島根県立隠岐島前高校、新たに「学校経営補佐官」の職位を設置。初代学校経営補佐官に水谷智之氏、大野佳祐氏が就任

島根県立隠岐島前高等学校(島根県隠岐郡海士町、校長:多々納雄二)は、2019年度(2019年4月1日)より、新たに「学校経営補佐官」の職位を設置する。

学校長への学校経営における助言・補佐、地域・社会との連携推進などが主な職務で、国内の公教育機関では初の設置となる。

「学校経営補佐官」設置の背景

島根県立隠岐島前高等学校では平成20年度より、地元・隠岐島前地域(西ノ島町、知夫村、海士町)との協働体制のなかで教育の魅力化に取り組んできた。地域と学校がコンソーシアム(島根県立隠岐島前高等学校の魅力化と永遠の発展の会)を構築し、学校経営を協働的に行ってきた。

同校が掲げる地域総がかりでの「グローカル人材育成」を実現するため、そして、来るべき時代の教育のあり方を問い直し続けるためには、学校経営をより社会に開き、公と民を混ぜたチームで行うことが求められる。

今後、島根県立隠岐島前高等学校は、これまでの学校経営体制に「学校経営補佐官(2名)」を加える新体制で、さらなる島前高校および島前地域の教育魅力化に取り組んでいく。

学校経営補佐官の役割と、初代学校経営補佐官のプロフィール

初代の学校経営補佐官には、水谷智之氏(株式会社リクルートキャリア初代社長、内閣官房「教育再生実行会議」高校改革WG委員、経済産業省「『未来の教室』とEdTech研究会」委員)と大野佳祐氏(隠岐島前教育魅力化プロジェクト・教育魅力化コーディネーター)が就任(水谷氏は非常勤、大野氏は常勤)。

学校経営補佐官には、大きく二つのことが期待されている。

一つは、民間組織の経営経験者が務めることで、組織づくりや経営についての民間の知見や感覚を、学校現場ならびに学校を支える地域に導入・活用すること。

公と民を開いて混ぜることにより、多様性が生まれることが期待される。また、学校現場や教職員だけでは持ち得ることの難しい産業界とのつながりを活かし、学校教育のさらなる魅力化を実現する考えである。

もう一つは、これまで学校と実社会をつなぐ存在として同校で活躍してきた「教育コーディネーター」の発想や視点を得て、国が目指す「社会に開かれた教育課程」を実行に移すこと。

日本全国に急速に拡がりつつある教育コーディネーターについては、その職域や職責が未整備であることが議論になる中、同校ではこれを学校経営の中に明確に位置づけ、真に「社会に開かれた学校」を目指す考えである。

水谷智之氏(特命・非常勤)

内閣官房「教育再生実行会議・高校改革WG」委員、経済産業省「『未来の教室』とEdTec研究会」委員。

(株)オプトホールディング独立取締役。1988年(株)リクルート入社。一貫して人材ビジネス領域に携わり、インターネット転職サービス『リクナビNEXT』の立ち上げを編集長として担当。(株)リクルート取締役(人事・総務・広報担当)等を歴任し、(株)リクルートキャリア初代代表取締役社長に就任。2017年3月(一財)地域・教育魅力化プラットフォーム設立、代表理事就任。

大野佳祐氏(常勤)

19歳のバングラデシュ訪問を機に1年間アジアを旅し、教育・共育の場づくりを志す。早稲田大学職員として競争的資金獲得や国際化推進に寄与する傍ら、2010年にはバングラデシュに小学校を設立するなど独自の活動を続けていたが、2014年に海士町に移住。

隠岐島前高校魅力化プロジェクトに参画し、プロジェクトリーダー 兼 教育魅力化コーディネーターとして教育から地方創生と幅広く活動している。

島根県立隠岐島前高等学校 概要

日本海に浮かぶ隠岐諸島のうち、西ノ島町、海士(あま)町、知夫村の3町村からなる島前(どうぜん)地域。

海士町にある島根県立隠岐島前高校は、島前地域唯一の高校。約10年前、廃校の危機にさらされたところから、地域を挙げて高校の魅力化に着手。

「魅力的で持続可能な学校と地域をつくる」というビジョンのもと、地域と学校とをつなぎ、教員に伴走して授業を組み立てる「コーディネーター」職の設置、全国から生徒を募集する「島留学」制度やその島留学生を支える教育寮や「島親」制度の整備、公立塾「隠岐國学習センター」の設立、地域課題の解決に取り組む探究学習の構築などに取り組んだ。

こうした施策が功を奏し、生徒数は順調に増加。平成20年度には89人だった全校生徒数が、平成28年度には倍の180人までにV字回復した。

島前3町村の教育を核とした地方創生は次第に注目を浴びるようになり、今では全国から多くの人が視察や講演に訪れる活気ある地域となっている。

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