教員採用試験とはーー公立学校の先生になるには必要な試験

教員採用試験は「公立学校教員採用選考試験」や「採用候補者選考試験」といわれ、公立学校の教員を目指す人が受ける試験です。この試験は都道府県、政令指定都市の教育委員会によって行われるため、自分が勤めたいと考える自治体の試験を受けます。その際、複数の自治体を受ける併願受験も可能です。

教員採用試験は公立学校に限った試験なので、私立学校を目指す人はその私立学校ごとに独自に作られた試験を受ける必要があります。また、私立公立問わず、受験資格として教員免許が必要とされます。
合格者は受験した自治体の「教員採用候補者名簿」に登録され、その中から採用が行われる仕組みになっています。

教員採用試験のスケジュール

schedule

ここでは例として埼玉県の平成28年度採用選考試験(平成27年度実施)日程を紹介します。埼玉県は小学校等教員、中学校等教員、高等学校等教員、特別支援学校教員、養護教員、栄養教員を志願区分として設けていました。

志願受付はインターネット受付が4/20~5/8、郵送受付が5/8、持参受付が5/14~5/18の期間で行われました。第1次試験が7/12に、合格発表が7/30に行われました。第2次試験は高等学校等教員と特別支援学校教員が8/8、8/9、8/17~8/21のうちの指定する1日で行われ、他の試験区分は8/15、8/16、9/5または9/6の指定する1日で行われました。この二次試験の合格発表は10/2に行われています。二次試験の合格者は採用候補者名簿に登録され、原則として翌年度4月1日付けで採用されます。

日程は大まかに分けて北海道、東北、関東・甲信越、東海・北陸、近畿、中国、四国、九州のブロックごとに統一日が設けられその日に行われています。これにより複数受験が可能となっています。都道府県全体としてみると、出願期間が4月~6月で、一次試験が7月、2次試験が8月に行われています。

教員採用試験の試験方法

marksheet

多くの自治体が筆記、面接、実技、適性検査を課しており、これらを1次と2次に振り分けて実施しています。筆記試験は教職教養や一般教養、専門教養などのほか、論作文がある自治体もあります。面接にも個人面接、集団面接、集団討論などがありすべてを行う自治体もあります。
1次試験は主に筆記試験を行う自治体が多いですが、近年では人物評価を重視する傾向にあり、1次試験の段階から集団面接などを行う自治体が増えてきています。この1次試験で採用予定者数の1.5~3倍に絞り込みます。また、第2次試験の実技試験では模擬授業や場面指導を試験として導入しているなどより実践的な試験を行っている自治体もあります。

教員採用試験の難易度・倍率

文部科学省が出した平成27年度公立学校教員採用選考試験の実施状況の調査をもとに紹介します。

受験者総数は174,976人で前年度と比較すると2,844人(1.6%)の減少、採用者総数は32,244人で前年度より985人(3.2%)の増加でした。全体の競争倍率は5.4倍で前年度の5.7倍より0.3ポイント減少しています。
採用区分ごとに細かく見ていくと、小学校・中学校・高等学校の受験者数は減少、特別支援学校・養護教諭・栄養教諭の受験者数は増加しました。採用者数は高等学校のみ減少で他は増加しています。競争率は小学校が3.9倍(0.3ポイント減)、中学校が7.2倍(0.2ポイント減)、高等学校7.2倍(前年度同)、特別支援学校3.8倍(0.1ポイント減)、養護教諭7.3倍(0.9ポイント減)、栄養教諭9.2倍(0.4ポイント減)となっており、高等学校を除いて減少しています。しかし近年を通してみればそこまで倍率に変動はなく、およそこの数値で安定しており、その年によってわずかに変わっている状態です。
受験者総数、採用者総数が多い自治体は東京都に次いで大阪府の形は固定化されており、これらに次いで愛知県や埼玉県、兵庫県、千葉県、神奈川県となっています。また、採用者総数もほぼ受験者総数に準じています。競争倍率が高い自治体は主に鹿児島県、沖縄県、宮崎県、長崎県、熊本県、青森県、秋田県、岩手県が挙げられています。逆に競争倍率の低い自治体は滋賀県、富山県、大阪市、浜松市、北九州市などとなっています。

教員採用試験の都道府県ごとの違い

試験の内容については「教員採用試験の試験内容」で示したように流れにそこまで大きな違いはありません。ただ、自治体ごとによって選考手段にさまざまなものがあります。例えば北海道・札幌市の試験のうち北海道では地域枠があり、指定されている管内に限って勤務できる志願者は1次の教職・一般を免除してレポートを提出すればよい制度があります。このような地域枠を設けるような制度は岡山県や島根県にもあり、これは人材確保を目的としているようです。
こうした制度のほかに、大学推薦制度もあります。これは、都道府県等教育委員会からの推薦依頼に基づき、公立学校教員として優れた実践力の育成が期待できる学生を大学側が依頼された教育委員会に推薦する制度です。自治体の選考に通ると教員採用試験の1次試験が免除となるなどの措置を受けることができます。

 

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