NTTコミュニケーションズ、同志社中で英会話におけるVR学習の有効性に関する実験を実施。VR学習で「正確性」が約10%向上

NTTコミュニケーションズ(以下NTT Com)は、VR(仮想現実)を始めとした仮想空間技術xRを活用し、企業、学校などでのあらゆる活動を非対面で仮想的に実現するxRビジネスを本格展開する。

今回、その一環として、学校での教育活動におけるVR学習の有効性に関して実証実験を行った。

京都市の同志社中学校において2020年2月に実地試験を行い、専門家の知見を得ながらその結果を分析したところ、VR学習は従来の学習に比べ、生徒の習熟度が高くなることが今月確認された。

今後、医療や観光業など他分野での教育・研修活動にVR活用を進めるとともに、非対面でリアリティのある体験を可能とするxRを用いて、ウィズコロナ・アフターコロナにおける最適な働き方・まなび方を提供していく。

VR学習の有効性に関する実証実験概要

背景

NTT Comは、デジタルトランスフォーメーション(DX)により教育現場を革新する「Smart Education」の実現を「まなびポケット」などを通じて推進している。

また、企業において、VRを用いた仮想的な実地研修により、生産性の向上や業務の品質改善に貢献してきた。

この実験は、これらを通じて培った経験・ノウハウを活かし、より実体験に近いコミュニケーションをVRで提供することで、教育活動におけるVRの有効性を実証するもの。

実験の概要

この実験は、同志社中学校の協力のもと、生徒を12名ずつ2つのグループに分け、入国審査やレストランでの注文など、留学や海外旅行で必要となる英会話を学習するもの。

一方のグループはスクリプトと音声教材による従来の方法で学習し、もう一方のグループは、VRを活用し現実さながらのコミュニケーションを体験。

その後、それぞれのグループの生徒に対し理解度テストを行い、ネイティブスピーカーと英語教諭が、習熟度を5項目で評価することで、グループ間の習熟状況の差異を比較した。

VR学習を行う同志社中学校の生徒

VRを活用した学習例(入国審査シーン)

実地試験期間

  • 第1回  2020年2月4日~5日 (12名×2グループ)
  • 第2回  2020年2月13日~14日 (12名×2グループ)

実地試験場所

同志社中学校(京都府京都市)

実験の結果

実験の結果、VR学習を行ったグループは、従来の方法で学習したグループに比べ、「レスポンス」、「発音」、「正確性」、「理解力」の4項目で、スコアを上回っていることが確認された。

特に「正確性」では約10%向上

また、今回VR学習を体験した生徒を対象にアンケート調査を行ったところ、約74%の生徒が「VRによる学習方法は効果がある」と回答。

その理由として「本当にそこに外国の方がいるようで、理解度テストではあまり緊張しなかった」などの声が挙がっており、VRで疑似体験をすることで、テストでも落ち着いて対応できることが効果として挙げられた。

専門家の声

実地試験を共同で行った同志社中学校・高等学校の反田 任 先生と、教育分野の認知科学を研究している益川弘如教授がVR学習が認知に与える影響についてコメントした。

同志社中学校・高等学校 反田 任 先生

生徒(学習者)にとってはVRを活用することで実体験と同等の経験をすることができ、学習内容の定着の度合いが高い傾向がみられました。当初予想した通り、五感を使って体感する効果が現れたと考えます。これは学習内容の定着という点で注目すべきVRの効果だと言えます。今後、さらに検証を進めていけたらと思います。

聖心女子大学 教育学科 益川 弘如 教授

英語は経験を重ねていくことで上達するものですが、従来の日本の英語教育は文法や単語を覚えることが中心で、英語を使う機会がないことが課題でした。

「英語を使う」経験を繰り返しできるVR学習は、新たな学習手段として期待できるものと言えます。さらに英会話のシチュエーションやフレーズを毎回少し変えることで、現実の英会話により近い「英語を使う」学習体験を生徒に提供することも可能ではないかと思います。

今後について

実験の結果、教育とVRとの親和性が高いことが判明したため、今後学校教育にとどまらず、医療や観光業など、さまざまな産業分野の教育・研修活動におけるVRの活用を積極的に進めていく。

また、新型コロナウイルスの予防対策として集合や移動が制約される中、非対面でリアリティのある体験を行うことの重要性が高まっていることから、VRを始めとしたxRを活用し、あらゆる事業活動の仮想化を実現することで、ウィズコロナ・アフターコロナに最適な働き方・まなび方を提供していく。