エデュテクノロジー、VR映像を使用した次世代型教員研修の実証研究を開始

全国の教育現場へICT導入支援サポートを提供している株式会社エデュテクノロジー(本社:東京、代表取締役:阪上吉宏)は、今までにない取り組みとして、VR映像の配信と教育効果を可視化するアンケート分析を組み合わせた、GIGAスクール構想・生徒一人一台端末に対応する次世代型教員研修の実証研究を開始することを発表した。

この研究はアドバイザーに放送大学 中川一史 教授を迎え、淡路市・埼玉県立越谷南高校を実証フィールドとし、埼玉県総合教育センター・千葉県総合教育センターの協力のもと、共同プロジェクトとして始動する。

次世代型教員研修の概要

次世代型教員研修パッケージは、生徒一人一台端末を使用する授業の録画配信と児童生徒の思考力と表現力の向上を計測するアンケートサービスで構成されている。

2つの取り組みにより、これまで国内では事例の少ない児童生徒一人一台端末の授業イメージを高め、それらの環境で継続的に学習した児童生徒の思考力と表現力の向上を把握することができるようになる。

特に録画配信では、生徒の動きを俯瞰的に捉えることができる360度カメラを利用することで、授業者の発話から生徒がどのような反応をするかを確認し、授業改善に役立てることができるようになる。

実際の学習現場や研究者と共に取り組む本実証から、これからの新しい研修のあり方を提唱していく。

実証実験に取り組む背景

現在、文部科学省のGIGAスクール構想を受け、教育現場では一人一台端末の準備が進んでいるが、一方それらを授業に活用する教員へのICT活用指導研修はまだまだ足りておらず、研修予算や研修教材も足りないという現状がある。

その大きな理由の一つに、一人一台端末をイメージすることができる研修自体が少ない事、さらにコロナ禍の中では、集合型研修の実施が難しく、従来の研修から取り組み自体を改善する必要性に迫られている。

そのためエデュテクノロジーは、360度カメラやアンケート分析などのテクノロジーを用いて生徒の声や反応を把握できるようにすることで、特にICTを活用した教育の導入に対し苦手意識を持つ教員がより理解を高め、自信を感じてもらえることを目的に次世代型教員研修の共同研究を始動することに至った。

また、コロナ禍への配慮により、例年通りの公開授業をはじめとした集合型研修がほぼ実施できなくなっている状況下において、オンラインでのリモート参加やオンデマンドでの自学教材化をすることで課題解決への有効性を実証する。

実証実験の概要と期待される効果

今回の共同研究では2つの観点でプロジェクトを実施する。

1. 教室全体を生徒目線で撮影した高解像度360度カメラのVR映像を使用したオンライン参加可能な研修を実施

​実際に教室で生徒たちを360度カメラで撮影することで、一人一台端末を導入した授業の様子(主に児童生徒の動きや反応)をよりリアルに感じてもらうことができるようになる。

また、YouTubeでの録画やライブ配信を利用し、公開授業に参加しなくてもオンラインでの研修受講が可能になる。

さらに、360度カメラで録画した授業は、教室を訪問できない方でも授業参観できるよう、オンデマンドで研修教材として視聴できるようにする。

使用する製品サービス

  • 撮影機材:Insta360社 Insta360 Pro2 及び Insta360 TITAN ※いずれもプロ用VR撮影カメラ(8K及び11K 3D VR クオリティ)
  • 配信システム:YouTube

2. 児童生徒一人一台端末を導入した授業を受けた生徒に一定期間の前後でアンケートを取り、分析レポート化して教員へフィードバックする

放送大学 中川一史教授が作成したアンケートにより、具体的な授業の効果や生徒の声を可視化することが可能になる。

また、アンケートを行うだけでなく、結果を分析、レポート化することで現状と今後の課題がより明確になる。

今回作成したアンケートでは、生徒一人一台体制で学習端末を用いた際の活用効果として、思考力と表現力の個々の伸びを測定できる。

自分の考えや思いを表現しやすくなると、コミュニケーションや議論が活性化し深い学びにつながる。

さらに、事前事後アンケートの差異を「t検定」で分析し、レポートとして教育委員会及び学校に提出しフィードバックすることで、今後の授業改善に役立てていただくことができる。

使用する製品サービス

  • アンケートシステム:SurveyMonkey
  • 分析ソフトウェア:IBM社 SPSS

想定される実際の利用者は、一人一台端末を開始する全ての教育機関、自治体、教育委員会、私立学校としており、開発された研修を教員が受講することで端末導入授業の質が高まり、同分野で世界に遅れを取っていた現状から、世界最先端のデジタル国家を目指す今後の日本を担う子供たちの育成につながる。

これらの研究をもとに開発された研修は、遠隔研修もしくはオンデマンド型の研修教材として、来年度からの全国展開(サービス提供開始)を予定している。

中川一史 教授のコメント

「ポストコロナにおける教員研修のあり方」

2020年は教育関係者にとって大きな試練の年となりました。多くの学校が子どもたちの学びを止めないために、今できることを最大限考え、実行しました。そのような中、なかなか教員研修も滞ってしまった地域、学校も多かったと思います。

しかし、ピンチはチャンスです。この時期、オンライン研修も増えました。もちろん、会って深まること、共感できることも多々あります。しかし、どこでも受けられるオンライン研修により、本来参加できなかった研修に参加できる機会も増えたと聞いています。

本共同研究では、オンラインの良さを生かしつつ、臨場感を高め、さらにICTのメリットを最大限活かすようにアンケート分析もセットにしています。今後は、「いいとこ取り」がポイントであると考えます。ぜひ興味を持たれた方は、アクセスください。