ヒューマンリソシアが92カ国のITエンジニアを対象にレポートを発表、日本のIT分野の卒業者数は3.4万人で9位

ヒューマンホールディングス株式会社の事業子会社で人材サービス事業を運営するヒューマンリソシア株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役:御旅屋 貢)は今回、世界の大学等(※1)におけるIT分野の卒業者数について調査し、「92カ国をデータでみるITエンジニアレポートvol.3 世界の大学等におけるIT教育について独自調査」として発表した。

この調査では、卒業後IT技術者として就業する可能性が高い情報通信技術関連を専攻したIT分野の卒業者数と、AI(人工知能)やビッグデータ解析などで重要となる、科学・数学・統計学などSTEM(※2)関連分野を専攻した卒業者数について、世界92の国・地域の大学等を対象に調査している。

レポートの概要

  • 調査対象は92の国・地域、世界人口の84%以上をカバーしたグローバルレポート
  • IT分野を専攻した卒業者数
    • 卒業後IT技術者となる可能性が高い情報通信技術関連を専攻したIT分野の卒業者数は、世界で年間約151.2万人、約2,137万人である現役IT技術者(※3)の7%
    • 国別では、1位インド(55.0万人)、2位米国(14.8万人)、3位ロシア(9.3万人)。増加率は、1位アルメニア(183.3%増)、2位ハンガリー(81.7%増)、3位スロベニア(66.3%増)
    • 現役IT技術者数に対する割合が高く、IT人材供給力が高い国は、1位ミャンマー(244.4%)、2位イラン(58.3%)、3位フィリピン(42.9%)。高い経済成長が見込まれる新興国が上位に
  • STEM関連分野を専攻した卒業者数
    • AIやビッグデータ解析などで重要となるSTEM関連分野では、科学・数学・統計学などを専攻した卒業者数は、世界で年間約237.8万人
    • 国別では、1位インド(113.7万人)、2位米国(28.1万人)、3位イギリス(10.2万人)。増加率では、1位デンマーク(44.7%増)、2位ガーナ(42.6%増)、3位コスタリカ(32.4%増)
  • 世界第4位のIT技術者数を抱える日本(※3)は、IT分野で9位(3.4万人)、STEM関連分野で13位(3.0万人)の卒業者を輩出するものの、いずれも減少傾向に

※1 短大等を含む大学(学士、修士、博士)

※2 STEMとは、Science(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学)、Mathematics(数学)分野を重視した教育のこと

※3 参照プレスリリース:ヒューマンリソシア株式会社「92カ国をデータでみるITエンジニアレポートvol.1

本レポートでは、世界92の国・地域を対象に、経済協力開発機構(OECD)や国際連合教育科学文化機関(UNESCO)、各国の統計データなどを元に分析している。

なお、中国については、同等のデータが取得できず参考値としており、出典に関する詳細は、本調査の最後に記載している。

世界のIT分野の卒業者数:まとめ

IT分野を専攻した卒業者数、世界で年間約151.2万人

世界92の国・地域について、情報通信技術関連を専攻したIT分野の卒業者数を調査したところ、データが確認できた74の国・地域での合計は、年間約151.2万人となった(図表①)。

これは、約2,137万人である世界のIT技術者の約7%となります。また、地域別にみると、アジア・オセアニア地域が93.5万人を輩出しており、世界の6割強を占めている。

STEM関連分野を専攻した卒業者数、世界で年間約237.8万人

AI(人工知能)やビッグデータ解析などこれからの科学技術の発展に重要となるSTEM関連分野においては、科学・数学・統計学などを専攻した卒業者数が、74の国・地域合計で、年間約237.8万人となった(図表②)。

地域別では、アジア・オセアニア地域が146.7万人を輩出している。

世界のIT分野の卒業者数:国別レポート

IT分野の卒業者数、1位インド、2位米国、3位ロシア、日本は3.4万人で9位

情報通信技術関連を専攻したIT分野の卒業者数を国別でみると、1位はインド(55.0万人)、2位が米国(14.8万人)、3位がロシア(9.3万人)となった(図表③)。

なお中国については同等のデータが取得できず対象外としているが、エンジニアリング専攻の大学学部卒業者数は、55.0万人のインドの2倍以上となる118.0万人だった。

また日本は、3.4万人で9位に入っている。

他のアジアの国々では、5位にフィリピン(7.7万人)、6位ミャンマー(4.6万人)、8位インドネシア(3.9万人)、10位マレーシア(3.0万人)などがトップ10にランクイン。

IT分野の卒業者数、増加率1位は183.3%増のアルメニア、日本は1.4%減

IT分野の卒業者数について、時系列でデータが取得できた直近年と比較した増加率を算出したところ(図表④)、アルメニアが183.3%増で1位なった。

続いて2位はハンガリーで81.7%増、3位はスロベニアで66.3%の増加となった。

一方、DX(デジタルトランスフォーメーション)推進に向かう中、IT人材不足が叫ばれている日本は1.4%減と、卒業者数が減少している。

IT技術者の供給力を推計、1位ミャンマー、2位イラン、3位フィリピン

各国のIT技術者の需給バランスを見る参考として、現役IT技術者数に対するIT分野卒業者数の割合を算出したところ、1位は244.4%のミャンマーとなった(図表⑤)。

ミャンマーでは、現役IT技術者の約2.5倍にも上るIT卒業者が年間で輩出されていることになる。

続いて2位はイラン(58.3%)、3位はフィリピン(42.9%)と続いた。

高い経済成長が見込まれる新興国が上位にランクインしており、これらの国々では、経済発展に向けて、IT人材の育成に注力していると考えられる。

なお、この数値が高いほど、新たにIT技術者となりえる卒業者が多く輩出されており、IT技術者の供給力が高いと推測できる。

一方、先進国と呼ばれるG7構成国について見てみると、日本が3.1%、米国3.1%、ドイツ3.0%など、0.8%のイタリアを除き、3~4%前後に留まっている(図表⑥)。

※カナダについては、本調査シリーズでは対象外としている。

STEM関連分野の卒業者数、1位インド、2位米国、3位イギリス、日本は3万人で13位

続いて、これからの科学技術の発展に重要となるSTEM関連分野について、科学・数学・統計学などを専攻した卒業者数を国別に見ると、1位はインドで、113.7 万人となった(図表⑦)。

歴史的に数学教育で定評の高いインドが、圧倒的な人数の卒業者を輩出している。

続いて、2位が米国で28.1万人、3位がイギリスで10.2万人と続いた。

一方日本は、3.0万人で13位。

その他のアジアの国では、4位にミャンマー(8.2万人)、9位バングラデシュ(4.1万人)がトップ10位に入り、韓国は日本より上位の11位(3.5万人)だった。

なお中国については同様のデータが確認できなかったが、参考までに、サイエンス専攻の大学学部卒業者数は25.6万人となっている。

STEM関連分野の卒業者、増加率1位デンマーク、2位ガーナ、3位コスタリカ、日本は減少

続いて、STEM関連分野の卒業者について、時系列でデータが取得できた直近年と比較した増加率では(図表⑧)、最も増えていたのはデンマークで、44.7%増となった。

続いて2位は、アフリカのガーナで42.6%増、3位はコスタリカで32.4%増。

日本は1.1%減と、IT分野の卒業者同様、減少しているという結果になった。

なお、アジアの国でトップ10にランクインしたのは、10位のタイ(20.0%増)のみとなり、その他の主要国では、アメリカが20位(4.2%増)、インドが27位(2.6%増)となっている。

調査に関する出典/備考

1)IT技術者数について

参照プレスリリース:「92カ国をデータで見るITエンジニアレポートvol.1」

2)情報通信技術関連専攻の卒業者数

  • 経済協力開発機構(OECD)および国際連合教育科学文化機関(UNESCO)の統計データより、情報通信技術関連専攻の短大等を含む大学(学士、修士、博士)の卒業者数
  • 日本は文部科学省の学校基本調査より、電気通信工学分野専攻の短大等を含む大学(学士、修士、博士)卒業者数
  • 中国は中華人民共和国国家統計局のデータより、エンジニアリング専攻の大学学部卒業者数

3)科学・数学・統計学分野の卒業者数

  • 経済協力開発機構(OECD)および国際連合教育科学文化機関(UNESCO)の統計データより、Natural sciences, Mathematics and statistics専攻の短大等を含む大学(学士、修士、博士)の卒業者数
  • 日本は文部科学省の学校基本調査より、理学分野専攻の短大等を含む大学(学士、修士、博士)卒業者数
  • 中国は中華人民共和国国家統計局のデータより、サイエンス専攻の大学学部卒業者数

4)調査対象国・地域(略称・順不同)

■アジア・オセアニア(20カ国・地域)

中国、インド、日本、韓国、インドネシア、フィリピン、ベトナム、台湾、パキスタン、タイ、イラン、マレーシア、バングラデシュ、香港、シンガポール、スリランカ、ミャンマー、カンボジア、オーストラリア、ニュージーランド

■北米(1カ国)

アメリカ(米国)

■中南米(14カ国)

ブラジル、メキシコ、アルゼンチン、チリ、ペルー、エクアドル、ボリビア、グアテマラ、ドミニカ共和国、コスタリカ、ウルグアイ、ホンジュラス、エルサルバドル、パナマ

■西ヨーロッパ(9カ国)

イギリス、ドイツ、フランス、オランダ、ベルギー、スイス、オーストリア、アイルランド、ルクセンブルク

■南ヨーロッパ(10カ国)

スペイン、イタリア、ポルトガル、ギリシャ、セルビア、クロアチア、スロベニア、マケドニア、マルタ、モンテネグロ

■東ヨーロッパ(10カ国)

ロシア、ポーランド、ウクライナ、ルーマニア、チェコ、ハンガリー、ベラルーシ、ブルガリア、スロバキア、モルドバ

■北ヨーロッパ(8カ国)

スウェーデン、デンマーク、フィンランド、ノルウェー、ラトビア、リトアニア、エストニア、アイスランド

■中央・西アジア(9カ国)

トルコ、イスラエル、カザフスタン、サウジアラビア、アラブ首長国連邦、キルギス、アルメニア、カタール、キプロス

■アフリカ(11カ国)

エジプト、カメルーン、アルジェリア、エチオピア、ガーナ、セネガル、モザンビーク、モーリシャス、ザンビア、ルワンダ、マリ

※調査結果の構成比は、小数点第2位以下を四捨五入しており、合計値は必ずしも100%とはならない。本レポート詳細については、WEBサイトに連載として掲載している。