新聞知育ゲームで集中力が最大20%・興味の幅が最大30%拡張、日本新聞協会が脳波実験で実証

日本新聞協会は、新聞(紙)を使った知育ゲーム「しんぶんち(新聞知)ゲーム」を遊んでいるときの効果について、子どもたちの脳波を測定する実験で検証し結果を発表した。

脳波測定実験から、「しんぶんちゲーム」を遊んでいる子どもたちの集中力は開始前と比べ最大20%高まり、興味の幅も最大30%拡張したことが分かった。

「しんぶんちゲーム」を開発した鳥取大学の大谷直史准教授(コミュニケーション学)は、「子どもたちは自分の得意な力を使ってゲームを楽しむ一方、一緒に遊ぶ友人とのコミュニケーションの中で苦手な分野にも楽しみながら取り組んでいる。これが興味関心の幅を広げているのではないか」と考察。

さらに、知育に新聞を活用する利点について、「子どもたちにとって新聞は一見難しく感じるかもしれないが、ゲームを通じてストレスなく活字に触れるきっかけになる」と期待を寄せた。

なお、10月15日から始まる新聞週間に向けて、これまで21種類だった「しんぶんち(新聞知)ゲーム」に、新たに9種類のゲームを追加。

30種類に増えた「しんぶんちゲーム」は「しんぶんの“ワッ!”」キャンペーン特設サイトで、無料ダウンロードできる。

新聞知育ゲーム実施時の感性変化実験 結果概要

結果報告①

ゲームで遊んでいるときは、ゲーム前と比較し、全てのゲームで「集中度(Concentration)」「興味度(Interest)」が高くなり、「ストレス度(Stress)」が低くなった。詳細は下図参照。

全てのゲームで、集中し、かつ興味を持って取り組めていたと言える。

  • 集中度(Concentration):「プレーン」で20%増加
  • 興味度(Interest):「ロング」で30%増加 ※興味の幅の増減
  • ストレス度(Stress):「プレーン」「モシモ」で21%減少

各数値の詳細

  • ゲーム前:ゲーム開始前の待機時間1分間の平均値
  • 各ゲーム中:ゲーム体験中の平均値(ゲームによって1~2分間)

結果報告②

ゲーム時の子どもたちの脳の活性・非活性と、感情の動きをラッセルの円環モデルを用いて調査した。

事前の安静状態と比較して、どのゲームも第一象限(右上)のほうに感情が寄っている。ゲームをすることで、脳が活性化し、かつ、ポジティブに感じていることが読みとれる。

ラッセルの円環モデルとは横軸にポジティブやネガティブの相対的な感情値(Valence)を、縦軸に脳の相対的な活性値(Arousal)をとった時、感情が円環状に並ぶというモデル。

監修者コメント

大谷直史准教授(鳥取大学教育支援・国際交流推進機構教員養成センター教員養成部門)

子どもたちの脳波を基に感性の変化を分析した結果、ゲーム中の子どもたちの集中力は開始前と比べ最大20%高まり、興味の度合いも30%上昇するという結果が出ました。子どもたちは自分の得意な力を使ってゲームを楽しむ一方、一緒に遊ぶ友人とのコミュニケーションの中で苦手な分野にも楽しみながら取り組んでいました。これが興味関心の幅を広げるのに役立っているのではないかと考えられます。

この結果からも、思考力や表現力などを伸ばすことを目指して開発した新聞知育ゲームは、子どもたちにとって新聞は一見難しく感じるかもしれませんが、ゲームを通じてストレスなく活字に触れるきっかけになると考えられます。

遊びを通じて、新聞に親しみ、文字の世界を身近に感じてもらい、新聞の正しい使い方からは外れていると感じるかもしれませんが、1枚の新聞(紙)から楽しみが広がる柔軟性を大事にしてほしいと思います。

脳波実験概要

実験方法

感性アナライザー(脳波を活用した感性把握技術)を用いて、ゲーム前とゲーム中の脳波を比較

検証ゲーム

6種類(アニマル、チェンジ「お母さん」、プレーン、モシモ、ファー、ロング)

  • 「コミュニケーションゲーム」新聞の記事を使って、自分だけの発想と表現でおもしろさを競うゲーム
    • チェンジ「お母さん」:一語を「お母さん」に変えるとおもしろい見出しを探す
    • モシモ「宿題」:学校の宿題を忘れたときに使える言い訳を見出しまたは記事から探す
  • 「スピードゲーム」新聞の記事の中から、すばやくかつ的確に言葉や写真を探し出す、速さを競うゲーム
    • アニマル:写真に写っている動物をたくさん探す
    • ファー:見出しや記事の中から一番遠いと感じる言葉を探す
  • 「アクションゲーム」新聞紙を使って、身体を動かしながら、知恵と工夫の上手さを競うゲーム
    • プレーン:新聞紙1枚を使って紙飛行機を作って、遠くまで飛ばす
    • ロング:新聞紙1枚を途中で切れないようにどんどん長く破っていく

感性指標

上記5個の指標にて設計

実験監修

電通サイエンスジャム/大谷直史准教授(鳥取大学教育支援・国際交流推進機構教員養成センター教員養成部門)

「しんぶんち(新聞知)ゲーム」とは

子どもの成長に不可欠な知性や能力として、思考力・判断力・表現力などがある。

新聞はさまざまな分野の情報がぎっしりつまっていながら、安価な紙を用いたメディアである。

この特性を生かし、あらゆる側面から新聞を遊んでみようと作られたのが「しんぶんちゲーム」。

新聞から得られる「知」は、知識だけではない。ゲームとして遊ぶことによって、技能や思考力、協調性など多くの「知」を運んでくれるメディアになる。

しんぶんちゲームの種類

①コミュニケーションゲーム

新聞の記事を使って、自分だけの発想と表現で、おもしろさを競うゲーム

今回実験していないゲーム例)カメラマン…審判が決めた見出しに合う写真を探せ!

  • 制限時間:2分
  • 学べる新聞知:共感力・発想力
  • 難易度:★

②スピードゲーム

新聞の記事の中から、すばやくかつ的確に言葉や写真を探し出す、速さを競うゲーム

例)ビッグ…新聞記事の中から、一番大きいと感じる言葉を探せ!

  • 制限時間:1分
  • 学べる新聞知:思考力
  • 難易度:★★

③アクションゲーム

新聞紙を使って、身体を動かしながら、知恵と工夫の上手さを競うゲーム

例)タワー…新聞紙で一番高い塔を作れ!

  • 制限時間:2分
  • 学べる新聞知:判断力
  • 難易度:★★

ABOUT US

シンボ ナツキ
埼玉県出身。2018年12月からほぼ毎日EdTech Mediaの記事を更新しています。 EdTech Mediaのほかに、教育業界専門の転職サイト「Education Career」を運営している株式会社ファンオブライフのマーケティング担当です。