教員からエンジニアへ転身、教育現場を知る立場から見たプログラミング教育

元教員・現エンジニアとしてみんなのコードを運営なさっている田中氏に「教育現場を知る田中氏からみたプログラミング教育」というテーマのもと、お話を伺いました。

Hour of Code Japan 2016 TOKYO開催レポート

2016.12.27

教員からエンジニアへ転身、どのようにプログラミングを学び、なぜエンジニアになったのか

—学校教員からエンジニアへ転職なさっていますが、そのキャリアチェンジの過程について教えてください。

社会人1年目は私立学校で常勤講師として社会科を教えていました。2年目からは勤務形態を変更し、教員として働きながらIT企業でも働いていました。教員を辞めた後はWeb系の技術を学べる職業訓練校に通い、エンジニアとしてのキャリアをスタートさせました。

—みんなのコードのレポートで「キャリアチェンジの際にプログラミングとの偶然的な出会いがあった」とありましたが、どのような出会いでしょうか。

プログラミングとの出会いはある意味選んだという形ですが、IT関連の情報を集めるうちにプログラミングについても知る機会がありました。

元々IT系の会社に勤めていた際に、プログラミングをやりたいなという気持ちがあり、教員を辞めた際にプログラミングの本に触れてみました。そのとき偶然、体験型の良い本に巡り会うことができ、とにかく無我夢中でやっていくうちに、どんどん面白くなり、そのままプログラミングの世界へのめり込んでいきました。

—田中様がプログラミングを身につけていった過程を教えてください。

僕自身はとにかく間違ってもいいからプログラムを書いて動かしてみるといったことを繰り返し行いました。

プログラミング言語はたくさんあるのですが、その中でも黒い画面をいじって演算などをするものは結構忍耐がいるのではないでしょうか。プログラミング言語を学ぶ初期段階でよく出てくる1+1=2などといった演算は電卓でもできますし、感動も薄いのではないかと思います。

一方で僕が触れたのは、プログラムの演算結果がビジュアルでわかるものでした。Web系の言語でJavaScriptというのですが、コードを打ち込むとWebの画面で文字が動いたり、色がパッと変わったりします。それだと黒い画面に文字が出るよりも面白いじゃないですか。

そこで「楽しい!」と感じたのが大きなきっかけです。

プログラミングの必修化に向けて、先生・教員がすべきこととは?

—プログラミング必修化にあたり、先生方はどの程度プログラミングの知識を身につければ良いのでしょうか。

先生たちがどこまで教えるのかによると思います。小学校ではプログラミングを教えること自体が目的ではないので、例えばコンピューターがどういうところで役立っているのか、どういう概念がプログラミングにあるのかぐらいまでが、まずは必要なところだろうと思っています。

一方で、私が常に思っているのは、「プログラミングを楽しむ」ということで、先生方が「プログラミングって楽しいんだね」と思っていただければいいのではないかと思います。先生方が楽しいと感じないと、子ども達も楽しいと思わないのではないでしょうか。最終的には子どもたちが楽しいと思えることが大事だと思います。

—では先生方はプログラミング言語まで身につける必要はないのでしょうか。

身につけたい先生は勉強なさってもいいと思いますが、先生方はご多忙ですし、まずはプログラミングが楽しいということを実感していただくことが重要ではないでしょうか。

—現在、プログラミング教育に興味がある先生はどのような取り組みをすれば良いとお考えでしょうか。

興味がある先生はみんなのコードにご連絡いただければ、プログラミング教育ができるように一緒に研修会を開いたりですとか、様々な形でご支援することができます。

先生達が「やりたい」「これならできる」と思ってもらえる環境を一緒に作っていただきたいです。プログラミング未経験の先生方に「プログラミングを始めよう」「子どもたちに教えよう」と、いかに思っていただけるかという環境でしょうか。

具体的に申し上げますと、私たちが発案・実践したプログラミング授業の指導案を共有することも可能ですし、後はプログラミング教育についての説明ビデオを見せたりですとか、勉強会を開いたりですとかできることが多くあります。

興味をお持ちの先生がみんなのコードと連携していただいて、その先生がプログラミング教育普及活動を展開してただけると嬉しいです。


プログラミング言語についての知識よりも、先生方が「プログラミングって楽しいんだね」と感じることが重要であるというお話を伺いました。インタビューを通じてみんなのコードの皆さんが、いかに先生方のプログラミング教育への不安を和らげようと行動なさっているのかが伝わって来ました。