国立大学法人東北大学(宮城県仙台市、総長 大野英男)と株式会社ドコモgacco(東京都港区、代表取締役社長 嶋本由紀子)は、ドコモgaccoが運営する誰でも無料で受講できる大規模公開オンライン講座「gacco(R)(ガッコ)」において、「社会の中のAI~人工知能の技術と人間社会の未来展望~」を2020年9月9日(水)より開講することを発表した。
講座は、東北大学大学院工学研究科 金子俊郎(かねこ・としろう) 教授始め学内外からの講師によるオムニバス形式となっている。
受講者募集は2020年6月24日(水)15時より開始。
なお、本講座は「東北大学で学ぶ高度教養シリーズ※1」の第4弾となる。
「社会の中のAI ~人工知能の技術と人間社会の未来展望~」講座概要

開講の背景
日々のニュースなどで人工知能(AI)の登場や、その活躍が取り上げられることが増えてきた。
「暮らしがより便利になる」という期待の一方で、「仕事が奪われてしまう」という不安の声も耳にする。
しかし、AIとは一体どういうもので、何ができ、何ができない存在なのか、具体的に説明できるだろうか。
本講座では、AIの基本的な事項を学ぶとともに、社会の中でAIがどのように使用できそうなのか、大学や企業における具体的な研究事例を基に説明する。
また、生活の中でAIと人間が関わる時、そこにどのような関係が生まれるのかについても、教育学や社会学の観点から解説。
第1週は、AIとは何かについて。
「自ら学ぶ」と言われるAIが実際にはどのように学習しているのか、また、AIに学習可能な分野とは何か、ということについて、具体的な研究事例を基に概説。
第2週は、産業界におけるAI活用について。
自動運転で必要となる画像認識やスマホの音声エージェント、さらに医療現場で用いられる医薬品開発や病状診断、個別化医療について、各分野を牽引する企業の人々が解説する。
第3週は、最先端のテクノロジーを活用する教育情報学の視座から「学び」の本質を問うていく。
今後、AIが急速に社会の隅々に浸透する「AI時代」において、教育現場はどう変わらなければならないのか、そして、人間本来の「学び」はどのように変わるのか、ということについて考えてみる。
第4週は、AIと人とのインタラクションが、学術研究上も社会実装上も重要であることを解説。
特に、社会の中で発達する人間を、ロボット上にモデル化するという研究事例を中心に、ロボットやAIに興味のある人にも、人間に興味のある人にも意義のある内容を話す予定。
第5週では、「AIロボットは家族の一員になれるか?」というリサーチ・クエスチョンに対する解を探求する。
同時に、「家族とは何か?」、「人間とロボットの関係はどうなるのか」等の社会学的問題にも取り組む。
第6週は、「AI社会の未来展望」と題して、東北大学の教員が企業の人々を交えて対談を行う。
AIが今後社会の中でどのように使われていくのか、それぞれの専門家が考える未来像を語る。
「東北大学で学ぶ高度教養シリーズ」とは
東北大学は、MOOC※2 コンテンツとして「東北大学サイエンスシリーズ」と「東北大学で学ぶ高度教養シリーズ」を世界最先端の研究と“東北・仙台”という地域の独自の教育から、旬な話題や社会問題、災害など、なじみやすくわかりやすいトピックをシリーズで配信している。
MOOCとは
Massive Open Online Coursesの略称で、「大規模公開オンライン講座」と訳される。
Web上で誰でも無料で参加可能な大規模な講座を提供し、修了者に対して修了証を発行する教育サービス。
2012年より米国を中心として、主要大学および有名教授により公開され、2019年現在で、世界中から1億1000万人が受講している。
内容
AIの基本事項を学び、社会の中でAIがどのように使用できそうなのかを研究事例を基に考える。
また、AIと人間が関わる時、そこにどのような関係が生まれるのかについても教育学や社会学の観点から考える。
- 第1週 人工知能(AI)研究概説
- 第2週 産業界におけるAI活用
- 第3週 AI時代の「教育」を考える
- 第4週 AI・ロボットから人間を考える
- 第5週 AIロボットは家族の一員になれるか?
- 第6週 AI社会の未来展望
講師
- [工学研究科]金子俊郎 教授グループ
- [医学系研究科]中山啓子 教授グループ
- [文学研究科]佐藤嘉倫 教授
- [教育学研究科]渡部信一 教授・小嶋秀樹 教授 ・ 企業専門家 他
- 【対談】東北大学総長 大野英男 ・ 東北大学病院長 冨永悌二 ・企業専門家 他
学習期間
6週間程度