多忙なビジネスパーソンに、「学びやすく、分かりやすく、続けやすい」学習手段を提供するKIYOラーニング

2016年2月に2,250万円の資金調達を行い、現在、中小企業診断士、ファイナンシャルプランナー、司法書士の資格試験対策として、忙しいビジネスパーソンを対象に、世界一「学びやすく、分かりやすく、続けやすい」学習手段を提供することに取り組むKIYOラーニング株式会社の綾部 貴淑社長にインタビューを行いました。

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綾部 貴淑 KIYOラーニング株式会社 代表取締役。

ーー有料会員の受講者が9,000名、受講生全体で30,000名を超えたと伺いました。今までの推移について教えてください

個人事業として2008年10月から始めており、正式に2010年に会社を始めて5年経ちました。受講者のほとんどが2010年以降に申込みいただいております。

前職は、IT系企業で、IT開発の中のコンサルティングのポジションとして勤務していました。私は、自分で何かを創造するというのが好きだったこともあり、いつか起業したいと思っていました。既存の会社組織に所属すると、創造するにも限界があります。何で起業をするのかということを考えた時に、最初はアイデアが浮かばなかったんです。ビジネススクールに行ったり、本を読んだり、話を聞きに行ったりしてビジネスアイデアを練っていきました。自分がやりたいこと、やっていてワクワクすること、事業化できるものであること、かつ、スケールできるものという基準から、ビジネスプランを100個ほど作りました。その中で社会人向けのオンラインラーニング事業が、自分がやりたいと思ったことであり、事業としての可能性があり、スケールもできると考えました。

ーー最初の商品が中小企業診断士のコースだったのは、どのような経緯があったのでしょうか。

単純な理由で、自分が過去に受検勉強をしたことがあったためです。実は、当時私は市販のテキストに取り組んでいたのですが、挫折した経験があります。サラリーマン時代に、通信教育大手の講座を申し込み、勉強するつもりで申し込んだところ、大きな段ボールにテキストが詰まって送られてきました。

それを見た瞬間、おなか一杯になってしまったんです。そのまま、勉強せずに、段ボールに詰まっている山のようなテキストはそのまま放置することになりました。それが一度目の挫折でした。そして、数年後には、前回とは違う通信教育を申し込みました。しかし、それも結局続きませんでした。

2回挫折して数十万失うことになったという経験と、かつこれだけ自分がお金を払った経験があったので、もしかしたらビジネスプランとして収益があげられるかもしれないのではないかと考えました。

そこから、まずは中小企業診断士の講座作成を始めました。

元々はオンライン講座にして展開していくつもりだったのですが、はじめは講師がいなかったので、私自身が講師となり、講座を作成しました。まず、自分が効率的に勉強する学習法を考えて、それの実験台第一号となり、短期間で合格できたらこのビジネスをやろうと思い、中小企業診断士の勉強を始めました。その結果、幸いなことに短期間で合格することができました。その時の勉強法をベースとして講座や学習プラットフォームを作成し、販売を開始しました。

ーー講座は、「通勤時の聞き流し」と、「暗記の際の工夫」の2つが特徴だと思いますが、詳細を教えて下さい

振り返ってみると、自分が勉強に失敗してしまった原因の一つが、勉強の時間が取れてなかったことにあります。会社を辞めて勉強に集中できれば状況は違うのかもしれませんが、そうもいかない人も多いと思いますし、自分自身もそうでした。ただ、仕事をしながらであっても、隙間時間自体は結構存在するのではないかとも思っていました。一度、計算してみたことがあって、特に通勤時間やお昼休みの時間、移動時間、待ち時間など足し合わせると1日で3時間くらいあることがわかりました。現在、うまく活用できてない隙間時間を活かすことができれば、1年ほど勉強することで合格ラインには届くのではないかと考えました。このように、忙しい人向けに隙間時間を活かせる講座をターゲットとして、「通勤講座」というわかりやすい名前にしました。

また、暗記に関しては「学習マップ」という手法を用いました。中小企業診断士の試験は、範囲が広く、勉強中に自分は今どこを学んでいるのかがわからなくなるということがよく起こっていました。頭から一つずつ覚えるというのは、コンピューターとは異なり、人間誰しも苦手です。そのため、何か関連付けをしたり、具体的なものと結び付けたり、自分が知っているものと結び付けた方が記憶しやすいので、学習マップのようにキーワードの関連性を作って、それを覚えていくということを行いました。

通勤講座ビジュアル5

ーー勉強方法自体は、どのように体系化されていったのですか?

私自身、中小企業診断士の勉強を始める前に、勉強法に関して研究をした時期がありました。その時には、教育や脳科学、心理学など多くの本を読む中で、マインドマップ自体は知っていたので、その中の記憶の原則として、関連付けたら人は覚えやすいのではないかと考えています。学習マップのように、イメージ記憶のように使っていけば、より覚えやすくなるものです。

当時の私の勉強法としては、学習マップの作成から入りました。具体的には、20ページほどのテキスト内容を1ページの学習マップにまとめることから始めました。当然、20ページもの量をまとめるのは簡単ではないため、キーワードのみ書いていきます。そして、そのキーワードを見たときに思い出せるかどうかチェックを行います。いわゆる電話メモのようなものを体系づけたものです。それを毎日読み返していると、今日も全部思い出せた、その次の日も全部思い出せたという状態になり、結果的にかなり記憶として定着していきます。試験前も、学習マップを直前に読み返すだけでかなり良い復習となります。

試験に合格する人というのは、正しい学習方法を理解している人が多いのです。できる人というのは、常に物事を関連付けて覚えたり、整理しながら覚えることを行っていたり、また繰り返しの回数や頻度に関しても熟知しています。学習マップは、正しく効率的な学習をしてもらうための手法ともいえます。学習マップでは、いつでもどこでも整理された情報に触れることができます。


ーー授業はスマートフォンを通じて提供されているのですが、授業の録画はどこで行っていますか?

現在は、動画の講座を提供しているのですが、その講座を作成するために、自社にスタジオを作りました。現在、スタジオは2か所持っておりまして、そちらで講座を作成しています。通勤講座のコンセプトを追求していった時に、忙しい学習者に学習時間を確保してもらうためには、スマホを活用した学習支援が必要であると考えたんです。どうやって「わかりやすくて、学びやすくて、続けやすい」ものを作れるかという点を考えました。動画でどういった講座が良いのかと考えたとき、いくつか選択肢があって、通常の資格学校で行っている集合授業を録画したもの、例えば黒板の前で先生が話すスタイルのもので、学習者はテキストを見ながら聞くというのが一般的だと思います。しかし、その欠点は、テキストが手元にないとわからないということなのです。満員電車で、テキストを見ながら、かつ映像を見て勉強するというのは、実質不可能です。そのため、学習が継続しません。そこで考えたのが、まるで池上彰さんが特番で選挙の解説をするスタイルの授業形式であれば、テキストはいらないのではないかということでした。なので、テレビの情報番組のようなものを作成することで、満員電車であっても学びやすい教材が作れるのではないかと考えました。そうなってくると、自社にスタジオを作ってしまい、テレビ番組のように作成する必要性を感じたのです。

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ーー先日、2,250万円の資金調達を実施されました、背景・目的を教えて下さい

主に2つの目的がございまして、一つは商品ラインナップの拡充があります。現在は資格対策講座を7つ提供していますので、誰でも知っているような資格や専門性に特化した資格など含めて、より多くの対策講座を提供できるようにしていきたいと考えています。また、資格以外のラインナップの拡大も考えております。具体的には実務系の講座であり、例えば「マーケッターになりたい」「コンサルタントになりたい」であったり、あるいは新入社員研修や管理職研修なども検討しています。すでにプラットフォームはできているので、あとはコンテンツを作っていくことになります。多忙なビジネスパーソンを対象としたスマートデバイスを活用した学習支援を今後も継続していこうと思います。

また、もう一つの方向性としては、「ITを活用した学びの革新」です。目立たないところとしては、UI/UXの改善です。スマートフォンで学ぶときに、たくさんボタンを押さなければならないことがあったりすると、学習者への負担が増し、継続率が低下します。将来的には、例えば真ん中のボタンを押すだけで、個別化された学習プログラムが提供され、学習者は学ぶことだけに集中できるような画面作りを目指しています。これは、オンラインゲームの発想と少し近くて、真ん中のボタンだけ押していけばゲームが進むように、勉強に関しても、必要最小限のボタンを押すだけで勉強に集中できるような環境を作っていきたいと考えています。

バズワードを使うとすれば、ビッグデータの活用、レコメンデーション機能、また、アダプティブラーニングなども入ってくるのではないかと思います。そうすることで、勉強ができる人と同じプロセスで学ぶことができるようになり、加速的に学びを進めることができるようになります。

ーーオンラインラーニング全体の課題の一つとして、授業コンテンツは充実しているものの、強制力が弱く、学習者がログインしなかったりすると思います。そのため、学習者の継続率が低くなるということが起こっているのですが、その点に対する工夫はどのように取り組まれていますか?

弊社のビジョンは、「世界一学びやすく、わかりやすく、続けやすい学習手段になる」ということです。「学びやすさ」は、このスマートデバイスを通じた自動化の学習で実現していくつもりです。「わかりやすい学び」に関してもノウハウがたまってきたいものと考えています。最後、「続けやすさ」に関しては現在、弊社としても最後の壁であると考えています。解決策としてのいくつかの併せ技を考えていて、一つは人による支援です。現在、有償にはなりますがコーチングサービスを提供しています。学ぶ人にマンツーマンのコーチを付けて、オンライン上でコーチが定期的に学習の悩みに関する相談に乗ってくれます。他には、システムでできることして、ゲーミフィケーションやソーシャルな要素があります。ゲーミフィケーションでは、学習の可視化を目的としています。先週と比べて、自分の勉強が進んでいることを可視化し、学習意欲喚起を実現します。また、ソーシャルな学びに関しては、受講生間の学びを共有することで、互いに支えあって学習を継続するような環境づくりに取り組む予定です。勉強仲間やライバルを意識させることだけでも、全然違うものと思っています。

ーー組織の雰囲気について教えてください

今はフルタイムが8名です。エンジニアは1名。バックグラウンドは多様で、資格系ビジネスなど教育系の方もおられますし、システム開発会社出身の方、オンラインサービス関連の会社、ウェブ関係でSEOの代理店などで勤務していた人材もいます。多様性に富んだメンバーながらも、世界一「学びやすく、分かりやすく、続けやすい」学習手段を提供するというビジョンの元、集まってくれています。現在は、会社の中核となる人材を採用しているところで、その後組織も一気に拡大していく予定です。

ーー最後に一言いただけますか

当社は、講座単位で収益を上げることができるようになってきており、堅実に収益を上げる仕組みづくりができたというのは大きいのではないかと思っています。資格産業という、私自身が失敗し続けながらも、申し込みを続けていたというような需要があるマーケットで始めたメリットはあったと考えています。現状、市場に出ている商品よりも良いものを出すことができれば、業界にインパクトを与えることができます。

ただ、弊社は今後も資格だけでずっといくというわけではなく、忙しいビジネスパーソンが、自分が目指すキャリアを実現する場としてのサービスや、教育コンテンツの提供など様々な支援サービスを今後充実させていくつもりです。

そして、海外展開も見据えています。元々、プラットフォームやコンテンツとしては、グローバルでも展開できるような設計をしています。もちろん、海外の状況やUI/UXなどのローカライズは必要であるため、現地企業とコラボレーションをして、進めていく計画です。現在も、定期的に海外を視察し、現地の教育系企業と情報交換を行っています。

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