Udemy共同創業者とCEOのトークセッション。Udemyはどのように巨大グローバルマーケットプレイスになったのか

6月末、Udemy講師向けMeetupの2日目のセッションを締めくくる最後のプログラムとして、Udemy共同創始者のEren氏とCEO Dennis氏のトークセッションが行われました。筆者も取材として参加させていただきました。

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当日の会場内は、世界中から集まったUdemy講師がオンライン授業配信にまつわる様々な分科会のプログラム後だったので、参加者の方達の熱気が残っていました。

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司会を務めたのは、VP of Content のGregory氏。Eren氏とDennis氏に、会社設立の経緯や将来に向けたビジョンについて質問していきます。

特に、今回のトークセッションは、ほとんどの講師にとって、共同創始者であるEren氏から直接会社設立初期の話を聞ける初めての機会だったとされています。

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2007年にUdemy創始者のEren氏は、トルコ在住時にバーチャルライブ授業のソフトウェアを開発しました。

以降、どんな人にもプロダクトを無料で開放できることに可能性を見出し、シリコンバレーに移住を決意。その2年後に会社設立し、2010年始めにEren氏の他、Oktay氏、Gagan氏のパートナーと共にサービスを立ち上げました。

創始メンバー達はベンチャーキャピタルに資金調達を試みるものの、投資家達を納得させられず結局30回も断られ続けていたといいます。当時、オンラインで動画はエンターテイメントコンテンツが強いとされ、教育コンテンツに対してはほとんどの投資家達は懐疑的だったと振り返っています。

結果、リスクもあった中、現Udemyサービスのオリジナルとなる“The Academy of You”を2010年5月に立ち上げました。

数ヶ月の間で、1,000人の講師が約2,000のコースを作成し、受講者数は約1万人となりました。このマーケットの好意的な反応に基づいて、資金調達も成功し、会社の成長を遂げました。現在では、2万人以上の講師、4万コース以上、80言語以上に展開され、全世界に渡る受講者は1,200万人を抱える巨大グローバルマーケットプレイスとなっています。

Gregory氏:2人に率直に聞きたいのですが、Udemyを創設する前は、どんな若者でしたか?どのようなモチベーションで創業したのですか?

Eren氏:
僕はトルコの小さい村で生まれ育ちました。近くの学校は10kmほど離れていたような環境でしたが、数学とチェスが好きで、自ら進んでフランス語も勉強していたような子どもでした。村の人たちの職業のオプションは、どんなに成績優秀でも農家とか建築会社で働くことくらいでした。

ある日、家族旅行に行く代わりに親にお願いして、パソコンを買ってもらったことがあります。未知のものと出会えて純粋に嬉しかったしインターネットに繋いだ瞬間、可能性が一気に広がった実感がありました。実は何をしていたかというと、一緒にチェスを対戦する人をインターネット上で見つけていました。

その後、大学にも進みましたが、授業の講義より、誰かとコミュニケーションしながら学んだことが一番身についた学習体験だと思いました。教えたい人が学びたい人とマッチングするサービスがあったら、もっと学ぶ場の可能性を広げるのではと思いUdemyのサービスを始めました。

Dennis氏:
大学時代はインターネット会社でインターンシップをして、大学卒業後はコンサルティングファームで働きました。その後ベンチャーキャピタルやテクノロジー企業でプロダクトマネージャーなど経験し、Variousというスタートアップや起業家のオペレーションやマネタイズ戦術支援をする会社のアドバイザーをやっていました。

そのときに突然、一通メールを受け取り、Eren氏とある投資家とカフェで会うことになりました。いろいろな質問をしてみると、Eren氏は一つ一つ丁寧に答えてくれました。彼のビジョンに純粋に惹かれ、可能性を感じました。

なんというか、彼のキャラクターの本物さ、天才的な雰囲気を感じました。それまで数々の起業家と会ってきたけれどもEren氏はとっても独創的でした。この出会いを通じて、2012年にUdemyのCOOとして参画することになりました。

個人的な僕の夢は、オンラインで若者がゲームをダウンロードして時間を無駄にしているより教育に使って欲しいっていうのがずっと理想にありました。これがUdemyのサービスと合致したことも大きかったですね。

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Gregory氏:今のUdemyはインストラクターは2万人いますが、初期の頃はインストラクターや講座がまだ充実していなかったと想像できます。創業時はどのようにサービス運営していましたか?

Eren氏:
Udemyはマーケットプレイスです。インストラクターがいなかったら生徒も集まりません。最初はアクセスする人を誘致するため、フリーコンテンツを出したり、様々な試行錯誤を繰り返していましたね。

プログラミング、デザイナー養成コースという、成果がわかりやすいコースから始めていきました。それから徐々に、資格に直結するものではない、例えばポーカーの遊び方などといったユニークなスキルのレクチャーが人気がでてくるようになりました。ポーカーを勉強するために人はお金を払うのか、と当時はびっくりしましたね。興味深い発見が出てきました。そこでじわじわと資格以外のコースも充実していきました。

Dennis氏:
最初の創業時から2年後に私は参画したのですが、その時はシリーズBの資金調達に苦労しました。その当時の投資家の反応は、動画で教育コンテンツ配信という趣旨にあまり良い反応をしてくれませんでした。その時の僕のストレスは相当だったようで、歯ぎしりをよくしていたそうで歯医者にびっくりされました。(笑)

99%の若いスタートアップは資金不足で倒産します。打たれ強さ、がスタートアップに重要だと気付かされましたね。

Eren氏:
創業時からUdemyのサービスのコンセプトはほとんど変わっていないんですよね。それは様々にピボットを繰り返すスタートアップには珍しいと言われてます。

オンラインで、ゲームで遊ぶより教育コンテンツで学んでいる、ということが当時はまだ常識ではなかったです。だから、最初のハードルとして、お金を支払って、教育コンテンツを学ぶという行為自体に価値を証明することが課題でした。

僕の学生時代のチェスのオンライン対戦相手の経験が背景にあり、資格がなくても、学びに価値があるものが存在するのではという仮定をずっと持っていました。その時々で人々が必要としてる実践的な知識を習得する需要があるのではと思っていました。

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Greg:受講生に対してメッセージはありますか?

Dennis:
受講生がハッピーかどうかが、このマーケットプレイスが持続できる肝だと思ってます。

Udemyはマーケットプレイスのサービスです。受講生が学習体験に満足しているか、どういった仕組みがプラットフォーマーである我々が手助けできるのか、常にフィードバックを参考にして改善しています。

希望があれば気軽にフィードバックしてほしいです

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アメリカ シリコンバレー(サンフランシスコ)在住。大手グローバル企業のスタートアップ、新規事業である教育テクノロジー (Edtech) 事業の現地特派員としてフリーランスで活動中。Edtech / STEM教育関連Event、業界Networking、先進教育現場や学校へ直接訪問し情報収集を行う。 シリコンバレー教育情報を発信したブログ更新中