朝日学生新聞社、小中高生の休校中の学習・生活について保護者にアンケートを実施。最も望むのは「双方向オンライン授業」だが実現した学校は1割未満、塾は3割強

「朝日小学生新聞」「朝日中高生新聞」を発行する朝日学生新聞社は、新型コロナウイルス感染防止に伴う学校の休校について、小学生の保護者と中高生の保護者または本人に、4月末~5月上旬にアンケートを実施し、結果を発表した。

回答者は主に、朝日小学生新聞、朝日中高生新聞を購読中または過去に購読していた人で、有効回答数は小学生1018、中高生176。

休校中の学習・生活についてのアンケート結果概要

主なトピック

  • 休校中の学習形態として最も望んでいるのは「教師との双方向オンライン授業」だが、調査時点では、実現していた学校は1割に満たない。塾では3割強が実現していた。
  • 休校中も学校や塾から課題は出されているが、半数の児童生徒は自主的な学習にも取り組んでいる。3割は無料の参考書や動画も使っている。
  • 学習の遅れよりも「友だちと会えないこと」「運動不足」を心配している傾向がある。
  • 自由回答からは、オンライン授業の未整備、学校再開の見通しに対し、保護者の強い困惑がうかがえる。いっぽうで、自分のペースで学習ができるようになった、興味のある学びを深める機会になった、家族のコミュニケーションが増えた、など、休校を良い機会ととらえている意見もみられる。

1 休校中、学校や塾でどのような授業体制をとっているか

小学生、中高生ともに、「オンライン授業で双方向授業が実現している」と回答した人は、塾では3割を超えているものの、学校では1割未満にとどまっている。

学校から「メールやインターネットで課題の指示がある」ケースは5割を超えているが、小学生は「その他」も5割近くおり、自由回答からは「登校日にプリントが配られる」「郵便で課題が届く」「ほとんど指示がないに等しい」という状態が推察される。

2 休校中の学習状況

休校中、学校から指示された学習をしている人は小学生で 85.0%、中高生で 94.9%にのぼるが、学校や塾以外の学習をしている人も小学生 52.3%、中高生で 44.9%いる。

休塾の影響もあるかもしれないが、半数は自主的な学習に取り組んでいることがうかがえる。

3 1日の学習時間

1日の学習時間(平日の場合)は、小学生でもっとも多いのは「1~2時間」23.7%、「2~3時間」22.0%で、ほぼ半数が3時間以内となっている。

中高生でもっとも多いのは「3~4時間」で 23.9%。登校して授業を受けているときに比べ、学習に費やす時間は少ない傾向にあることがうかがえる。

4 休校中に使っている教材

市販の参考書や問題集を使っている小学生が5割近くいる。

小学生の回答者は中学受験を予定している人が6割近いせいかもしれない。

休校後、多くの自治体や企業が無料の参考書や動画を公開しており、小学生では3割、中高生でも 25%が利用している。

5 休校中の最も望ましい学習形態

休校中、もっとも望ましい学習形態として、「オンラインでの双方向授業」と回答している人が小学生は7割、中高生は6割に及んでいる。

6 インターネット授業で重視すること

インターネット授業で重視することは、「双方向で先生とやり取りできること」という回答が最も多い。「動画のわかりやすさや面白さ」も中高生では 66.5%にのぼっている。

7 学習に使う端末について

端末は小学生の7割、中高生でも 55%が家族と共用と回答している。

自由回答では「きょうだいがいるので、同時にオンライン授業があった場合に1人 1 人の環境を用意するのが大変」という回答が複数みられた。

使用している端末は6割がタブレット、5割弱がパソコン。スマートフォンはもっとも少ないが、中高生では3割に達している。

8 休校によって困っていること

小学生の場合、保護者は勉強の遅れよりも、「友だちと会えないこと」「運動不足」を心配している傾向がうかがえる。

中高生は、小学生に比べ勉強の遅れを気にしているものの、やはり「友だちと会えないこと」「運動不足」のほうが高い割合を示している。

9 休校中の学習以外の過ごし方

小学生、中高生ともに、テレビや動画の視聴が多いが、家の手伝いが4割、家族とのコミュニケーションが5割以上など、家族と関わって過ごす時間も多いことがうかがえる。

藤川大祐さん(千葉大学教育学部副学部長、同大教育学部附属中学校校長)のコメント

アンケートからは、保護者のみなさんがオンラインの双方向授業を望んでいて、課題を出されるだけの形式は大変だと思っていることがわかりました。インターネットでの双方向授業は、通信回線などの環境が整っていない今は、授業すべてで導入するのは難しいと思います。学級活動や一部の授業のみ双方向にして、あとは動画やプリントなどの課題と組み合わせてやっていくことになるでしょう。

多くの子どもは、学習に使うための専用端末を持っていないことがわかりました。親も在宅勤務だと、端末を用意するのが難しい。端末を貸与する仕組みが必要になってくると思います。

勉強の遅れ以上に、友だちと会えないことなど、保護者は子どもの心身を心配している傾向がわかり、安心しました。私も今回の休校では、勉強より心身の健康が優先だと言い続けています。親子で散歩や体操をする、体をつかうゲームをするなど、感染に気をつけて運動することは家庭で工夫できると思います。

親は教師の代わりになろうとしなくていいのです。学校が再開すれば、学校側は勉強の遅れを取り戻すように努力します。休校は貴重な時間ととらえ、好きなことを追求したり、ウイルスのこと、経済のこと、フェイクニュースって何?など今だからこそのテーマを調べたりするのも良いでしょう。

学校が再開しても、感染防止のために物理的距離を取らなくてはならないので、友だちとくっついたり、グループで話し合ったりすることは難しいでしょう。「空気をよむ」ことで友だち関係をつくったり、なんとなく授業に参加したりすることができにくくなります。自分自身で考え、意見や質問を言葉や文章でじょうずに伝えることが必要な時代になるでしょう。

アンケート概要

実施期間と方法

2020年4月30日~5月6日、インターネットでのウェブアンケート

有効回答数

小学生の保護者1018、中学生・高校生の保護者または本人176(本人41)

回答者の居住地

  • 小学生
    • 首都圏(埼玉・千葉・東京・神奈川)60.4%、
    • 関西圏(滋賀・京都・大阪・兵庫・奈良・和歌山)13.6%
  • 中高生
    • 首都圏(同)52.3%
    • 関西圏(同)13.1%

回答者の学年

  • 小学生:5,6年生が49.8% 3,4年生が34.5% 1,2年生が13.3% 不明2.4%
    • 回答者の56.5%が私立・国立・公立の中学受験を予定している
  • 中高生:データ不備により計測不能

調査時点での休校期間

9割以上が3月から休校状態

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