GTECはベネッセコーポレーションが運営する英語テストで、Global Test of English Communicationの頭文字をとってGTEC(ジーテック)と呼ばれています。最初にGlobalとありますように、「グローバル時代に対応したテスト」がGTECのテーマです。

GTECには5つの種類があり、各テストごとに所要時間や難易度、活用方法が異なります。
GTECの種類一覧
- 社会人、一般人向け :GTEC
- 高校生向け :GTEC CBT
- 中・高校生向け :GTEC for STUDENTS
- 高校生向け :GTEC for STUDENTS Speaking Test
- 小・中学生向け :GTEC Junior
この記事の目次
どのような目的で運営されているのか?
GTEC日本開発者の山下仁司さんは、開発の目的をインタビューでこう答えています。
「『話す』『書く』という、ごまかしの利かない部分を判定しないと、いつまでたっても日本人の英語は『使える英語』にはならない。これを改善するには、『まったく新しい測定法』が必要なんです」
GTEC公式サイト「社会人・一般人向けGTECとは」より引用
GTECはそのまったく新しい英語コミュニケーション能力のテストとして運営されています。
具体的にどんな試験なのか?
ではGTECとは一体どのようなテストなのでしょう。それぞれのGTECについて説明していきます。
社会人、一般人向け:GTEC
受験者はオンライン上にて4技能(リスニング・リーディング・スピーキング・ライティング)を、80分という短時間で測定することができます。各技能250点満点、全1000満点で採点されます。
他に4技能を図ることができる代表的なテストTOEFL iBTは約4時間半、IELTSは約2時間45分かかりますので、非常に短い所要時間で4技能テストを受けることができると言えます。
社会人向けGTECは日常生活やビジネスで使うことができる英語能力を測ることが目的ですので、出題範囲もそれに合わせて幅広い分野、レベルの英単語がテストに出されるでしょう。
社会人、一般人向けGTECの活用方法には企業の採用や昇進、海外派遣先行などが挙げられています。
高校生向け:GTEC CBT
受験者は会場でパソコンを使用し、テストを受けます。4技能を図るという点は社会人向けGTECと一緒ですが、所要時間は約175分と少し長くなります。テスト概要は以下の通りです。
Listening | 約40問 | 約35分 | 350点 | マウスクリック形式による選択 |
---|---|---|---|---|
Reading | 約40問 | 約55分 | 350点 | マウスクリック形式による選択 |
Speaking | 7問 | 約20分 | 350点 | マイク付きイヤホンでの音声録音による解答 |
Writing | 6問 | 約65分 | 350点 | キーボードでのタイプ入力による解答 |
Total | 約175分 | 1400点 |
高校生向けであるGTEC CBTは主に国内の入試の際に利用できます。本格的な受験シーズンがまる前にGTEC CBTを受けておき、入試に活用することが可能です。
GTEC採用大学一例
- 筑波大学
- 首都大学東京
- 亜細亜大学
- 学習院大学
- 昭和女子大学
- 創価大学
- 中央大学
- 立教大学
- 中京大学
- 同志社女子大学
- 立命館大学
- 関西学院大学
- 九州大学
- 北九州市立大学
GTEC CBT入試活用校一覧 より引用
大学入試レベルに合わせてテストが作られておりますので、物理学や生物学などの範囲からアカデミックな単語が出題される可能性もあり、より高いスコアを目指すには、十分な学習が必要でしょう。
中・高校生向け:GTEC for STUDENTS
GTEC for STUDENTSは個人受験ではなく、学校単位での受験となります。このテストにより受験者の「聞く」「読む」「書く」の3技能の英語能力を測ることができます。また、「Speaking(話す)」をオプション受験することで4技能を測ることも可能です。
GTEC for STUDENTSは、対象年齢によって以下の3つのタイプに分かれています。
- Coreタイプ:対象は中学2〜3年生、所要時間70分
- Basicタイプ:高校1〜2年生、所要時間90分
- Advancedタイプ:高校2〜3年生、所要時間90分
オプションのスピーキングテストをつける場合、3つのタイプとも追加で25分間かかります。
受験をさせる側の先生方はGTEC for STUDENTSを学校内における指導改善の効果を検証できるアセスメントとして活用できます。
受験者である生徒は主に国内の一部の大学入試でGTEC for STUDENTSの結果を利用できます。
GTEC for STUDENTS Speaking Test
GTEC for STUDENTS Speaking Testは日本の高校生に適した出題内容で、話す力を多角的に測定できます。タブレットを使用することによってクラス単位での実施が可能です。
タブレットは50人分までの貸し出しです。そのため複数のクラスで実施する際は、試験実施時間をずらしてタブレットを使い回すなどの工夫が必要です。
受験後は、先生用、生徒用にそれぞれスピーキング力が観点別に分析された帳票が届けられます。
採点は専門のトレーニングを受けた英語話者により「聞き手に情報や主張が伝わるか」と「それらをより効果的に伝えられているか」という観点で行われます。そのため受験者は、自分の英語が「伝わる」実感を持つことができるでしょう。
小・中学生向けGTEC Junior
GTEC Juniorは、小学校の外国語活動で育んできた英語への関心・意欲・態度や、英語の聞く・話す活動を通じて触れてきた表現がどれくらい身についているかをタブレットを用いて測るテストです。
外国語活動を始めた時期や指導状況によって、「Junior 1」、「Junior 2」、「Junior Plus」の3タイプからどのタイプを受験させるか選べます。どのタイプも聞く問題、読む問題、話す問題、書く問題と4つの問題形式で構成されています。
GTEC Juniorはクラスごとに実施可能で、試験にはネットワーク接続環境は不要です。タブレットは50人分までの貸し出しです。そのためGTEC for STUDENTS Speaking Testと同様に複数のクラスで実施する際は、試験実施時間をずらしてタブレットを使い回すなどの工夫が必要です。
GTEC Juniorの試験概要は以下のようになっています。
Junior 1 | Junior 2 | Junior Plus | |
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テスト時間 | 約 85 分 | 約 90 分 | 約 105 分 |
グレード | GTEC Junior Grade 1〜5で測定。 スコアとあわせて測定し、CAN-DOでできることも具体的にフィードバックされます。 |
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語いレベル | Hi, friends! 1 (一部 Hi, friends! 2) |
Hi, friends! 1〜2 (一部 Hi, friends! Plus) |
中学1年生の 教科書レベル (一部中2レベル) |
実施期間 | 17年12月〜18年2月上旬(予定) | 16年11月下旬〜17年2月上旬 17年10月〜18年2月上旬(予定) |
17年12月〜18年2月上旬(予定) |
※テスト時間には資料配布・回収の時間も含まれます。
試験後には受験者には受験者用スコアレポート、先生には教師用帳票が送られます。
受験者用スコアレポートでは、一人ひとりの力に応じてステップアップするためのアドバイスを受けられます。そのため児童・生徒には「できる」ことの認め・実感の機会となるでしょう。また先生方への教師用帳票では、詳細な分析結果をもとに次の指導につながる情報を受け取ることができ、日々の活動の振り返りの機会として活用できます。