SENSEI NOTEは、株式会社LOUPEが運営する学校の先生向けのSNS。先生を「支え抜く」ことをサービスミッションとし、先生がお互いの「知恵を持ち寄る」ことをコンセプトに、2013年5月からテスト版の運用を開始していました。テスト版での仮説検証を経て、本日、2014年3月24日正式に公開されました。株式会社LOUPE CEO の浅谷氏に、SENSEI NOTE について伺いました。
SENSEI NOTEが正式リリース!全国の先生がつながるサービスへ
※株式会社LOUPEのメンバー。前列左から、CFOの青柳氏、CEO浅谷氏、CTOの末永氏。後列はインターンやプロボノでの支援者の方々
Q:テスト版の運営を終えていよいよ正式公開ですが、どのようなサービスになりましたか?
A:小中高の先生向け情報共有サービスです。当初は、先生がお互いの「知恵を持ち寄る」をコンセプトにしていましたが、「先生がつながる」ことにフォーカスするように変更しました。SENSEI NOTEを通じて、地域や学校を超えて全国の先生とつながるきっかけ作りを提供します。SENSEI NOTE 上で他の先生と情報交換や相談ができたり、事務局が認定した研究者やNPOのコラムを購読することが可能です。
※SENSEINOTEは、全国の先生、および教員志望の学生限定のサービスで、一般の方は利用が出来なくなっています

Q:「知恵を持ち寄る」から「先生が繋がる」ことへの方向性の転換は、なぜ行ったのでしょうか?
当初の仮説では、知恵のデータベースがあれば、先生の課題を解決出来ると考えていました。ですが、投稿されたナレッジ/知識というのは徐々に鮮度が落ちていきますし、常に適切なものになるとも限りません。また投稿して頂ける内容が必ずしも、需要の高いものばかりという訳でもなさそうでした。
先生が抱える課題を吟味すると、知恵が集まっていることよりも、そこに行けば先生とつながることができ、誰かに相談が出来る、そのつながり自体に価値があるということが分かってきました。そこで、知恵のデータベースよりも先に、先生のコミュニティを創ることが大事。それで先生同士が繋がることをまず優先しようと言う風に方向を転換しました。
Q:先生の集まるコミュニティということだと、例えばFacebookのグループページと何が違うのか?というような意見もありそうですが?
A:実際に良く聞かれる質問です。先生だけが集まっているというコミュニティであることに価値がありますし、Facebookグループだと誰か招待する人がいて、参加しているというコミットや関与度の薄いグループが出来てしまうと思っています。SENSEINOTEでは、自分から能動的に登録して頂いた方々が集まるというので、コミュニティの質が全然違うものになると考えています。

※会員用のTOPページ。SENSEI NOTEにアップされている投稿を閲覧することができる。

※実際に先生から寄せられている質問と回答の例。このような先生同士のコミュニケーションが活発に行われている。
Q:現在、集まっている先生はどんな方が多いのでしょうか?Webサービスだと若手の先生中心のようなイメージですが。
A:そもそもの絶対数が小学校の先生が多いので、小学校の先生が一番多いです。若手の先生が多いのですか?という質問もよく頂きますが、そんなことはなく、キャリアが10年、20年といったベテランの先生も多く活用頂いています。先生というだけあって学びに対して、お互いに学び合おうという熱心な方が非常に多いです。
Q:教員の方々をどのように増やしていこうと考えていますか?
A:これまでは直接会って、話をし、サービスに共感して頂くということに注力していました。それがきっかけで賛同頂けた先生が、周囲に伝播してくれて、徐々に広がりを見せています。いわゆるWebマーケティングのような手法が中心ではなく、直接会うことや、それに加えてアナログでいかに先生達と多くの接点を持てるかが、最も重要だと考えています。先生が集まる場でのサービス紹介のチラシ配布や、教員志望の学生が集まる大学にもポスターなどの掲示をお願いしています。
サービスの機能面での差別化よりも、こういった地道な活動で、想いに共感し、賛同して頂ける方をいかに増やしていくかということに注力することが、SENSEI NOTE にとっては非常に重要だと考えています。
※全国の大学に掲示される予定のSENSEI NOTE の告知用ポスター
Q:具体的な数値の目標などは置かれているのでしょうか?
A:年内は、1万人の先生を集めるというのを、ミニマムで達成したいと考えています。既に1万人は視野に入っているので、2−3万人までいければ。そして、先生10万人が集まる場にすることを目指していこうと考えています。
Q:以前は、先生に月額制で利用して頂くというビジネスモデルを考えているという話でしたが、マネタイズはどのように考えていますか?
A:先生の利用は無料にしようと考えています。先生が、リテンション高く集まってくれている場は他にないので、先生にリーチしたいと思っている企業やサービスからの広告収入を考えています。また、企業が制作するコンテンツをSENSEINOTE上で公開するといったことも可能にしたいと考えています。
とはいえ、今は先生の数を集めることを最優先で行っていくつもりです。
教員向けイベントまとめのサイト「SENSEI PORTAL」

Q:SENSEI NOTE の他に全国の教員用のイベントをまとめたSENSEI PORTALもありますが、どのような位置づけなのでしょうか?
A:サービスのきっかけは、先生との接点を持とうとしたときに、先生向けのイベントはかなり多く開催されているものの、情報が一つになっておらず不便で、それをまとめようと思ったことです。
当初から意図していた訳ではないのですが、SENSEI PORTAL にのっているようなイベントに参加される先生は、学びの意欲が高く、SENSEI NOTE との親和性も高いため、イベントきっかけでSENSEI NOTEを知って頂いて、利用者を増やすというサイクルもまわせるようになっています。先ほどのアナログの接点を増やすという意味で、SENSEI PORTALの果たしている役割は非常に大きいです。
Q:会社として、長期的に目指すものは何ですか?
A:会社としては、教育のインフラを創ることを目指しています。SENSEI NOTEは、先生のインフラとして、先生が活き活きと働ける社会を実現していきたい。先の話にはなりますが、生徒のインフラなども創っていきたいと考えています。
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