ロボット関連製品の開発・製造・販売を行うヴイストン株式会社(本社:大阪府大阪市、代表取締役:大和信夫)は、学習用図形描画ロボット「ナノローバー」を2019年7月25日より販売することを発表した。
学習用図形描画ロボット「ナノローバー」とは
ナノローバーは、ペンのアップダウン機能を備えた図形描画ロボットである。
教材として、プログラミングを学習する目的にとどまらず、数学などの一般教科を、より効率良く、楽しく、実感を伴って学習するためのツールとして活用できる。
本製品を教育現場に導入することにより、プログラミングを学習する目的にも、数学などの一般教科をより良く学習するためのツールとしても活用可能。
特に数学においては、数学の応用先としてのロボット工学への理解と、ロボット工学を支える必須知識としての数学への理解とが双方向に深まり、実社会で真に役立つ知識や技術の習得に、効果的に寄与することが期待できる。
特徴
数式を入力するだけで、そのままグラフとして紙面に描画可能

ヴイストン株式会社は、教材として求められる扱いやすさを実現するため、数学の数式を直接入力できる専用ソフトウェア「nanoRoverMath(ナノローバー・マス)」を新規開発した。
プログラミング不要で、ソフトウェアに入力した数式が、そのままグラフとして紙面に描画される。
また、ソフトウェア上で速度、加速度、移動距離等を指定し、「Goボタン」を押下することで動作させることも可能。
専用ソフトウェアnanoRoverMathは、既製品「アカデミックスカラロボット」にも対応しており、数式によって指定した軌跡に沿ってアームを動かすこともできる。
高精度エンコーダーとペンアップダウン機構を搭載

ナノローバーは小型の筐体でありながら、高精度のエンコーダー付きギヤードモーターが内蔵されている。
エンコーダーのフィードバックを生かした緻密なモーター制御と、精密な本体構造により、安定した描画を実現。
描画用のペンを保持する部分には、ペンをアップダウンする機構も備えられており、線の描画が不要な場合にはペンをアップすることで、グラフや図形を正しく描き出すことができる。
動作状態を示すフルカラーLEDを搭載

筐体のフロント部分に、ロボットの動作状態を把握することができるフルカラーLEDを搭載している。プログラム開発時には発光状態の制御も可能で、LEDを活用したロボットモーションの演出にも活用可能。
さまざまなプログラム、制御方法に対応
ナノローバーには、プログラミング不要な専用ソフトウェアnanoRoverMathの他にも、Arduino IDEを用いたプログラムの開発と、ROSデバイスとしての制御に対応している。
また、通信方式については、USBケーブルでの有線接続、Wi-Fiでの無線接続、Bluetooth®での無線接続に対応。
東京大学名誉教授 佐藤知正 氏のコメント
数学は、工学や産業の基礎です。今回発売した「ナノローバー」は、浜学園グループが開発した「ロボット数学」の教育において、次のような効果をもたらします。
まず、1)数学にとって根本的に重要ですが、困難なことでもある“数学概念の理解”を、ロボットの動きという具体例をもって深いレベルで可能にします。次に、2)応用力を養うために不可欠な演習問題を解くことに関して、ロボットに絵を書かせてみるというというような、正解か不正解が直ちに目に見える形で判断できるため、興味を持ち続けて、結果的に多くの問題を解くことになり、真の応用力を養うことが可能になります。
最後に、3)ロボットの産業応用実例が数多く授業中に紹介されますので、学んだ数学や数学概念が、実社会で我々の身近に役に立っていることが実感でき、さらに数学への学習意欲をかきたてます。
「ナノローバー」製品概要
価格
40,000円(税別)
重量
約169g(電池搭載時)
電源
単3アルカリ乾電池×2(別売)または単3Ni-MH充電池×2(別売)
内容物
本体、サインペン、microUSBケーブル
必要環境
- nanoRoverMath:Windows®7/8/8.1/10 (.Net Framework® 4.5.2以上)
- Arduino IDE:1.8.9で動作確認
- ROS:動作環境はUbuntu 18.04、バージョンはROS melodicで動作確認
- その他:外部と通信して制御する際のWindows®用サンプルプログラムはVisual Studio® 2015以降に対応