子どものやる気を引き出す!ゲーミフィケーション勉強法とは【寄稿】

ゲームにハマる仕組みをゲーム以外の分野で活用する「ゲーミフィケーション」。近年話題のこの手法を勉強法に当てはめたのが「ゲーミフィケーション勉強法」です。

ゲーミフィケーション勉強法をテーマに書籍を出版したプラスティーの綿貫氏に、ゲーミフィケーション勉強法について寄稿していただきました。

本書籍では、プラスティーで取り組む「ゲーミフィケーション」勉強法についてまとめています。

ゲーミフィケーション勉強法とはどんなものか

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そもそもゲーミフィケーションとは「ゲームの考え方やデザイン・メカニズムなどを、ゲーム以外の分野でも活用する手法のこと」をいいます。最近ではこの仕組みを取り入れることで企業の認知向上、製品の売り上げアップにつなげるケースなども多数みられるようになりました。

ゲーミフィケーションの考え方の中の一つに、ゲーム研究の先駆者リチャード・バートルによる、ゲームプレイヤーの4分類があります。4タイプのプレイヤーは、それぞれゲームを楽しむモチベーションが異なる、というものです。

近年、スマートフォン上で遊ぶソーシャルゲームが流行っていますが、勉強も学校や塾、家でやるという点でソーシャルです。「ゲームにハマる仕組み」を「勉強法」に応用したメソッドが「ゲーミフィケーション勉強法」です。

ゲーミフィケーション勉強法の効果

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ゲーミフィケーション勉強法といっても、何ら奇抜なことを行うわけではありません。勉強のモチベーションは十人十色で異なります。そのモチベーションの源泉を探り当て、意識しながら指導を行うだけです。しかし、指導者の経験による暗黙知だったものを、フレームワークとして共有できるのがゲーミフィケーション勉強法の強みです。

実際には次のような成果が出ました(一部抜粋)。

アチーバー、エクスプローラー、キラー、ソーシャライザーは、リチャード・バートルによる4分類です。

ケース1:アチーバー(成し遂げる人、の意味。適切な目標設定がカギ)

【指導前】目標が高く成果に厳しいお父さんの叱責から、勉強のやる気をなくしていた小学校6年生。
【方針】 適切なハードル設定を行い、小さな成功体験を積み重ねる方針へ。
【指導後】結果、偏差値は32→54へ。難関私立中高一貫校合格。

ケース2:エクスプローラー(探検する人、の意味。好奇心を課題に結び付けてあげることがカギ)

【指導前】忘れ物ばかりで意欲がなく、定期試験ではクラスで最下位だった中学1年生。
【方針】 大好きだった歴史でずば抜けてよい成績を取らせる方針へ。
【指導後】結果、他教科の成績も伸び、定期試験ではクラス41人中8位に。

ケース3:キラー(敵を倒す人、の意味。意識するライバルを設定するのがカギ)

【指導前】人見知りで気分屋、計算練習などの単純作業を途中で投げ出してしまう小学校1年生
【方針】 お母さんやお父さんと計算競争をしてもらい、一人で勉強するというよりも競争を意識する方針へ。
【指導後】結果、楽しみながら学習時間を増やせるように。

ケース4:ソーシャライザー(社会に参加する人、の意味。友人との関係性や交流が勉強に意識を向けるカギ)

【指導前】まとまった学習時間が取れず、志望校合格判定率20%だった小学6年生
【方針】 友達と相談しながら学習できる自習室を活用する方針へ。
【指導後】結果、学習時間が増え、志望校合格判定率80%に。都内私立中高一貫校合格。

ゲーミフィケーション勉強法実践の際に注意すべきこと

本書籍で紹介している勉強法を実践するうえで、一番注意しないといけないが「ラベリング」です。

ラベリングとは、人のある側面をから観察しただけで、その性質がその人の全てであるかのように決めつけてしまうことです。タイプ分けは傾向把握のために便利ですが、ラベリングを避けつつ、子どもとコミュニケーションをとっていくことが大切です。

ゲーミフィケーションを活用した勉強法はまだまだ日が浅く、万能ではありません。子どもたちの勉強がより面白く、楽しいものになるような議論のきっかけにこの書籍がなったら嬉しいと思っています。

著者紹介/学習塾プラスティーについて

「勉強のやり方」を教える塾として、東京と京都で塾を運営。学習コーチングと教科指導、2種類のサービスを提供。「『できない』を『できる』にする」喜びを生徒に伝え、自立した学習ができるようサポート。詳しくはこちら(http://plus-t.jp/

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左から八尾直輝、綿貫知哉、清水章弘


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ABOUTこの記事をかいた人

綿貫 知哉

プラスティー教育研究所コンテンツ事業部長。前職はDeNAでソーシャルゲームクリエイター。ゲーミフィケーションを活用した指導メソッドや進路を明確にするプログラムを開発。著書に『子どものやる気を引き出す ゲーミフィケーション勉強法』(講談社)がある。