意識調査」:子ども、保護者を対象に実施した学習に関するアンケート
  • 「学力調査」:子どもを対象に実施した50問の計算に関する基礎的なテスト

実施期間

2020年8月~9月

 


ABOUT US

シンボ ナツキ
埼玉県出身。2018年12月からほぼ毎日EdTech Mediaの記事を更新しています。 EdTech Mediaのほかに、教育業界専門の転職サイト「Education Career」を運営している株式会社ファンオブライフのマーケティング担当です。