博報堂Pechat開発チーム・博報堂こそだて家族研究所・LITALICO発達ナビ「ASDと子育て実態調査」第2弾「ASDの子どもの性格・特徴」編を発表

株式会社博報堂の次世代育児アイテムPechat開発チームと博報堂こそだて家族研究所は、学習塾や障害児支援事業を行う株式会社 LITALICOと共同で、ASD(Autism Spectrum Disorder=自閉症スペクトラム)の診断や傾向のある子どもを育てる家庭の実態や周囲の支援のあり方を把握するための「ASDと子育て実態調査」を実施、結果を発表した。

今回は、本日4月2日の世界自閉症啓発デーに合わせ、第二弾の調査結果として「保護者が答えるASDの特性・言動あるある」編を発表。

調査結果からは、ASDと診断された子の特性として挙げられる“こだわりの強さ”や“好きのパワー”に関する様々な傾向が明らかになった。

なお、ASDの実態や子育てのヒントを研究・発表するWEBサイト「教えて!はったつ博士」でも調査結果の詳細を紹介している。

ASD(自閉症スペクトラム):「スペクトラム」と言われる通り、虹の帯のように境目なく連続しており、症状や特性は一人ひとり多様。また、生活における困難さは個人の特性と周囲の人的・物的環境との相互作用によっておこるため「どこからどこまでが障害」と機械的に線引きできるものではない。最近では、 ニューロダイバーシティ(neurodiversity:自閉症スペクトラムなどの発達障害の特性は障害ではなく「ヒトの脳の神経伝達経路の多様性」とする考え方)も広がっている。

世界自閉症啓発デー(4月2日):全世界の人々にオーティズム(autism)を理解してもらうために、国連総会(平成19年12月18日開催)において決議された国際デー。世界中のランドマークがテーマカラーのブルーにライトアップされるほか、さまざまな取り組みが行われる。国内では、東京タワーや都庁、渋谷駅前の商業施設など、全国のランドマークがブルーにライトアップされる。

「典型発達の子」:自閉症スペクトラムやその他の発達障害の疑い圏にいない子。NT(neurotypical:神経学的典型)という分類が由来。

「ASDと子育て実態調査 保護者が答えるASDの特性・言動あるある編」結果概要

  • 「ASDと診断された子」の保護者が感じている子どもの性格・特徴の1位は、「好きな物や興味があるものに対する探究心が強い」(60.2%、「典型発達の子」との差分13.9ポイント、以下pt)。続いて2位には「何かをやり始めると、自分が納得するまでやめない」(43.1%、差分20.1pt)が挙がり、探究心や没頭力の高さが上位に。
  • 「ASDの子の発達特性を強みに思うことがある」と答えた「ASDと診断された子」の保護者は 60.9%
  • 「ASDと診断された子」の探究心の強さ(=好きパワー)は、「独自性」「収集量」「記憶力」「没頭力」「熟練性」「再現性」「想像力」「発信」の8つに分類できる。
  • 子どもの将来に対して期待することについて、「ASDと診断された子」の保護者の回答が最も多かった項目は、「親元を離れてからも日常生活を送れるようになってほしい」(70.3%)。次いで、「好きなことを伸ばしていってほしい」(65.9%)が続いた。
  • 「周囲に助けを求められるようになってほしい」と回答した人は、「ASDと診断された子」の保護者で約6割と「典型発達の子」の保護者の回答(32.4%)の倍近くとなり、社会の中で適切に周囲のサポートを得ながら、好きなことを伸ばしていってほしいという親の思いがうかがえる。

ASDの子が持つ性格・特徴の傾向

子どもの性格・特徴のうち、対になる項目A・Bのいずれかあてはまるものを1つずつ選んでもらったところ、「ASDと診断された子」には特徴的な傾向が明らかになった。

「1つのことに熱中する・ハマる」と答えた「ASDと診断された子」の保護者は74.1%。「典型発達の子」の保護者(48.7%)と比べて25.4ポイント(以下pt)高。

「特定の状況へのこだわりが強い」と答えた「ASDと診断された子」の保護者は74.3%。「典型発達の子」の保護者(36.1%)と比べて38.2pt高。

「一人で集中して遊ぶのが好き」と答えた「ASDと診断された子」の保護者は81.8%と、他の項目に比べても特に高いスコアとなり、「典型発達の子」の保護者(60.5%)と比べても21.3pt高い結果となった。

ASDの子が持つ性格・特徴①

「ASDと診断された子」の保護者が感じている特徴の1位は、「好きな物や興味があるものに対する探究心が強い」(60.2%)だった。

これは「典型発達の子」の保護者でも1位だったが、「ASDと診断された子」の方が13.9pt高い結果となった。

2位は「何かをやり始めると、自分が納得するまでやめない」(43.1%、「典型発達の子」との差分20.1pt)で、没頭力の高さが特徴として挙がった。

3位は「周りが気づかない変化によく気付ける」(39.4%、差分11.0pt)、4位は「一度行った場所や道順を正確に記憶する」(34.7%、差分16.4pt)が続き、察知力や記憶力も「ASDと診断された子」の特徴と捉えている保護者が、「典型発達の子」を持つ保護者と比べて多い結果となった。

ASDの子の発達特性を強みに思うか

「ASDと診断された子」の保護者に、子どもの発達特性が強みになると思うことがあるか聞いたところ、「よくある」「ときどきある」と回答した人が約6割(60.9%)と多数派を占めました。

ASDの子が持つ性格・特徴②

「ASDと診断された子の発達特性を強みに思うことがある(よくある+ときどきある)」と回答した保護者が、子の性格・特徴に関しどのように思っているか分析したところ、いずれの項目においても、「ASDと診断された子」を持つ保護者、「典型発達の子」を持つ保護者に比べて、あてはまると回答した人の割合が高くなった。

ASDの子の「好きパワー」エピソード(自由回答集)

ASDの子どもの特徴である好きな物や興味があるものに対する探究心の強さ(=好きパワー)について、「ASDと診断された子」の保護者に具体的なエピソードを尋ねたところ、「好きパワー」は、「独自性」「収集量」「記憶力」「没頭力」「熟練性」「再現性」「想像力」「発信」の8つに分類できることがわかった。

ASDの子の愛しいエピソード(自由回答集)

「ASDと診断された子」の保護者に、子育てする中でわが子を愛しいと感じたエピソードなどを聞いたところ、主に「思いやり」「ピュアさ」に関するエピソードが寄せられた。

ASDの子に保護者が期待すること

子どもの将来に対して期待することについて聞いたところ、「ASDと診断された子」の保護者の回答が最も多かった項目は、「親元を離れてからも日常生活を送れるようになってほしい」(70.3%)。次いで、「好きなことを伸ばしていってほしい」(65.9%)、「自信を持って生活してほしい」(64.0%)と続いた。

特に「周囲に助けを求められるようになってほしい」という項目については、「ASDと診断された子」の保護者の6割があてはまると回答、「典型発達の子」の保護者の倍近いスコアとなり、社会の中で適切に周囲のサポートを得ながら、好きなことを伸ばしていってほしいという親の思いがうかがえる。

調査概要:ASDと子育て実態調査②

調査手法

インターネット調査

調査エリア

全国

調査時期

2020年1月

調査対象者

20~60代男女(N=1,292)

  • ASDと診断された0~22歳の同居子を持つ保護者(N=545)
  • ASDやその他の発達障害の診断や疑いのない(典型発達)0~22歳の同居子を持つ保護者(N=747)

※第三弾リリースは4月下旬の発表予定。次回は「広げよう!理解・支援の輪!編」と題し、ASDの子どもたちや保護者がどのような理解や支援を必要としているかを調査した結果をレポートする。

教えて!はったつ博士 とは

ASD(自閉症スペクトラム)の実態や子育てのヒントを研究・発表するWEBサイト。

実態調査のレポート発信や、ASDの子どもの「こだわりエピソード」の紹介、ASDの子どもたちの「好き」に寄り添うコミュニケーションのヒント集などのコンテンツを、専門家やASDの子どもをもつママ・パパと一緒に研究しながら情報発信をしていく。

この調査結果の詳細は、「教えて!はったつ博士」のサイトより確認できる。