『アルク英語教育実態レポートVol.13』発表、高校教師1000名以上に生徒の学力を向上させる教材活用法について調査

​株式会社アルク(東京都千代田区 代表取締役社長:田中伸明、以下アルク)の語学教育専門研究機関「アルク教育総合研究所」は2019年10月21日に、調査レポートの第13弾となる『高等学校(中学校)での副教材活用の実態 -単語力・文法力を向上させる指導法に着目して-』を発表した。

この調査の背景と目的

アルクでは、高等学校向けの副教材(検定教科書以外の教材)を制作している。

単語集「ユメタン」「キクタン」シリーズ、文法参考書「総合英語One」シリーズをはじめ、学校専売品のリスニング・リーディング問題集など、約50タイトルを展開。

こうした副教材を指導に効果的に活用してもらうため、『英語の先生応援マガジン』やウェブサイト等での指導事例の紹介にも注力してきた。

その一方で、副教材がどのように使われ、どのような効果につながっているか、定量的には把握できていないという課題もあった。

副教材の活用について、高校・中学の英語教師にアンケート調査を実施し、全国の1000名を超える先生が回答。

その結果から、副教材の活用実態、採用検討時に重視するポイント、単語力・文法力が向上した高校でどのように活用しているかについて、分析と考察を行い今回発表した。

『高等学校(中学校)での副教材活用の実態』調査結果

副教材の採用冊数

高校は中学より採用冊数が多い傾向にある。特にリーディング副教材、リスニング副教材、入試対策問題集の冊数が多い。

副教材の採用検討時に重視するポイント

高校で半数程度の先生が重視していたのは、

  • 「生徒が取り組みやすいレベルである」(61.5%)
  • 「音声がついている」(56.5%)
  • 「テスト作成用ツールが提供されている」(56.5%)
  • 「学習方法・手順が分かりやすい」(54.2%)

生徒の学習しやすさ(レベル、学習方法・手順)と、指導上の観点(音声、テスト作成用ツール)の両方から採用検討していることがうかがえる。

中学校では、高校に比べると、「生徒が取り組みやすい学習量である」ことを重視する傾向があった。

高校での単語力向上の実態と副教材の活用

昨年度メインで担当した生徒の単語力について、1年間で「とても上がった」ととらえる教師が10.1%、「やや上がった」と解答した人が58.5%。

生徒の単語力が「とても上がった」とみなす先生は、知っている単語数が増えただけでなく、単語を“使える”状態になったことを、その理由として挙げている。

このことから、知っている単語数が増えると「生徒の単語力がやや上がった」と見なし、正しく書ける、聞ける、発音できる、スピーキングに使えると「とても上がった」と見なす先生が多いようだ。

次に、生徒の単語力が「とても上がった」先生の回答には、ある特徴が見受けられる。

「英単語の【和訳を見て(聞いて)英単語を声に出す(書く)】(日→英)」を63.2%が選択したのに対し、「やや上がった」では50.2%、「(単語力が変化したかどうかは)どちらとも言えない」では47.7%だった。

同様に、「英単語を含む英文を【音読する】」「英単語を【ペア・グループなどで活動しながら】学習する」に関しても、「やや上がった」とは約7ポイント、「どちらとも言えない」とは約15ポイントの差がついた。

音声を使ったアクティブな授業で発音が身につき、単語が“使える”ようになると考えられる。

また、単語を含む英文単位での学習も「とても上がった」で実施割合が高く、使える単語力向上に寄与した可能性がある。

次に、単語集を使った授業中や自宅などでの学習(指示)について、「とても上がった」先生の回答には、ある特徴が見受けられる。

生徒の単語力が「とても上がった」先生は「【授業中】に学習した(テストのみの場合を除く)」の実施率が79.0%と高い(「やや上がった」は57.0%、「どちらとも言えない」は49.6%)。

「自宅学習の【音声の使い方を指示】した」に関しても「とても上がった」先生は62.0%と高い(「やや上がった」は43.2%、「どちらとも言えない」は28.5%)。

「自宅学習の【手順を指示】した」に関しても上の2項目ほどではないが、「とても上がった」(69.0%)は「やや上がった」(62.8%)「どちらとも言えない」(50.7%)に比べて割合が高かった。

単語集を採用する場合、授業中に生徒と一緒に学習し、自宅での学習指示も範囲だけでなく、使い方や音声の活用法を含めて指示することで“使える”単語力の習得につながると言えそうだ。

また、文法に関しても上記と同様の調査を行ったところ、生徒が問題を解けると「文法力がやや上がった」と見なし、理解・表現の能力にまで影響が及ぶと「とても上がった」ととらえる先生が多い。

『高等学校(中学校)での副教材活用の実態』調査概要

調査対象

アルクのセミナー参加経験、情報誌『英語の先生応援マガジン』の読者である高校・中学の英語教師。

調査方法

インターネットで実施。メールマガジンやレターで参加を募った。

調査期間・回答件数

回答期間は2019年4月9日(火)~5月8日(水)。有効回答者数は1215人。内訳は、高校教師が1054人、中学教師が161人。


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Natsuki Shinbo
埼玉県出身。2018年12月からほぼ毎日EdTech Mediaの記事を更新しています。 EdTech Mediaのほかに、教育業界に特化した転職サイト「Education Career」を運営している株式会社ファンオブライフのマーケティング担当です。