産官学連携の学校システム改革チーム「未来の学校みんなで創ろう。プロジェクト」始動、東京学芸大学と20社の企業・教育委員会が連携

国立大学法人東京学芸大学は2020年8月5日、教員、企業と教育委員会がワンチームとなって、Society5.0に向けた新しい学校システム創りに挑戦していく「未来の学校みんなで創ろう。プロジェクト」を始動したことを発表した。

「未来の学校みんなで創ろう。プロジェクト」概要

開かれた公教育システムへの変革

テクノロジーによって世の中が急激に変化していく中、この社会がどこへ向かうのか、予測することは困難な状況である。

周りの流れに身を任せていれば幸せになれる時代は、もう過ぎ去ったと言っても過言ではない。

AIなどのテクノロジーが進出してくる社会において、人間の生き方や価値自体が問われる時代に突入する中、学校の役割もシステムも変わらなければならない。

この「未来の学校みんなで創ろう。プロジェクト」では学校現場をもっとオープン化し、教員と企業、教育委員会がワンチームとなって教育システムの変革に挑戦する。

日本の教育をリードする東京学芸大学、東京学芸大学附属学校(竹早地区)の現場教員とNEC、コクヨ、内田洋行、博報堂などの企業、各教育委員会がワンチームとなり連携していくことによって、構想をすぐに学校や授業で実践していくことができる。

この取り組みを通じて、日本の既存の「学校像」を抜本的に変革していく。

プロジェクト・ビジョン

プロジェクトではこれからの時代「生きることは面白い」と感じ、自分に素直になって、自分や社会をよりよくする方向へ向かっていくことが大切だと考えている。

さらに、溢れるアイデアや意欲を礎に、考え、そして行動できる事が重要になるとも考えている。

そのような学校を創るための、本プロジェクトのビジョンとして「好きに、挑む。」を掲げている。

「答え」より「好き」を見つけられる学校へ。夢中で「好き」に挑むその熱量は、誰かの心を動かし、社会を大きく動かす原動力になると考えている。

また、子どもと一緒に教員自身も、それぞれの「好き」に挑んでいく。

それは既存の構造であった、教員が教え、子どもが教わるだけというものではなく、みんなで一緒に「好き」に挑んでいくことで、お互いに学びあうことができる創発の場となっていくという。

みんなが「好きに、挑む。」ことができる社会は、希望に溢れ、幸せなものになるのではないだろうか。

教師と企業と教育委員会のワンチーム構成

本プロジェクトは教員養成大学である東京学芸大学と、附属学校(竹早地区)、20社もの企業、岡山県津山市、岩手県山田町、その他の教育委員会がワンチームとなり連携していく、日本初の産官学共同チームで組成されている。

学校現場の教員と議論を重ねながら、現場の課題解決や理想モデルの構築を実践。

企業のリソースを活用しながら、企画した構想をすぐに附属校で実装していく。そしてそれを、さらに公立学校にも展開していく。

そんなスピード感持った変革を実施していく。

実施プロジェクト

現在、現場教員、企業発の様々なプロジェクトを推進中。企画中も含めて15以上のプロジェクトがあるが、下記にて一例を記載する。

学校の運営改革

  • 学校内コワーキングスペース設置:企業・外部人材とのコワーキングが可能な職員室
  • 子どものトラッキングシステム開発 : 出欠の自動化、子どもの行動・状況把握、安全/安心を守るシステム

学習支援のデジタル化と学びの拡張

  • 教科跨ぎアクティブラーニング:教科を越境して、学びをつなげるICTシステムの開発
  • オンラインPBL : PBL/探究学習をオンラインで、汎用化させるシステム開発/環境整備
  • 困難な状況にある子どもの学習支援 :不登校等の子どもに対する支援システム開発整備

新しい学校学習環境の創造

  • AR/VR実験ルーム:AR/VR教材開発と物理的な制約を超えた学びの共同体の設計
  • Society5.0時代の新しい図書館 : 図書館が保有する知のデジタル化とサービスの拡張
  • リモートクラスルーム : 遠隔の教育がネットワークにより繋がる、新しい学校システムのあり方

教育者の力量開発とチーム化の促進

  • 指導案AIシステム:指導案と授業履歴をAIで分析するレコードシステムの開発
  • 「ダブルワーク」教員 : 企業人等のダブルワーク化と小中版「クロアポ」開発

学校を取り巻く社会システムの改革

  • 学校/塾/家庭の協働システム : データの共有とリテラシーのマスタリーラーニング(完全習得学習)
  • 家族ユニットでの「ワーケーション」実現:新しいライフスタイルと学びのニューノーマル

プロジェクトメンバーの声

東京学芸大学 理事・副学長 松田恵示氏

東京学芸大学は、多くの大学や教育委員会、教育現場、そして企業と連携しながら教育者養成をリードする大学です。Mistletoe Japan合同会社のファウンダー、孫泰蔵氏とも協働させていただきながら、今回の取組では、企業や教育委員会やご家庭、地域の方々ともワンチームになって、附属竹早地区を大改革し未来の学校像を研究・開発するとともに、教育委員会・公立学校、私立学校とも連携してその成果を社会実装し、新しい「学校と社会の関係」をいち早くお見せできればと思います。

東京学芸大学附属竹早小学校・附属幼稚園竹早園舎 校長・園舎長 鎌田正裕氏

子どもの学びや安全をどのように保障するか?――古くから学校にある課題に、様々な分野の経験と技術が挑戦します。「この時代に生まれてきてよかった!」と児童が思える 学校を目指します。

東京学芸大学附属竹早中学校 校長 藤本 光一郎氏

竹早生活11年の生徒も、9年の生徒も、3年の生徒も、一人一人が「好きに、挑む。」を実行し、一生ものの「好き」を見つけ、皆が笑顔で竹早を巣立つような学校にしていきたいと思います。

株式会社内田洋行 学びのコンテンツ&プロダクト企画部 部長 青木栄太氏

弊社は「情報の価値化と知の協創をデザインする」というコーポレートビジョンのもと、子どもたちが今よりもっとICTが進化した世界で生きていく上で必要な力を育む学びの場としての「未来の学校」のあるべき姿を、本プロジェクトを通じて支援していきます。

株式会社学研教育みらい 代表取締役社長 小林徹氏

学研グループは、検定教科書、副読本、教材・教具を通じて、75年間にわたり教育現場を支えてまいりました。これまで蓄積したノウハウを活かし未来の学校プロジェクトのお役に立てるように尽力いたします。

株式会社カモマン 代表取締役 宮原うらら氏

弊社は「学校と社会をヒトで繋ぐ」を理念に、企業人が学校に越境して教職員と協働する研修プログラムを展開しています。皆様と産官学連携で新たなムーブメントを起こし、「未来の学校」を創造します。

コクヨ株式会社 ファニチャー事業本部 TCM本部TCMマーケティング部部長 石崎隆宏氏

新しい時代を迎える学びの環境において「変わるべきもの」と「変えてはならないもの」を見極め、教える側・学ぶ側・支える人たちのみんなが同じ方向に向かっていける空間づくりに貢献します。

ジブラルタ生命保険株式会社 執行役員 松本哲氏

ジブラルタ生命が取り組む様々な社会貢献活動。目的は”未来を担う子どもたち” へのエールです。 長年の経験を活かし「未来の学校像を創る」という意義あるチャレンジでも貢献したいと考えます。

tanQ株式会社 取締役 滝沢久輝氏

「ガクモンで人生を冒険にする」というミッションのもと、教育ボードゲームやカリキュラム開発に従事してきた経験を活かし、ワクワクが止まらない「未来の学校」つくりをサポートできましたら幸いです。

認定特定非営利法人Teach For Japan 代表理事・CEO 中原健聡氏

今回のプロジェクトを通じて、教育の価値を本質から捉えなおし、学校とは何のために存在し、どのような”ガッコウ”がすべての子どもの可能性を最大化する役割として機能するのかを提案したいと思います。

株式会社出島プランニング 代表取締役 出島誠之氏

自治体など主に公共分野における課題解決の仕事をしています。今回の取組みの中で、附属竹早小・中学校が抱える課題を1つでも多く解決できるようサポートしていきたいと思います。

凸版印刷株式会社 教育事業推進本部 本部長 菊地尚樹氏

これからの学びは子どもが主役であるべきと考え、今回のプロジェクトに賛同しました。 子ども一人一人に合った多様な学習体験によって、学ぶ意欲があふれ出す学校づくりを支援していきます。

株式会社日本能率協会マネジメントセンター 代表取締役社長 張士洛氏

“Enjoy Your Growth”と言う企業理念のもと、学校内における“時間(とき)のデザインと学びのデザイン”をより楽しく、アクティブに展開し子供達と先生達の未来と成長に寄り添います。

日本電気株式会社 コーポレート事業開発本部 マネージャー 菊地良太氏

弊社が目指すBrighter Worldの実現に向けて、子ども達の「好きに、挑む」気持ちと姿勢を育むことは不可欠です。本活動を通じて、教育や学習のNew Normalをより明るいものにするために尽力します。

株式会社NOLTYプランナーズ 代表取締役社長 髙梨文明氏

NOLTYプランナーズは「自ら学び、考え、行動する」人材育成をテーマに、生徒、先生の学びと成長する楽しさを実感していただくために「未来の学校づくり」をサポートいたします。

株式会社博報堂 クリエイティブ局 上條圭太郎氏

博報堂では”生活者発想”を大切にしています。学校の主体である、子どもたち、先生たちのことを深く考え、長年培ってきた”クリエイティビティ”で、未来の学校づくりに貢献します。

東日本電信電話株式会社 ビジネスイノベーション本部 担当部長 鈴木淳弘氏

弊社は、遠隔学習に代表されるICTを生かした環境を通じて、リモートワールド化する社会の中で、未来を先取りした子供たちの学習の実現に貢献します。

株式会社FIREBUG 代表取締役 プロデューサー 佐藤詳悟氏

弊社はエンターテインメントのDXを様々な芸能事務所やアーティストに提供している会社です。エンタメとデジタルと弊社のネットワークで未来の学校に貢献できたら嬉しいです。

株式会社Five for 取締役 赤田恭子氏

VRは教育の場面においても関心と理解を深める有効な手段です。我々が持つ知見と技術を、先進的な取り組みと共に実用性を実証し未来の教育のあり方を具現化します。

一般財団法人三菱みらい育成財団 事務局部長 為本吉彦氏

あらゆる環境が大きく変革する中で、産業界もニューノーマルに向けて変わろうと苦悩しています。未来の学校にも「教える場」から「学ぶ場」への変革を期待しています。いっしょに新しい学びの仕組みづくりに向けて取り組みましょう。

株式会社リクルートマーケティングパートナーズ スタディサプリ教育AI研究所 所長 小宮山利恵子氏

”世界の果てまで、最高のまなびを届けよう”をコンセプトに2012年にスタートしたオンライン学習サービス「スタディサプリ」。一人ひとりの子どもたちの個性を伸ばす未来のまなびに尽力します。

岩手県山田町教育委員会 教育長 佐々木茂人氏

自然豊かな山田町は、海の幸、山の幸に恵まれおいしい食べ物がたくさんあります。子供たちは地域の強みを生かした特色ある活動に元気に取り組んでいます。新しい学びへの挑戦、楽しみにしています。

岡山県津山市教育委員会 教育長 有本明彦氏

津山市の教育基本理念である「つなぐ力を育む」。子どもたちが先端技術を活用し、様々な方と、距離や時間を超えてつながり、夢や希望を叶える力を育むことができるよう、皆様とともに取り組んでまいります。

プロジェクトの推進体制

東京学芸大学に最初に設立された「教育インキュベーションセンター」と、東京学芸大学とMistletoe Japan合同会社(ファウンダー:孫泰蔵)が共同設立した「一般社団法人東京学芸大Explayground推進機構」が核となり、東京学芸大学大学院教育学研究科、岡山県津山市教育委員会、岩手県山田町教育委員会、その他の教育委員会、企業20社が協働で進めていくプロジェクト。

「未来の学校みんなで創ろう。プロジェクト」の舞台となる東京学芸大学附属竹早地区は、同じ敷地に幼稚園、小学校、中学校が併設されている。

11年間の連携教育研究が行われており、その研究成果は2018年に「子どもが輝く ー幼・小・中連携の教育が教えてくれたことー」(東洋館出版)としても出版されている。

子どもたちの多様性、個性を尊重しながら主体性を育む教育の実践の積み重ねは、「未来の学校」に向けた大改革を支える土台になると考えられている。

参加企業(50音順)

株式会社内田洋行、株式会社学研教育みらい、株式会社カモマン、コクヨ株式会社、ジブラルタ生命保険株式会社、tanQ株式会社、認定特定非営利活動法人Teach For Japan、株式会社出島プランニング、特定非営利活動法人東京学芸大こども未来研究所、凸版印刷株式会社、株式会社日本能率協会マネジメントセンター、日本電気株式会社、株式会社NOLTYプランナーズ、株式会社博報堂、東日本電信電話株式会社、株式会社FIREBUG、株式会社Five for、Mistletoe Japan合同会社、一般財団法人三菱みらい育成財団、株式会社リクルートマーケティングパートナーズ

参加教育委員会(50音順)

岩手県山田町教育委員会、岡山県津山市教育委員会、その他の教育委員会