大学入試改革とは?いつから実施される?変化の内容は?

大学入試といえばセンター試験をイメージされる方も多いでしょう。しかし、センター試験に代表される大学入試の制度が大きく変わろうとしています。

大学入試改革:センター試験は廃止され、大学入学希望者学力評価テストが導入される

文部科学省が行っている、高大接続改革の一貫として、大学入学者選抜の改革もおこなわれています。その2021年に行われる大学入試改革の中で1番大きな変化は、センター試験が廃止され、それに変わる新しいテスト(大学入学希望者学力評価テスト)が導入されることでしょう。

なぜセンター試験は廃止されるのか?

センター試験が廃止され、新しいテスト(大学入学希望者学力評価テスト)が導入される背景には、試験で問われる力が課題視されているためです。現行のセンター試験は4択形式となっており、知識の暗記・記憶・再生に重きが置かれており、その知識を応用させる力を等には不向きであるとされているためです。

知識をもとに主体的に問題を発見・定義し、情報を統合し、思考・判断できる力(真の学力)を測定できるものではないと考えられています。特に英語のようなアウトプットが重要な科目も、現在のセンター試験ではリーディング、リスニング中心になっています。スピーキングやライティングなどの出題も必要ではないかという問題意識がありました。

大学入学希望者学力評価テスト(仮称)とは

大学入学希望者学力評価テスト(仮称)においては特に、

  1. 内容に関する十分な知識と本質的な理解を基に問題を主体的に発見・定義し、
  2. 様々な情報を統合し構造化しながら問題解決に向けて主体的に思考・判断し、
  3. そのプロセスや結果について主体的に表現したり実行したりするために必要な諸能力をいかに適切に評価するかを重視すべき。このような諸能力を働かせることが必要となる状況をいかに設定し評価するかという観点から作問を行う。

(平成28年3月高大接続システム改革会議「最終報告」)

上記のような問題意識から、センター入試に変わり、大学入学希望者学力評価テストが実施されます。大学入学希望者学力評価テストでは上記①・②・③の観点で力を測定出来るものになる予定です。もちろん上記は大学でも伸ばしていく力であり、入試時点でその受験者にその能力がどれくらいついているのかを測るテストになる予定です。

また、従来通りこのテストの後、各大学ごとに個別試験は行われます。

各大学は今後、アドミッション・ポリシーという入学者受け入れの方針(入学者に求める学力の明確化、具体的な入学者選抜方法の明示)を具体的にすることがきめられています。これによって、試験の方法も多様になり、受験者を多面的に評価するように大学入試が変化していくといわれています。

教科別にどのような能力が重視されるのか、どのような問題が想定されているのかといったイメージが既に文部科学省より示されています。

「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)」 で評価すべき能力と記述式問題イメージ例 【たたき台】

また、これから各教科でどのような能力が求められるかについても示されています。

国語

多様な見方や考え方が可能な題材に関する文章や図表等から得られる情報を整理し、概要や要点等を把握するとともに、他の知識も統合して比較したり推論したりしながら自分の考えをまとめ、他の考えとの共通点や相違点等を示しながら、伝える相手や状況に応じて適切な語彙、表現、構成、文法等を用いて効果的に伝えること。

数学

事象から得られる情報を整理・統合して問題を設定し、解決の構想を立て、数量化・図形化・記号化などをして数学的に表現し、考察・ 処理して結果を得、その結果に基づきさらに推論したり傾向や可能性を判断したりすること。

理科

観察した自然事象の変化や特徴を捉え、そこから得られる情報を整理・統合しながら、問題を設定し仮説を立て予測し、それらを確かめるための観察・実験を計画して実践し、得られた結果から傾向等を読み取ったり、モデルや図表等で表現したりするとともに、結果に基づき推論したり、改善策を考えたりすること。

社会(地理歴史)

文章や年表、地図、図表等の資料から、歴史に関する情報を整理し、その時代の人々が 直面した問題や現代的な視点からの課題を見いだし、その原因や影響、あるいは解決策 等についての仮説を立て、諸資料に基づき多面的・多角的に考察し、その妥当性を検証し考えをまとめ、根拠に基づき表現すること。

英語

多様な見方や考え方が可能な幅広い話題・問題に関する情報を聞いたり英文や図表などを読んだりして、情報を整理しながら概要や要点を把握し、得られた情報を統合するなどして活用しつつ、様々な見方や考え方の共通点や相違点等を示しながら、自分の考えや主張を適切な語彙、表現、文法等を用いて効果的に伝えること。

またTOEICや TOEFLといった外部テストの活用や、CBT(コンピューターによって学習者を支援するシステム)、IRT(学力を数値化する測定理論)の評価テストへの導入も検討されています。

大学入学希望者学力評価テスト(仮称)導入に当たっての課題

センター試験の代わりに導入される、大学入学希望者学力評価テストでは、知識もさることながらその知識をもとにどのように考えるか、問題を定義するのかといった総合的な力が求められるようになります。具体的な問題形式もセンター試験のような択一式ではなく、資料をもとに記述を行ったり、意見を述べるような多様な出題が導入されると言われています。単純な暗記では対応出来ず、そこから発展して思考、表現する力が求められるようになります。

また、現在英語の試験ではリスニングとリーディングが中心に行われていますが、ライティングやスピーキングの4技能型の試験に変更する方針が検討されています。TOEFLやIELTS、GTEC、TEAPなどの外部試験の活用を含め議論が行われています。

従来の択一式のセンター試験では、100万人の受験生が同時に受験をし、短期間で成績を算出するということが可能でしたが、記述式や採点が難しい問題が増えることも予想されています。大学入試の時期や合格発表の時期なども変更することが困難なため、どういった試験を行うかといった試験内容はもちろん、どのように評価・採点を行うのか?どのようにスケジュールを遅延なく実行するのかといった観点も、新制度移行に向けた課題とされています。

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参考:高等学校基礎学力テスト(仮称)とは

社会で自立するために必要な基礎学力について、各学校がそれぞれの実情を踏まえて目標を設定し、取組が進められるよう、「定着度合いの目安」 を把握する仕組である。(平成28年3月高大接続システム改革会議「最終報告」)

大学入学希望者学力評価テストは大学入学希望者向けのテストで、大学入試に用いられるわけではなく、高校の基礎学力の把握が目的となっています。高等学校基礎学力テストは高校に在学するすべての生徒が、その所属高校で受けるテストです。生徒が自身の学力到達度を知ることができること、 それによって興味・関心が向上すること、さらに生徒自ら「学びの質の向上」に取り組めるようにすることが目標とされています。

大学入試制度の改革は、大学教育改革にもつながる

こういった大学入試制度の改革は、高大接続改革の一貫として行われています。

大学教育の充実に向けて、大学教育の質的転換が必要と言われています。平成29年4月に施行される学校教育法では、そのために全ての大学には以下3つの方針を策定し、公表する必要があるとされています。

  1. 卒業認定・学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)
  2. 教育課程編成・実施の方針(カリキュラム・ポリシー)
  3. 入学者受け入れの方針(アドミッション・ポリシー)

大学入試に最も影響が大きいのは、3で、各大学ごとに入学希望者にどんな学力、志向性を求めるのか?といったことが具体的に示されるようになります。受験生は大学入学後に何を学ぶのか、どういうことをしたいのかといった具体的なイメージが求められるようになるでしょう。

参考資料

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TomohiroMizuki

千葉に住む大学三年生です。大学では教育学を学んでいます。趣味はカレー屋さん巡り。一番のオススメは千葉の「シタール」さんです。ちなみにまだ行ったことはありません。