袋井市と凸版印刷、経済産業省『「未来の教室」実証事業』に参画

静岡県袋井市と凸版印刷株式会社の「教科学習(授業)の効率化と協働学習による応用のサイクル」が、経済産業省の実施する『「未来の教室」実証事業』に採択された。2018年9月より実証を開始する計画。

 

本実証事業では、多様な子どもの集う公教育において、子どもたち一人ひとりの資質・能力に適応する学習プログラムの提供を目指している。

具体的には、子どもたち全員が、各々の資質を開花させていくことを目標に、独習を可能とする教える機能を持ったアダプティブサービスを開発。このアダプティブサービスを活用し、基礎・基本学習の効率化と、子どもの能力に応じた学びの実現を図っている。さらにアクティブ・ラーニングを実践する授業時間を増やし、自ら課題を発見し解決できる創造力豊かな人材の育成を目指している。

『「未来の教室」実証事業』について

世界は「課題解決・変革型人材(チェンジ・メイカー)」の輩出に向けた能力開発競争の時代を迎え、各国で就学前・初中等・高等・リカレント教育の各段階におけるEdTechを活用した「学びの革命」が進んでいる。

このような世界の流れを背景に、経済産業省は「『未来の教室』とEdTech研究会」での議論を踏まえ、「未来の教室」実現に向けて必要なサービスやプログラムについての実証事業を行うこととし、平成29年度補正予算で「学びと社会の連携促進事業(「未来の教室」(学びの場)創出事業)」を予算措置し、これを本年4月、(株)ボストン・コンサルティング・グループに業務委託した。

この予算の一部を活用した『「未来の教室」実証事業』は、大きく3つがあり、1つは就学前・初等・中等教育、残り2つは高等・リカレント教育を対象としている。このうち、就学前・初等・中等教育が対象の「『未来の教室』創出を目的とした実証事業」は、目指すべき「未来の教室」を実現するためのサービスやプログラムの実証を行うものだ。

本実証事業の概要

ねらい

子どもたち一人ひとりの資質・能力に適した学習を進めるため、タブレットを使った新しいスタイルの授業(=未来の学び方)を実践し、その効果を検証する。

実施体制

  • 事業主体者:凸版印刷
  • 授業学習システムの開発および提供:凸版印刷、学校図書株式会社、株式会社LoiLo ほか
  • 実施フィールドの提供:袋井市、袋井市教育委員会(袋井市立三川小学校)

実施内容

袋井市立三川小学校の5年生(2年目以降は5、6年生) 約40人(2年目以降は約80人)を対象に、一人一台タブレット端末を貸与し、新しいスタイルの授業を実践する。

基礎・基本を効率的に学び、発展的な学習時間を生み出す学習プログラム

映像を活用したレクチャーで、小単元ごとに児童が独習可能な学習システムを開発。デジタル教科書やデジタルドリルと組み合わせ、子ども一人ひとりが効率的に学習を進める。

アクティブ・ラーニングを実践し、思考を深める学習プログラム

デジタル授業支援ツールを活用、子どもが自身の考えをツール上でまとめることで、授業中の発表やグループワークをデジタル化し効率化を図る。さらにシンキングツールを使い、自身の思考過程を細分化・振り返ることで、より論理的な発表を行うことができるようになるなど、考える力の向上のサイクルを進める。なお、関西大学総合情報学部 黒上晴夫教授がアドバイザーとして参画する。

実施期間

3ヵ年(平成30~32年度)(採択事業の契約は単年度毎、来年度以降は別途公募がある見込み)

今後の展開について

袋井市と凸版印刷は、本実証事業を皮切りに産官学の連携による、意欲関心領域において地域企業との連携による本物に触れる教育プログラムの開発を行うとともに、教科学習への橋渡しとなるデータベース(知のナビゲーター)の検討を行い、学力の3要素(知識・技能、思考力・判断力・表現力、主体的学習態度)への影響の効果検証(非認知能力の検証については、東京大学発達保育実践政策学センター 遠藤利彦教授による監修)を予定している。

また凸版印刷は、本実証事業で開発する新しいアダプティブサービスの提供を進めるとともに、授業の知識習得型から課題解決型へ変換(教科学習の効率化とアクティブ・ラーニング主体の授業)、さらには非認知能力の醸成を支援する取り組みを推進していく方針。