MOOCのビジネスモデルとは?マネタイズ・収益化の方法は?

オンラインで名門大学の講義を受講することができるMOOC(Massive Open Online Course)。MOOCを利用すれば、「いつでも、どこでも、だれでも」無料で学習できるとして大きな注目を集めていました。

しかし最近になって、そのMOOCの一部コンテンツの有料化が進んでいます。この記事ではMOOCのビジネスモデルやマネタイズ方法についてまとめています。

MOOCが有料化する?

ハーバード大学とマサチューセッツ工科大学が出資して設立されたedXは、2015年12月にそれまで無料で行っていた修了証の発行を停止しました。コースの受講自体は無料ですが、修了の証明証が有料となりました。またMOOCのプラットフォームとして最大の規模を誇るCourseraは、2016年10月に提供する一部のコースにサブスクリプション方式を導入しました。映像授業の閲覧自体は無料ですが、成績評価や課題へのアクセスをするためには支払いをしなければなりません。

このように、MOOCはその運営形態を続々と転換し始めています。

無料でオンライン教育を提供してきたMOOCが、どうして有料化に踏み切ったのでしょうか。

MOOCの収益化、および持続可能性については、当初より課題として指摘されていました。

MOOCの運営にはどうしても人件費やコース制作費といった費用がかかります。質の高いオンライン教育を提供し続けるためにも、有効なビジネスモデルの確立が模索されてきたのです。MOOCは具体的にどのようなビジネスモデルを選択しているのでしょうか。

フリーミアムモデルとは

フリーミアムモデルとは、無料のサービスによって集客を行い、有料サービスへの移行によって収益を生む仕組みです。基本的なサービスを無料で提供し、アップグレードやプレミアムな利用には料金が必要となるモデルのことです。

大多数のユーザーが無料で利用しても、一部のユーザが料金を支払うことで、サービスとして収益を上げられる仕組みです。Webサービスを中心に採用されています。日本国内では、ソーシャルゲームがフリーミアムの成功例として有名でしょう。

MOOCもこのフリーミアムモデルをとっています。映像授業やコースのシラバスといった基本コンテンツは無料で提供し、修了証の発行や成績評価といった付加価値の高いサービスを有料化することで収益化を試みています。先ほどのedXやCourseraはこの仕組みで運営をしています。

イギリスのMOOCであるFutureLearnはフリーミアムモデルに加えて有料化をさらに進めています。コースコンテンツ自体へのアクセスの制限を行いました。有償プランへのアップグレードを行わない場合、無料でのアクセスはコースの終了から2週間で打ち切られるようになりました。「無料」が前提とされていたMOOCがこうした仕組みを導入したことから、マネタイズの厳しさと収益の確立に向けた意志が感じられます。

多様化するMOOCのマネタイズ・収益化

フリーミアムモデルにおいては修了証の発行や成績評価といったサービスの利用者に課金を行っていました。しかしそれだけだは、十分な収益を上げられていないのが実情です。

主要なMOOCプラットフォームは設立から断続的に資金調達を行ってきました。2017年6月にはCourseraが6400万ドルの追加資金調達に成功したことがニュースになりましたが、資金調達が進む一方で、収益の黒字化には依然として目処が立っていないのが現状です。

マネタイズの戦略も多様化し、MOOCを取り巻く企業や大学から利益を得る方法も登場しています。

例えば優秀な学生とIT企業とのジョブマッチングの仕組みです。テクノロジー業界の一流企業の講座を提供するUdacityは、卒業後半年以内の就職を保証したプログラムを実施するなど、積極的に企業との連携を進めています。Udacityの優秀な学生を企業へと斡旋し、就職が決まれば企業がUdacityに報酬を支払います。

edXは大学のMOOCコース作成におけるコンサルティング事業を行っています。コース作りのノウハウを持たない大学のMOOC参入を支援することで収益を上げています。

またCourseraは、プラットフォームに参加する大学が制作したMOOCのコースを他の大学へライセンス販売することで利益を得ています。

このように、MOOCでは利用者への課金だけでなく、B2Bを意識した多様なマネタイズの戦略を打ち出しており、今後も様々な形でのビジネスの展開が予想されます。

国内のMOOCに関しては、今のところ収益化に向けた動きは本格化していません。JMOOCは完全無料を貫いており、加盟する企業や大学、団体からの会費によって運営資金をまかなっている状況です。

MOOCの収益化は成功するのか

これまでMOOCのビジネスモデルについて確認してきました。無料で世界の名門大学の講義を受講することができたMOOCですが、修了証の発行や成績評価の有料化が進んでいます。現在のところは映像授業やシラバスの閲覧といった基本サービスの制限はあまりされていませんが、今後はどのように変わっていくのでしょうか。またフリーミアムでは不十分な収益を補うべく、受講者と企業のジョブマッチングや、MOOCコース作成のコンサルティングといった、B2Bのビジネスによる収益化も拡大していくことが予想されます。