オンラインのプログラミング学習コースを提供し、世界に9万人以上の受講生を抱えるMasaaki Hatanoが考える究極のEdTechとは?

楽天、リクルートの投資部門などで勤務したのち、オンライン教育サービスを提供し、グローバルで数万人にサービスを提供している人物がいる。株式会社BeSomebodyを経営しているMasaaki Hatano氏だ。

※波多野氏の詳しいキャリアに関しては、

大企業の投資担当として働きながら、自ら4社経営する男。 Masaaki Hatano

Hatano氏にオンラインコース開設までの道のりや現状、また今後の展望について伺った。

ポルトガルまで飛び、開発者に直談判。オンラインでプログラミングコースを提供するようになるまで

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BeSomebody代表取締役CEO Masaaki Hatano氏

ーー現在の事業内容を教えてください。

オンラインでプログラミング講座や起業家向けの講座を提供する会社BeSomebodyを経営しています。国内ではShareWis ACTUdemyのプラットフォーム上で講座を提供していて、グローバルでは、UdemyとShareWisの新興国販社経由でも提供しています。

ーーオンラインで教育サービスを提供し始めたきっかけはなんだったのでしょう

自分の学習経験と紐付いています。

楽天やリクルートホールディングスの投資部門などに在籍中、世界中を飛び回りスタートアップと面談をしていました。その中で技術に疎いと、彼らと話をすることができないと感じる機会が多く、強烈に危機感を覚えました。これは今後プログラミングがある程度わからないと話にならないと思って、プログラミングを学習することを決めたんです。

ーーどのように学習したのでしょうか?

これはやばいなと思って、スクール形式のものをいくつか探して検討してみたが、学習期間も長く、費用も高い、さらに通わなければならないので、これは自分には合わないなと感じていました。

そんなときにUdemyで当時2013年くらいで世界で一番売れているプログラミング講座を受講したんです。当時で20,000円で4,000人くらいに向けて提供していました。

ある程度学習したタイミングで、このプログラムの凄さに気づいたんです。これは絶対に今後主流になると。
20,000円で4,000人に提供しているってことは?って考えて、この講座作ったやつすごいなと。このコースを翻訳して日本で販売したいなと思うようになったんです。

アメリカに行く機会はよくあったので、会えないかと思って連絡とったらポルトガルにいるという笑。それでポルトガルまで会いにいって翻訳させてもらう交渉をしに行きました。

ーーすぐに翻訳させてもらう権利はもらえたのですか?

開発者は、ポルトガルのリスボンに住んでいたのですが、スポルティングリスボンのユースチームにいたくらいサッカー好きなやつでした。自分もサッカーをやっていたので、一緒にサッカーをやったり、サッカー見に行ったりして仲が深まってからでしたね。

仲良くなってからは、すごく気に入ってくれて自分の名前入りのユニフォームをくれたりするぐらい関係性が深まっていきました笑

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Udemyの人気コースを提供していたビクターにプレゼントされた名前入りのユニフォーム

ーーそれで翻訳する機会を得たわけですね。

オッケーをもらってからは、半年位かけて、吹き替えと編集を行って講座づくりをしました。この期間は集中してひたすら取り組んでいました。自分自身のプログラミングへの理解もこの時期に一気に深まりましたね。

ーーそれから、リリースしてすぐに売れたのですか?
いえ、まったく売れなかったですね。最初は本当に鳴かず飛ばずでした。当時はUdemyも日本での展開はしていませんでしたし。2年くらいはほとんど売れなかったと思います。

あるとき堀江貴文さんが、ブログやメルマガで取り上げてくれたことがあって、そこをきっかけにブレークスルーしましたね。そのあとUdemyがベネッセ提携し日本展開を始めたり、ShareWis ACTのリリースがあって、順調にユーザーを伸ばすことができています。

ーーShareWisやUdemyなど複数のプラットフォームで講座を提供していますがちがいなどありますか?
基本的にはコンテンツホルダーは販路が広がるので多くのプラットフォームに提供するのが良いとは思います。審査の基準や思想など違いはありますね。例えばUdemyはビジョンが明確で、自分たちの信念がぶれない感じ。逆にいうとフレクシビリティーはあまりない。一方で、ShareWisは非常にフレキシブルに新しいことにチャレンジするスピード感がありますね。

ーーオンライン提供しているコースの売上はどの程度なのでしょうか?
国内では2,000万強、グローバルで見ると1億円以上の売上が年間であります。儲けたいと思って始めたわけではないので、売上を伸ばすことにフォーカスすればまだまだ伸びる余地は大きいと思います。

ーーオンラインで学習コースを提供して、最後まで学習できる方は多いのでしょうか
プログラミング学習のコースは修了率は高くないです。一方で起業家むけに提供している講座の投資家から投資を受けるための講座は非常に修了率が高いです。講座のそもそもの長さも違うので、一概には言えないのですが。

ーーなぜそれだけ修了率に差があるのだと考えていますか?

価値提供しているものが違うと認識しています。プログラミング学習コースの方は安心感をある意味提供していると思っていて、起業家向けのほうは本当にピッチの資料を作りたいという人に向けて価値を提供しています。本気度が違うのだと思います。

プログラミングはできるようになったほうがいいのはわかっているけど、明日できていなくても死ぬわけではないし、職を失うわけではありません。だから申し込む時点でのモチベーションが一番高く、最後まで受講できないのではないかと考えています。30時間以上の講座なので、そもそも最後まで行くのがハードルが高いというのはあると思いますが。

一方で起業家向けの講座は、目的が明確なので修了率も高いのだと思います。

ーー英語学習とある意味似ているように感じます
仰るとおりですね。不安に対して、その不安を緩和するものを提供しているのだと思います。学習はじめがもっともモチベーションが高く、申し込みをした段階で一歩を踏み出した感じになって安心してしまうのだと思います。できた方がいいことは間違いないのだけれどという感じですね。

自身のプログラミング学習コースで学び、スタートアップするサービスに、自分のベンチャーキャピタルから投資する

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ーー何か対策を行おうと考えていますか?
今後自分自身がやりたいこととつなげて考えています。自分で、ベンチャーキャピタルを立ち上げたいと考えています。

今は、オンラインでプログラミング学習コースや起業家向けのコースを提供しています。その中で、よりモチベーションの高い方には、オンラインサロンでより深いコミュニケーションを提供したいと思っています。さらにそこからサービスを作って大きくしたいという方には事業化へのアドバイスと投資を行っていきたいと考えています。

全員の学習の継続ができるとは思わないですが、こういったサロンやゴールがあることで、より高い学習のモチベーションにはつながるのではないかと考えています。

ーーオンラインサロンというとどういった取り組みでしょうか?

例えばでいうと、私はもともと投資関連の仕事をしていたので、世界の新しいスタートアップの情報などが入ってきます。そういった情報やアイデアを、オンラインのサロン内で共有していきたいと考えています。情報提供やサロンでのコミュニケーションで、学習意欲を刺激します。また、プログラミング学習のフォローもその中では行います。そうした中で実際に起業したい、プロトタイプを作ったという人に向けて投資を行っていくということをベンチャーキャピタルでやっていきたい。

※オンラインサロン「ShareWis Salon講座(β)」は、本日リリース。以下URLから登録が可能

http://sharewis-salon.teachable.com/courses/masalon/

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ーーそこでオンライン学習サービスとベンチャーキャピタルが繋がるんですね。現在でもそういった動きはあるのですか?
起業前の方から、相談を受けることは非常に多いです。こういうサービスを作りたいと思っているのだけど、どういう技術を学べばいいのか?といった相談は多く受けます。

グローバルの講座だと、この講座のおかげで職につけたというお礼のメッセージはよくいただきますね。中南米などのユーザーは技術が身につくと仕事につきやすいですし。また、学習後にクラウドソーシングサービスで稼げるようになったという方もいらっしゃいます。そういった動きをより大きくしていきたいと考えています。

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    EdTech(教育×テクノロジー)をテーマにした「EdTech Media」、教育業界に特化した求人サービス「Education Career」を運営する、株式会社ファンオブライフ代表取締役。 EdTechのムーブメントを、情報と人材の面から支援している。