アルク、『小学校で英語を教える「外部人材」の指導実態-J-SHINE資格取得者を取り巻く現状と課題-』を発表

株式会社アルク(東京都千代田区 代表取締役社長:田中伸明)が、調査レポート『小学校で英語を教える「外部人材」の指導実態-J-SHINE資格取得者を取り巻く現状と課題-』を発表した。

『小学校で英語を教える「外部人材」の指導実態』実施の背景と目的

2020年度から小学校5・6年生で外国語(英語)が正式な教科として導入されることになり、指導者や指導内容にも注目が集まっている。

小学校で英語を教えるのは学校の正規の教員だけではなく、「外部人材」が学級担任やALT(Assistant English Teacher)と共に指導にあたることもある。

その「外部人材」を輩出しているのが、民間主導で設立されたNPO 小学校英語指導者認定協議会(略称:J-SHINE)。

「J-SHINE資格」は、小学校での英語活動・英語教育を行う上で、必要な知識と技能を有し、児童英語教育指導者として十分な能力を有すると認められた個人に対してJ-SHINEが認定する資格で、「J-SHINE資格取得者」は2019年2月現在、40,000人以上にのぼる。しかし、資格取得者の何割が児童英語教師として活躍しているのか、また、小学校等でどのように教えているのかなど、その実態が分かる調査はこれまでほとんどなかった。

今回アルクでは、アルクが推薦してJ-SHINE資格が付与された資格取得者499人に対してアンケート調査を実施し、その指導実態の一端を明らかにしようと試みた。その結果、J-SHINE資格取得者のような外部人材が小学校で活躍している実態と共に、給与・待遇面など、課題もあることが見えてきた。

『小学校で英語を教える「外部人材」の指導実態』調査方法

調査対象

株式会社アルクで提供する、小学校英語指導者資格取得認定講座を修了し、アルクの推薦を受けてJ-SHINE資格の認定を受けた人のうち、J-SHINE資格取得者対象のメールマガジン(J-SHINE NEWS)を購読している人。

調査方法

アンケートはインターネット上にて、2018年8月に実施。J-SHINE資格取得者対象のメールマガジンJ-SHINE NEWS No.156にURLを示して回答を依頼した(指導に役立つワークシートなど回答特典の提供あり)。

『小学校で英語を教える「外部人材」の指導実態』調査結果

J-SHINE資格取得者(アルクが推薦して資格認定された人)のうち77.7%が(自分の子ども以外の)子どもに英語を教えている。小学校で教えている人は29.5%。

J-SHINE資格を取得後、子どもに英語を教えている(またはこれまでに教えた)場所は、「自宅での英語教室」が最多で36.5%。「小学校」は2番目に多く29.5%、3番目に「民間の英語教室やプリスクール」が26.5%で続く(図1)。

「自分の子どもに対して」「その他」「教えていない」への回答を除くと、77.7%が「自宅での英語教室」から「放課後児童クラブ」までのいずれかで、自分の子ども以外に英語を教えていた。資格取得前から教えていた人もいる可能性もあるが、8割近くが実際に教えているところを見ると、J-SHINE資格が児童英語教師としての職を得ることの役に立っている可能性も高いと思われる。

2. J-SHINE資格取得者で、小学校で働いている人は、有償で長期間(3年以上)働いている人が多い。

J-SHINE資格取得後に小学校で働いている人は、小学校で「週5時間以上」「3年以上」「有償」で働いている人が多かった(「週5時間以上」は40.1%、「3年以上」は66.7%、「有償で」は78.2%。図2、3を参照)。

J-SHINE資格取得者が、小学校の英語教育において、継続的に一定の戦力となっている様子が伺える。

3.小学校英語指導者として活躍するには待ちの姿勢では難しく、人的ネットワーク形成が重要。

小学校での職を得るにあたっては、「自治体からの情報」から情報を得た人が28.6%で最多だが、「知り合いの紹介」(20.4%)や「自分から小学校や自治体に問い合わせた」(16.3%)人も多かった(図4)。

また、「今後、資格取得される方へのアドバイス」でも「情報収集」「人脈形成」の重要性が語られていたことから、小学校で指導者として活躍するためには、「待ち」の姿勢ではなく、「日ごろから情報収集したり、人脈を広げたりしておく」ことが重要といえる。

4. 待遇改善などが課題

小学校で教える中での悩みや不満(複数回答)として、「雇用の不安定さや賃金の低さ」(21.1%)「授業準備の負担が大きいこと、またその割に無償なこと」(17.0%)などが多く挙げられた。また、「学級担任との関係」(「打ち合わせの時間が取れない」「役割分担/連携が難しい」を合計して24.5%)、「学級担任・学校・自治体によって差がある」(13.6%)ことも悩みの種になっている(図5)。

J-SHINE資格取得者が戦力となっている一方で、待遇や環境は必ずしも満足のいくものとなっていない。

こうした点が改善され、J-SHINE資格取得者が安心して指導に打ち込める体制が整えば、小学校英語教育の質がさらに高まるだけでなく、小学校5、6年生での英語が「教科化」されて指導者に対するニーズが高まったとしても、J-SHINE資格取得者のような外部人材を確保しやすくなると思われる。


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Natsuki Shinbo
埼玉県出身。2018年12月からほぼ毎日EdTech Mediaの記事を更新しています。 EdTech Mediaのほかに、教育業界に特化した転職サイト「Education Career」を運営している株式会社ファンオブライフのマーケティング担当です。