立正大学が全学部生を対象とした授業改善アンケートを実施、オンライン授業に一定の教育効果を確認

立正大学(東京都品川区/学長:吉川 洋)は、全学共通設問による半期ごとに定期的に実施している授業改善を目的とした科目別学生調査を実施し、結果を発表した。

今年度第1期は、コロナ禍の影響により全面オンライン授業となったが、アンケート結果を分析したところ、授業の内容理解など多くの項目において昨年度までの対面授業時のスコアを上回る結果となり、一定の教育効果があることが確認された。

また、授業形態(※)としては「オンデマンド配信型」と「オンデマンド配信型+同時双方向型(複合型)」で、内容理解や知識習得、総合満足度のスコアが大きく上昇した。

※教科書や講義資料のみを用いる「資料配布型」、Stream・YouTube等に予め録画・録音された授業を視聴する「オンデマンド配信型」、Zoom・Teams等のビデオ通話ソフトでのリアルタイム配信による「同時双方向型」の3種類、およびそれらの複合型3種類の全6種類に分類した。

コロナ禍の影響による全面オンライン授業の実施は、立正大学にとっても初めての試みであり、その成果や効果、課題などを可視化し、より教育効果の高い授業実践につなげる必要がある。

今回は、第1期に実施した授業改善アンケートの結果について、

  1. 過去3年間の対面授業時のスコアとの比較
  2. 授業形態別スコア比較

をおこない、オンライン授業の教育効果と授業形態別の教育効果について分析し結果をまとめた。

「授業改善を目的とした科目別学生調査」結果概要

出席率、内容理解、知識習得度など、分析比較対象としたすべての設問においてスコアが上昇

過去3年間の対面授業時のスコアとの比較をしたところ、「この授業1回に対して、授業外学習(予習・復習)を何時間くらいしましたか」という質問に対しては、「全くしていない」が例年の40%前後から14%に大きく減少し、約3割は1時間以上の授業外学習をしている結果となった。

また、総合満足度は例年の約4.07ポイント前後から4.17ポイントに上昇するなど、すべての設問においてスコアが上昇し、オンライン授業においても一定の教育効果がみられることが分かった。

 

「オンデマンド配信型」および「オンデマンド配信型+同時双方向型(複合型)」では、総合満足度の平均スコアが高い

「オンデマンド配信型」と「オンデマンド配信型+同時双方向型(複合型)」の授業では、多くの設問において前年度よりスコア(5点満点)が上昇。

「授業の内容を理解できましたか」の質問に対するスコアは、「オンデマンド配信型」が4.22ポイント(対前年0.22ポイントアップ)、「オンデマンド配信型+同時双方向型」が4.44ポイント(対前年0.30ポイントアップ)となるなど、他の授業形態と比較しても高い結果に。

オンライン授業においては、「オンデマンド配信型」を中心とした手法がより教育効果の高い授業形態であると推察される。

「資料配布型」や「同時双方向型」では、高いポイントを獲得した授業もあった一方、低い得点域にも広く分布

授業形態別スコア分布の検証をしたところ、「資料配布型」や「同時双方向型」は、低スコア領域にも広がりが見られるなど、授業形態によって総合満足度のスコアにバラつきがみられた。

「資料配布型」では、「あなたは授業内容を理解するために積極的に取り組んだと思いますか」の質問に対しては大幅にスコアが向上したものの、「授業に対する先生の熱意や意欲が感じられましたか」に対しては、対前年で0.21ポイント低下(4.18ポイント)する結果となるなど、授業科目によっては改善の余地があることが判明。

今後の取り組みについて

全面オンライン授業は初めての試みではあったが、今回のアンケート結果からはこれまでの対面授業と比較しても一定程度の教育効果があったといえる一方で、授業形態によっては授業科目ごとにスコアのバラつきがみられるなど、改善課題も見つかった。

10月から開始される第2期では、一部で対面授業を再開するが、感染症対策に配慮し引き続きオンライン授業も継続して行っていく。

アンケート分析結果から判明した授業形態ごとの特性に加え、学生からの意見や他の調査結果の分析も進め、改善課題の解決に努める。

今後大学では、コロナ禍の収束後も見据えた新しい教育像の構築が求められる。立正大学では今後も継続的な調査・分析を通して、教育手法の開発を進めていく。

調査概要

調査期間

7月27(月)~8月8日(土)

調査対象科目

1,284科目   ※受講者数5人未満の科目、演習・ゼミなどは調査対象外

回答率

62.7% (回答数 53,384/総数 85,177)

調査方法

Webアンケート方式

比較・分析にあたって

  • アンケート項目のうち、特にオンライン授業化に伴う影響が大きいと思われるものを比較・分析対象とした。
  • 授業形態別のスコア比較分析にあたっては、比較対象科目を「2019年度第1期、同一教員・同一科目」に絞った。
  • 授業形態の区分は、アンケート項目の学生申告に基づいて行った。また、上記の授業形態の他、「その他」およびその複合型、3形態の複合型があったが、少数のため集計対象からは除外した。