世界中の人気講師が集う「Udemy 講師向けMeetup」に参加した、日本人講師が語るオンライン講座の魅力

アメリカUdemy社内の初のグローバル会合、Udemy 講師向けMeetupがサンフランシスコ市内で6月末に開催されました。

全世界で1,100万人以上が受講!累計5億円以上稼ぐ講師も!Udemy(ユーデミー)とは?

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Udemyは2010年シリコンバレーで創業。スキルを持つ個人や団体が講師として授業配信を行うことのできる世界最大級のCtoC (Consumer to consumer) 教育プラットフォーム。授業内容はプログラミング言語やヨガなど社会人向け実用的な幅広い学習コンテンツが配信されています。

現在では4万コース以上、80言語以上に展開され、全世界に渡る受講者は1,100万人、そのうち3分の2がアメリカ国外、講師は2万人以上で半分以上がアメリカ外の国籍が占めるグローバルなサービス。さらに最近では、6,000万ドル(約60億円)をシリーズDで調達したことで、更なるグローバル化を加速していくことが発表されています。

講師の中ではUdemyで講座を開講し、自身で積極的にマーケティングを行ったり、顧客の声をもとに講座の改善を重ねることでなんと累計で5億円以上を稼ぎ出すスター講師も出たことで話題になるほど。人気講師の間では、講師自身の演出方法、ブランディングや授業配信のクオリティをあげる仕方など数々の工夫がされている。日本国内では、ベネッセとパートナーシップを結びサービスを提供しています。

世界最大級のCtoC学習プラットフォームUdemyとベネッセの提携の背景、そしてサービスの現状は

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世界中の人気講師が集い、ナレッジをシェアする「Udemy 講師向けMeetup

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サンフランシスコで開催されたUdemy講師向けMeetupでは、そんな世界中で活躍する講師たちが集い、多国籍からなる講師メンバーでナレッジ共有を行っています。また、Udemy社全体のビジョン共有などもされ、さらなるUdemyプラットフォームの結束の強化を目指します。講師は、世界28カ国から、160名以上が参加されたとのことです。

シリコンバレーイベントレポート:Minerva、Udemy、Khan Academy、Duolingoのグローバル戦略

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Udemy 講師向けMeetupに参加した日本人講師にインタビュー

日本からは講師2名がはるばるサンフランシスコまで行き、Udemy 講師向けMeetupに参加されたとのこと、今回のレポートではそんな講師2名の方に、日本での展開やご自身の取り組み、世界の講師との交流を通してのグローバルな活動展開などについて、インタビューをしました。

中本達也さん(写真右)、井上博樹さん(写真中央)、筆者(写真左) サンフランシスコのUdemy本社にて

中本達也さん(写真右)、井上博樹さん(写真中央)、筆者(写真左) サンフランシスコのUdemy本社にて

– – 今回日本からサンフランシスコのUdemy 講師向けMeetupに参加した目的を簡単に教えていただいてもよろしいですか?

(井上)

世界中から集まる講師に会って情報交換することが目的です。私が担当するプログラミング学習のコンテンツは、常に早いスピードで変化していっていますし、具体的にコースの構成の仕方など海外の講師と意見交換をしたいですね。また、授業のテーマが合うようだったら海外の講師と合同で授業コンテンツ発信などもできないかも模索していきたいですね。

先ほど実はちょうど会場で会った方と話をし、カナダ・バンクーバーのアプリ開発者・講師で同じテーマの講座を出す方がいるので、一緒にコースを作ることが決まりました。またシンガポール政府の社会人教育プロジェクトをサポートしている現地出版社を通じて、日本の大学の先生と共同で開発している英語で日本語を学ぶコースを提供しよう、という話も出ております。

(中本)
海外の講師の方と会って刺激を受けたいと思っていますし、日本ならではの授業配信についても伝えていけたらなと思っています。Udemyは受講生が世界から集まっているので日本にいながらも、いろいろな情報発信ができます。例えば、私は日本語講座を海外の受講生向けに行っています。海外の講師からどういったコースがウケるのかといったことも聞きたいですね。

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井上博樹さん、シンクタンク・大学講師を経て、ワシントンD.C.の教育系スタートアップ(Blackboard)に参加、オンライン教育プラットフォーム開発や多言語化、アジア展開などを担当。NASDAQ IPOを経て、起業。

— なるほど、世界中から集まる講師の方と実際に会え、情報交換をし、コラボレーションを図っていける絶好のチャンスですね。 例えばこの講師の方とお会いしたい、という方はいらっしゃいますか?

(中本)
Rob Cubbon という方ですね。その方は60万人以上受講生を抱えている最も人気のあるUdemy講師です。自身は主にタイを拠点に旅をしながら自由にオンラインビジネスで生計を立て、Web designなどを教えている方ですね。Udemy講師にはこういったユニークな方がたくさんいるので、一人一人に会えるのを楽しみにしています。

(井上)

私もRob Cubbonは注目しています。あとは、Rob Percivalというイギリスの元高校の数学教師でプログラミング教育の授業を積極的に配信している方がいます。彼は今世界で最もUdemyの授業配信で稼いでいる講師としても有名です。2014年から授業提供開始してから400万ドル(約5億円)も稼いだということです。コース内容は私と取り組んでいる分野にも近い方ですし実際にお話してヒントを具体的に得たいですね。その方は受講生が40万人以上いますね。

– アメリカ(その他地域含め)の講師の方はたくさん受講生を抱えているのですね。Udemy講座を受講する絶対数が多いことがわかります。アメリカと日本ではUdemyの認知度に違いはあると思いますか?

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中本達也さん ビジネスパーソン向けExcel / Social media/ 外国人向け日本語講座などのコースを展開

(中本)

日本では、、まだ学ぶ手段は「オンライン」ではなく、「本」が主流になっている方が多いですね。オンラインで教材を購入することにまだ抵抗を感じている方も多いと思います。結果的に最新の自分のニーズに合ったスキルを学ぶためには、有料コンテンツでもオンラインで入手した方が、習得にかかる時間とコストもメリットが有るパターンが多いのですが、日本ではまだオンラインコンテンツに支払うという文化が浸透していないと思います。一方、若い世代(中高生)などはスマートフォンを使って、動画で学ぶという形態は慣れてきているのですが、30代以降の世代はまだ学びの方法はアナログなのかなと思います。

–なるほど、日本ではオンラインで学ぶ文化がアメリカと比べ定着していないことも理由となり、市場がまだ成熟していないといえるかもしれませんね。このことは講師を務める方にどのように影響していると思いますか?

(井上)
はい、日本のUdemyではまだ講師は少ないですね。講師が一般の人でも出来るんだということがあまり知られていないと思います。アメリカ人はその点、普通の人でもビデオ撮影しアップロードすることに慣れてる人が多いですしね。日本人は個人が自分のコンテンツを発信するスタイルがまだ一般的に浸透していない。特に30~50代の人では少ないのではないでしょうか。教えるネタを持ってるという人多いのに、iMovieやCamtasia(レクチャー動画作成ソフトウェア)が操作できなかったりすることで自分のネタを秘めてしまっているのは勿体ないと思いますね。そういった方々のために私個人としても、Udemy講師になるためのトレーニングの場を提供したいと考えています。講師の方がもっと増えてもらうことで、日本のUdemyのプラットフォームの活性化につながることを期待します。

— 素晴らしいですね。Udemy講師による、講師になるための講座は説得力もありますし効果が見込まれますね。日本でもっとUdemy講師になる方が増えていくためには何が重要でしょうか?

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(中本)
講師になるために、特別なスキルを持っていないといけない、素人だからダメだということはないと思います。私の場合、講師は元々は軽い気持ちでスタートしました。特に自分は教師や資格者だとは意識しておりませんが、エクセル活用のこの分野は誰にも負けない、という分野を決め追求していきコンテンツ発信を繰り返していきました。授業として発信していくからには、自分自身も知識向上のために学んでいくようになりますし、講師として教えることで自分も学んでいくことができると思うんです。こうやって徐々に自分の専門分野を広げていきました。

(井上)
私は、ネタを持っているのにカリキュラムの作り方が分からない、オンラインでアップロードするやり方が分からない、という方をサポートしていきたいと思っています。(Udemyオンライン上、オフラインの場でも。)日本にはユニークなスキルを持っている人は多いと思っておりますので。

–これからまさに日本でUdemyの成長を支え、リードする講師のお二人に伺いたいのですが、講師をすることでのやりがいやモチベーションは何ですか?

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(井上)
受講生との出会いです。例えば一人の生徒は、文系だったのに大学はオーストラリアに渡り、Swift/Java言語を勉強し現在も熱心に取り組んでいます。私の講座をきっかけとしプログラミングの世界を広げ成長している生徒がいることが誇らしいですね。こういった生徒が一人でもいるということで講師を続けていこうと思えます。

(中本)
受講生がレビューをつけてくれ、私の授業を受けたことによって役に立った、良かったと言ってくれることが最大の喜びです。あとは、生徒の期待に応えるため、自分も知識を深めようと努力ができ自身のスキルのブラッシュアップにもつながることがモチベーションです。

–ご自身がUdemyで実現したいビジョンなどはありますか?

(井上)
学びを通じて個人のエンパワーメントをしたいと思っています。自分の興味を追求し勉強していくことで成功できるんだと証明していきたい。日本はどこか、尖ったことを受け入れにくい文化がまだあるように感じます。もっと、個人が主体的に学んでいくことを前向きに応援していける世の中の雰囲気作りをしていきたいと思っています。Udemyは新たな学びの形として世の中に新たな選択肢を作っていけるのではと思います。

(中本)
自分のために投資し、努力して成長している人を応援していきたいですね。
日本の将来はどうなるかわからないですが、今の日本ではまだまだ頑張らなくても生きていけてしまう国。それでも自己投資に頑張っている人に授業コンテンツを発信していき、その人の成長をサポートし、頑張れば自分でも成果が出せるようになったんだ、と気づいてもらう手助けをしたいです。

— 最後に、Udemyで次に取り組みたいことはありますか?

(中本)
Excelベースのコースの充実化と、BIツールにも発展していきたい。ビッグデータの関心や企業のデータサイエンティストのニーズも出てきているので、もっと高みを目指したい生徒のためにコンテンツ提供していきたいです。

(井上)
プログラミングコースの拡充と、英語コンテンツを作り海外の受講生向けのコースも提供したいです。また、今後は日本からもっと世界に出たいという若者を輩出できるよう起業家精神育成の講座なども用意していく予定です。

– ありがとうございました。

ABOUTこの記事をかいた人

アメリカ シリコンバレー(サンフランシスコ)在住。大手グローバル企業のスタートアップ、新規事業である教育テクノロジー (Edtech) 事業の現地特派員としてフリーランスで活動中。Edtech / STEM教育関連Event、業界Networking、先進教育現場や学校へ直接訪問し情報収集を行う。 シリコンバレー教育情報を発信したブログ更新中