パーソルP&T、テレワークとエンゲージメントの関係性についてレポートを発表

総合人材サービス・パーソルグループのパーソルプロセス&テクノロジー株式会社(本社:東京都江東区、代表取締役社長:横道 浩一、以下「パーソルP&T」)の働き方改革の専門家集団であるワークスイッチコンサルティングは、People Tech事業を運営する株式会社アトラエ(東京都港区、代表取締役:新居 佳英、以下「アトラエ」)と共同で、アトラエが提供するエンゲージメントサーベイ「wevox(ウィボックス)」にてテレワークとエンゲージメントの関係について共同分析を行い、結果を発表した。

共同分析の結果、テレワークの継続により、エンゲージメントが低下するパターンが少なくとも2つあることがわかった。

また、本分析において低下したエンゲージメントに有効である対処法も判明した。

エンゲージメントとは:組織に対する自発的な貢献意欲や、 主体的に仕事に取り組んでいる心理状態を指標化したもの。

テレワークとエンゲージメントの関係についての共同分析概要

背景

現在、新型コロナウイルス(covid-19)の拡大防止のため、多くの企業がテレワークの緊急導入に迫られている。

しかし、遠隔でのコミュニケーションや労働実態の管理、新入社員や異動した社員の定着支援を含めたマネジメントの困難さを理由に、テレワーク導入の意思決定が容易でないこともまた事実。

在宅勤務が実現できる一方で、対面でのコミュニケーションがなくなることで組織の一体感やエンゲージメントの低下が課題として挙げられている。

そこで、前述の組織課題について、2015年よりテレワークを実施しているワークスイッチコンサルティングのテレワークに関するデータと、エンゲージメントサーベイ「wevox」のエンゲージメントデータをもとに、テレワークとエンゲージメントの関連についての共同研究を実施した。

調査結果

  • テレワークの長期継続は、チームワークや組織への共感度合いが悪化する場合がある
  • テレワークと異動が重なると、エンゲージメントが悪化する場合がある
  • 上記いずれの場合でも、エンゲージメントの向上につながると考えられる対応策がある
  • 特に今回の場合においては、オンラインでの1on1実施や、組織方針の明確化と共有などが有効だったと考えられる

テレワークの長期継続による組織への共感とチームワークへの悪影響

上記グラフは、wevoxのエンゲージメントスコアを5つの要素に分解し、その推移を今回の調査対象の部署(group_2)についてプロットしたグラフである。

この部署においては、「チームワーク」と「組織への共感」のエンゲージメントスコアが長期的に下降トレンドであることがわかる。

これは長期間のテレワークにより人と人とが直接会えない時期が続くことで、人とのつながりが弱まってくる可能性があることを示唆している。

新入社員・異動した社員のエンゲージメント低下について

次のグラフは、wevoxで測定されるエンゲージメントスコアの推移を、調査対象の2部署に対してプロットしたものである。

2019年10月の前後で、異動があった group_1 の部署のみスコアが急落している。

詳細を確認すると、 group_1 のみ仕事への熱中度合いが低下していることがわかる。

[詳細]

以上の事実を総合すると、テレワークの実施と人事異動が重なると、仕事への熱中度合いが低下する事があることを示している。(※)

※同時期に group_2 のスコアに変化はないので、全社的な要因ではなく、 group_1 に固有である異動が原因であると考えられる。

エンゲージメント低下へ対するテレワーク時の対処について

group_1 の場合も、2019年11月以降、仕事への熱中度合いが回復したのみならず、他のほぼすべての項目で状態が改善している。

この背景には、ワークスイッチコンサルティングにて2019年11月から行われている以下の施策がエンゲージメントスコアに反映されていると考えられる。

  • 通常からオンライン通話サービスを利用した 1on1
  • 週次の部署全体のオンラインMTG
  • 月次のワークショップ 等

によって組織方針の共有を密に実施していた。

特に「仕事への熱中」に関するスコアの低下を察知した後、 1on1 等の施策を通して目標設定を集中的に行うことで、2019年12月以降には、異動前と同等レベルかそれ以上を達成している。

また、先程 group_2 での低下が指摘されていた「組織への共感」や「チームワーク」の項目もともに改善していることが確認できる。

これは、リモート環境下で直接顔を合わせることができなくとも、 1on1等のコミュニケーションを適切に実行することで、組織への共感やチームワークを維持・強化することが可能であることを示している。

調査結果をうけて

ワークスイッチコンサルティング コンサルタントのコメント

テレワークの活用度向上に伴い、組織パフォーマンスの維持・向上の難易度も上がります。その様な課題に対し、自組織での実践を通して「①組織コンディションの見える化」「②組織コンディションのデータを基にした組織内での対話」「③対話に基づく改善策の実施」の3点でPDCAを回すことがポイントであることを改めて実感しております。

今後は、これまで蓄積してきたテレワーク導入のノウハウに加えて、今回の実践を通じたテレワーク組織におけるエンゲージメント向上のポイントを踏まえ、企業様のテレワーク導入・活用の成功へ向けてご支援してまいります。

wevox 学術顧問:慶應義塾大学 島津 明人教授のコメント

新型コロナウイルスの感染が拡大している現在,十分な準備体制が整わないまま,主に在宅勤務によるテレワークを実施せざるをえない企業が増えています。本調査結果は,テレワークを行っていても,オンラインを活用したマネジメントの工夫によりワーク・エンゲイジメントが維持される可能性を示唆しています。

社会的距離を保つことが要請されている状況では,職場の仲間とのオンラインを通じたコミュニケーションが,人間が持つ「人と関わりたい」という「親和欲求」を満たしていると思われます。

分析概要

対象者

ワークスイッチコンサルティング内でテレワークを実践している社員を約20名選出

  • Group1 : テレワークを実施しており、2019年10月に人事異動があった組織
  • Group2 : テレワーク実施中の組織(同10月には大きな人事異動なし。)

※約半数が4月入社の新卒メンバー

分析対象期間

2019年10月〜2020年03月

※ワークスイッチコンサルティングでは2015年から継続してテレワーク実施中、直近の人事異動があった期間が調査対象。

テレワーク実施状況

今回の調査対象のチームでは、週4~5回のテレワークを実施

エンゲージメントデータ

2019年10月〜2020年03月の分析対象期間の「wevox」のエンゲージメントスコアを活用


ABOUT US

シンボ ナツキ
埼玉県出身。2018年12月からほぼ毎日EdTech Mediaの記事を更新しています。 EdTech Mediaのほかに、教育業界専門の転職サイト「Education Career」を運営している株式会社ファンオブライフのマーケティング担当です。