ジョリーグッドと京都科学が共同開発する「看護師教育VR」事業が文科省事業に採択、東京医大らと共同で3カ年の実証事業を開始

株式会社ジョリーグッド(東京都中央区、代表取締役:上路健介、以下ジョリーグッド)と、医療・介護教育シミュレータを製造販売する株式会社京都科学(京都府京都市、代表取締役社長:髙山俊之、以下京都科学)が共同で開発している「看護師教育VR」事業が、文部科学省の「令和2年度専修学校における先端技術利活用実証研究」※1に、採択されたことを発表した。

本事業では、実習機会や学習時間が減少している看護師の育成環境構築を目的に京都科学及び、学校法人東京医科大学(東京都新宿区)と共にVR教材を開発し、全国の看護系専修学校にて実証・検証を行う。

※1:文部科学省の「令和2年度専修学校における先端技術利活用実証研究」とは、専修学校における職業人材の養成機能を強化・充実するため、VR・AR等の先端技術の活用方策について実証・研究する事業。

進む高齢化で必要性が高まる看護師の育成、コロナで臨床実習がストップ

厚生労働省は2019年に看護職員(看護師、准看護師、保健師、助産師)が、2025年までに27万人不足するとの推計を発表した。

また2025年は、団塊の世代が75歳に達し、後期高齢者人口が約2,200万人と急増し、国民の4人に1人が75歳以上になるといわれている。

看護職員の必要性は、高齢化に伴って高まる一方である。

看護師を育成する医科大学や看護系専修学校では、新型コロナウイルスの影響で病院に立ち入ることができず実習の機会が失われている。

また患者側のプライバシーへの意識が高まり、学生が実際に患者とコミュニケーションを取る臨床実習が困難になっている。

VRでいつでもどこでも臨床体験!患者さんとのコミュニケーションも

本事業では、毎年多くの看護師を輩出している東京医科大学と京都科学が共同で、VRカリキュラムの監修を行い、ジョリーグッドと共に制作。

制作したVRコンテンツの有効性を全国の看護学校で3カ年をかけ、実際の看護学生に対し実証研究を実施する。

VRコンテンツの内容は、小児科、産婦人科、精神科など様々なシチュエーションを開発予定。

開発したVRコンテンツを用いて、学生へのランダマイズ検証や理解度テストなど、教育効果の比較検証を重ね、リモート環境でも従前の実習カリキュラムと同レベル以上の学習効果をもたらすプログラムの開発を目指す。

また、実際の臨床実習では経験できる症例が限られているが、希少症例などをVRコンテンツ化することで、本来必要である症例の看護経験を積むことが可能。

一対多の遠隔臨床実習を提供する「多接続リモートVR臨床システム」

「多接続リモートVR臨床システム」(以下本VRシステム)は、講師と受講者が、どこか一箇所に集まることなく、治療スタッフそれぞれの360°視野を、どこからでもVRで一斉に臨床学習できる次世代型医療教育システム。

本VRシステムを活用した遠隔VR講義では、VRによる臨床実習を一斉に提供することで、離れた場所にいる受講者らが現場に立ち会っているかのようなヴァーチャル実習を実現する。

講師のタブレットアプリでは、注視してほしいポイントをタブレット上に描画することで、受講者のVR内での視線を誘導するなど、昨今の新興感染症による休校や実習の休講の中でもスムーズなリモートVR授業を進行することができる。

本VRシステムを活用し、在宅環境下における遠隔リモート型VR授業の実証実験を行い、看護師育成に必要な臨地実習時間を満たすことの出来る新たな実習カリキュラムの構築を目指す。

監修者コメント

東京医科大学医学部看護学科教授 東京医科大学病院シミュレーションセンターセンター長阿部幸恵先生

VR教育は、感染症や災害発生時でも遠隔でいつでもどこでも学生の学習を保障する

地域包括医療が進む中、看護職者は、多様な場で最善の看護を提供できる実践力が求められ、基礎教育は、その実践力の基盤を作る重要な役割を担っています。学生たちが、現場をイメージしながら実践力を身に着けるために、シミュレーション教育が導入されるようになりましたが、人・物・場所などの準備が障壁とされてきました。このVRを用いたシミュレーション教育は、従来の障壁を乗り越えるだけでなく、感染流行・災害発生時にも遠隔で学生の学習を保障するという次世代型の学習の実現を可能にするものだと期待しています。

​ジョリーグッドは、本事業を通じて、withコロナ時代の新しい生活様式においても、学生に質の高い看護技術学習の場の提供を実現し、充分な臨床実習経験値を持った人材の育成に寄与する高度VR教育カリキュラムの構築を目指す。

ジョリーグッドでは、共同でVRの実証研究を行う病院や医科大学、医療機器メーカーや医学会を募集している。