公立学校の教師・教員になるためには、各自治体で行われる教員採用試験を受験し、合格する必要があります。
学校や科目によって倍率は変わりますが、教員採用試験に合格するのは簡単ではありません。どんな試験が行われるのか、どんな対策が必要なのかよく知った上で試験にのぞむ必要があります。この記事では岩手県の教員採用試験についてまとめています。
岩手県教員採用試験の特徴
岩手県の教員採用試験は、以下のようなスケジュールで行われます。(参考: 平成31年度岩手県公立学校教員採用候補者
選考試験実施要項)
日程 | 内容 |
4月26日~ 5月16日 | 出願期間 |
7月21日~22日 | 第1次選考 |
8月下旬~ 10月上旬 | 第2次選考 |
第1次選考
岩手県の教員採用第1次選考では、1日目に
- 「教職専門科目」
- 「論文」
- 「教科等専門科目」試験が行われます。
教職専門科目の内容は、教育学・教育課程・教育法規等の基礎知識です。教科等専門科目では、区分により出題内容が異なります。例えば小学校教員では、全教科に加え道徳・外国語活動についての出題です。中学校では、志願の際に選択した1教科と道徳、高等学校では選択した1教科についての問題が出ます。
またいくつかの区分で、2日目に「実技試験」が課されます。実技試験の対象者は、小学校、中学校 (理科、英語、音楽、美術、保健体育、技術、家庭)、高等学校 (理科、英語、音楽、美術、保健体育、家庭)、特別支援学校、養護受験者です。
実技試験の内容は、小学校区分で体育実技(水泳・マット運動・ボール運動)、中・高は志願教科に関する実技、養護教諭は養護教諭の職務に関する実技とされています。
第1次選考: 英語資格所有者への加点制度
岩手県の第1次選考には、中学校、高等学校及び特別支援学校中学部・高等部の外国語(英語)志願者のみ加点制度があります。
要件を満たす場合、申請をすることで第1次選考の点数に20点(特別支援学校中等部・高等部 の外国語(英語)受験者は10点)の加点を受けられます。
以下は平成30年度の選考における、加点対象資格です。
- 実用英語技能検定準1級以上
- TOEIC 730点以上
- TOEFL iBT 80点以上
※3年以内に取得したものが対象
第2次選考
1次選考を突破すると、第2次選考に進むことができます。8月下旬〜9月下旬頃に行われる第2次選考では、
- 「個人面接」
- 「集団面接」
- 「模擬授業」が行われます。
さらに小学校教員志願者は、あらかじめ指定された歌唱教材の中から1曲を選び、ピアノ伴奏を課される場合もあります。
2次試験に合格すると、翌年度から教員として採用されます。
岩手県は、「大学院前期(修士)過程進学予定者及び大学院前期(修士)過程1年生の名簿登載期間延長」制度を取っています。
第2次選考に合格となった方の中で、通信制課程を除く国内の大学院前期課程に進学する予定又は在籍中の方は、大学院修了までに、合格した出願区分の校種・教科等の専修免許状を取得することを条件に、最大2年間名簿登載期間を延長することができます。
特別採用選考
岩手県には一般選考の他に、特別選考区分があります。平成30年度の特別採用選考は、以下の7区分です。
- 「スポーツ」特別選考
- 「社会人」特別選考
- 「特定教科」特別選考
- 「岩手県現職教員」特別選考
- 「他都道府県現職教員」特別選考
- 「臨時的任用教員経験者」特別選考
- 「障がいに配慮した」選考
特別採用選考における要件や、選考上の特別処置はそれぞれ異なります。該当する方は、受験年度の要項をご確認ください。
岩手県教員採用試験の受験資格について
平成30年度の岩手県教員採用試験には、50歳の年齢制限があります。一般選考で受験する方は、その他何か特別必要な要件はありません。志願区分に応じた教員免許を取得済み、あるいは取得見込みであれば大丈夫です。
特別選考制度で受験する方は、それぞれ必要な要件があります。
岩手県の教員採用試験にオススメの参考書・問題集
1次選考では「教職専門科目」「論文」「教科等専門科目」「実技試験」、2次選考では「個人面接」「集団面接」「模擬授業」が行われます。試験前はそれぞれの対策を行っておきましょう。
参考
岩手県ホームページ「2020年度岩手県公立学校教員採用候補者選考試験の概要」