プログラミング学習で就職・転職・キャリアチェンジは可能なのか?

2020年からプログラミングが小学校で正式に必修化される予定と発表されました。

こうした動きに代表されるように、小中高生はもちろん大学生や社会人にもプログラミング学習が非常に流行しています。その需要に合わせて、プログラミング学習サービスも国内外問わず多く存在しています。そういったサービスの中には、プログラミング学習を提供し、その後の就職や転職サポートなど、キャリア支援を行っているサービスも増えてきています。「学習が働くことやキャリアにつながる」事例が増えてきています。

2015年4月に、世界中で4億人以上のユーザーがいるビジネスSNSのLinkedin(リンクドイン)はオンライン学習サービスのLynda.comを約1,800億円で買収しました。Linkedin(リンクドイン)には自身の履歴書を記入して公開しておく機能が充実していますが、その履歴書にはLynda.comで学習したコースを記載することが出来るようになっており、企業の採用担当者やヘッドハンターが、学歴・職歴に加えてその人の「学習歴」を参考にオファーする世界に変わってきています。

また、edX(エデックス)、Udacity(ユダシティ)、Coursera(コーセラ)といったMOOCも、コース修了時に、学習証明書を発行するサービスを始めており、今後こういった学習履歴や学習のポートフォリオがキャリアや就・転職に及ぼす影響は増していくと思われます。

プログラミング学習で就職・転職・キャリアチェンジは可能なのか?

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こういった「学習したスキル」を軸にした就職・転職・キャリアの形成が徐々に盛り上がっている中、この記事では今の日本でプログラミングを学習して、就職や転職、キャリアチェンジすることは可能なのか?ということをまとめてみました。

※高校生以下のプログラミング学習については触れておらず、大学生以降の大人(主にプログラミング未経験者・初級者)がプログラミング学習をすることで、キャリア、就職や転職に活かすことは可能かという観点で書いています。

実際に、日本でプログラミング学習サービスを提供し、累計3,000名以上の生徒がいる、WebCamp、Webスクを運営する株式会社インフラトップからユーザーの事例を伺いながらまとめました。

アダプティブな学習システム「WALS」と反転授業で、プログラミングを学ぶ「Webスク」、「WebCamp」とは

2016.01.27

また弊社は、EdTech Mediaと同時にEducation Careerという教育業界に特化した転職サービスと、人材紹介業を行っており、ある程度企業側のニーズを把握しながら記事を構成しています

プログラミング学習と英語学習は共通点が多い

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キャリアに関する内容を書く前に、以前から考えていたことですが、プログラミング学習は、英語学習と共通点が多いと思います。

  1. 今後、需要の上がるスキルであることは疑いようがない
  2. すぐに出来なくても死ぬわけではない

「これからはプログラミングの時代」、「グローバル化の加速で英語ができないと仕事がない」といった趣旨の言葉を見ることが多くなっています。ただ多くの場合は、そういった業界、サービスを提供する事業者のポジショントークと言えるでしょう。現状、英語が出来なくても働いている人は多くいますし、高給を得ている方も多くいます。プログラミングも同様ですし、今後もおそらく急激には変わらないでしょう。

英語もプログラミングも、出来るか出来ないかの2択で言えば出来た方がよいです。だけれども、ほとんどの人にとって、今すぐ身につけなくても食い扶持がなくなるわけでも、死ぬわけではありません。出来ると有利になるといったもののため、将来の不安や、就職・キャリアに対して迷いのある大学生や社会人にとっては、学習しないとまずいのではないかという不安を煽るものになっています。その意味で英語学習とプログラミング学習は似ています。そういった前提で、自分はプログラミングを学習するか否かを判断するとよいのではないでしょうか。

※個人的には積極的に学習したほうがよいと考えているのですが、なんとなく学習し始めると挫折してしまうので、目的をはっきりとさせてほうがよいでしょう。

インターン採用では、プログラミングスキルは、非常に有利・武器になる

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さて、ここから本編です。まずは、大学生のプログラミング学習についてです。

新卒採用や、インターン生の採用において、プログラミングスキルやデザインスキルを持っている学生が有利になるのは間違いないでしょう。スキルレベルにもよりますが、多くの場合、他の職種よりも採用にいたりやすいと思います。エンジニアのインターンの募集は、都内のスタートアップ、ベンチャー企業を中心に積極的に行われており、インターン募集サイトによる求人も多く存在します。

参考)インターンシップ募集サイト

上記のようなサイトの募集の応募資格を見ると、エンジニアの募集でも比較的条件をゆるく取っているところが多いです。

Webスク、WebCampの受講生も、約4割が大学生・学生ですが、プログラムでスキルを身につけてからスタートアップやベンチャー企業にインターンとして、参加している生徒さんが多いそうです。

例えば、Webスク、WebCamp受講後に、

  • クラウドワークスでのエンジニアインターン
  • 旅行ガイドブックサービスの会社でのエンジニアインターン
  • Web制作会社でのエンジニアインターン

といった採用事例があるようです。しかもこういった事例は全てプログラミング未経験者からのスタートです。

Webスク、WebCampでは、こういった事例を促進するため、受講生が利用出来る「WALS」という学習システムに、企業からオファーが届く「履歴書」機能も備えています。「WALS」で学んだスキルや学歴、経歴などを記入すると「履歴書」を作成することができ、「履歴書」を作成しておくと、企業からインターン採用や就職採用のオファーを受け取ることができるようになっています。

学んで終わりではなく、その後のインターンや就職に繋がることを目標に、プログラミングを学習することができます。

最初の例で出したLinkedinで登録している履歴書にLynda.comの学習歴を掲載することとほぼ同じ内容が、行われています。

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WALSのイメージ 履歴書機能以外にも、QAやコミュニティ、学習履歴機能など学習をサポートする機能が多く搭載されています

 

インターンの実践経験で、新卒での就職や起業などの選択肢が広がる

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さらにインターンでの勤務を通じて、実践で身につけたスキルを武器にすれば、その後の就職活動でも有利になるといえるでしょう。

以下の二つの面で大きく有利だと思います。

  1. 実践で向上したスキル
  2. 企業での業務経験

学んだだけでなく実際の企業の場で、プログラミングスキルを磨いていた方であれば、企業も積極的に採用をするのではないかと思います。エンジニアに関してはほとんどの企業が恒常的に人材不足なので、新卒でエンジニアとしての業務経験がある人材は、評価が高いです。

また、そういったわかりやすいスキルではありませんが、企業の場で実際に働いた経験が意外と大きいです。学生の場合、社会人とコミュニケーションする機会は多くなく、最初はコミュニケーションや仕事の進め方などで戸惑うことが多いでしょうし、学ぶことが多いと思います。そういった経験によって、コミュニケーションスキルが磨かれるので、実際の面接や選考でも有利になることが多いでしょう。

※その意味で筆者はスキルを持った大学生は、クラウドソーシングなどで開発案件を受けるより、実際の企業の場でインターンをするのがよいのではないかと考えています。

さらに学生にとっての副次的なメリットとしては、実際に企業で働いたり、社会人と接点を持つことによって、視野も広がるのではないでしょうか。単に大企業や人気企業に就職しようといったことではなく、スタートアップやベンチャー企業、場合によっては自身で起業するといった他の選択肢にも目を向けられるようになるのではないでしょうか。

実際にWebスク、WebCampの生徒さんでも、

  • 未経験からWeb制作会社でのエンジニアとしてインターンを経験。インターンを経て社員に
  • 未経験からWebCampで学び、その後ワークスアプリケーションズに就職

といった方がいらっしゃるようで、プログラミング学習や、その後のインターンなどをきっかけに、就職やその後の選択肢に大きく影響を及ぼしています。

単に学習しただけでは、新卒採用では評価されづらい

ただ逆に言うと、単に学んだだけで、実務経験がないと新卒採用ではあまり評価されません。語れるエピソード、実践での経験になっていることが重要です。(TOEICや資格試験の勉強をしていたというだけでは評価されづらいのと同様)

実際の勤務・インターンで何を作ったのか、どういう組織の中でどういう役割を担っていたのか、その中で何を学び、どう活かしているのか?そういったことが整理され成長に繋がっている方であれば、面接や選考でも希望が叶っていく可能性は高いでしょう。

社会人の中途採用マーケットにおいてプログラミング学習は役に立つのか?

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大学生はプログラミングを身につけることで、インターンや新卒の就職活動で、非常に有利になると書きましたが、社会人・中途採用のマーケットではどうなのでしょうか。中途採用においては年齢やその方のキャリア、募集の条件によっても大きく影響されるため、一般論にすることが難しいのですが、企業側の要求水準が一気に上がるため、インターンや新卒採用と同じようには簡単にいかないのが現状です。

未経験からエンジニア・デザイナーへの転身は難易度が高い

結論からいうと、業務経験のない非エンジニア、デザイナーの方が一定期間学習したからといって、経験者として企業のエンジニア・デザイナー枠で採用されることは可能性はかなり低いです。

※新卒から数年などの第2新卒の場合、もしくは条件をかなり下げてといった場合では可能性があります。個人事業主として、クラウドソーシングサービスなどで仕事を受けるようになるといった選択肢もあり得ます。

企業のエンジニアやデザイナーの中途採用枠で入社することはかなり難しいです。中途採用における条件の場合、具体的には、特定の言語やアプリの開発経験3年以上といった経験・スキル面を要求されることが多く、なかなか中途採用に直接入っていくのは難しいでしょう。年齢が高くなるほどこういった傾向は顕著で、20代後半以降になるとかなり難易度が高いです。

英語の試験が出来るからといってビジネスで英語の交渉などを任せるわけではないのと同じです。

※例えば中南米やアジア人だと話しが異なります。クラウドソーシングを利用して職を得たりということがあり得るようです。以下のインタビューで世界でプログラミングを教えている方ではプログラミング講座後に就職出来るといったことが多いようです。

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2016.05.13

異業界からIT業界への転職・キャリアチェンジでは、プラスになる

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では社会人が、プログラミング学習をすることは中途採用のマーケット、キャリア的には意味がないのでしょうか?

決してそうではありません。エンジニアやデザイナーに直接キャリアチェンジするのは難しいですが、IT・ネット系の企業への転職を検討しており、エンジニアやデザイナーといった採用でない場合、プログラミング学習が役に立つ可能性は大きいです。営業や企画職などの募集で、ある程度営業や、企画経験があって実績がある方の場合、プログラミング学習を行うことでIT・ネット系の企業やサービスへの転職・キャリアチェンジの可能性は上がると思います。ただし、営業募集の場合、営業としてある程度の結果を出しているという前提はあります。単独のスキルではなく、今まで培ったコアスキル×プログラミングスキルというのが加わって総合的に有利となる可能性が高いです。

転職前提でなくとも、エンジニアとのコミュニケーションが円滑になる

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また、転職を考えているわけではなくとも、今属している団体・企業がネット領域に力を入れているため、今後の自身の仕事のために学習したいという方にも非常にメリットが多いかと思います。企画職の方が、エンジニアやデザイナーとより円滑なコミュニケーションを行いたいといったことのために受講されていることも多いようです。プログラミング学習を行うことで、エンジニアとの共通言語やコミュニケーションが容易になり、業務で役に立つということも多いようです。

  • WebCamp受講後、CM制作会社のWebディレクターが一人でサイトの構成を任されるように
  • WebCamp受講後、個人事業主へのコンサルティングの時にサイト制作も提案できるように

といった事例もあり、プログラミング学習によって現在の仕事に幅がでたり、チャンスが広がるといったこともあります。

蛇足ですが、冒頭に書いたLinkedinの創業者であるリードホフマンが、不確実な現代での個人のキャリアについて書いた「スタートアップ!シリコンバレー流成功する自己実現の秘訣」には、未経験の職種や仕事にチャレンジするための考え方やスタンス、実際の行動など参考になることが多いです。(アメリカ文化に根差していることもありますが)

プログラミングを学習する意義とは?

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結局、プログラミングを学習する意義はなんなのでしょうか。

  • キャリアにとってプラスになる可能性
  • 自分で作りたいものを作れるスキル(または、それを依頼出来るようになるスキル)を身につけられる

プログラミングを学習してスキルを身につけることで、キャリアにプラスになる可能性は大きいです。特に学生のように若ければ若いほど、プラスになる面が大きいです。学生であれば、そのスキルを活かしてどこかの企業でインターンをしたり、自分でサービスを作ってみてもよいと思います。また社会人の方もキャリアチェンジや、自分でネットサービスを作りたい(企画するという意味も含めて)といったことを考えている方は、学習する意義が大きいのではないでしょうか。プログラミングスキルが身につくことで、キャリアの選択肢が広がりますし、自分で作りたいものを作れるスキルを手に入れられるのは大きな意義なのではないでしょうか。

※英語学習と同じで学ぶ目的がはっきりしていないと挫折しやすいというのも同様だと思います。「こういうキャリアを歩みたい」「こういうサービスを作りたい」という目的をはっきりさせて取り組むと結果につながりやすいのではないでしょうか。

WebCamp、Webスクの新規受講生も募集中

今回の記事を作成するにあたってWebCamp、Webスクで学んだ受講生の事例を多く伺いました。現在そのWebCamp、Webスクでは受講生を多く募集中です。プログラミング学習に興味のある方は是非参加されてはいかがでしょうか。

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