東京大学社会科学研究所・ベネッセ教育総合研究所 共同研究プロジェクト「子どもの生活と学びに関する親子調査2015」結果速報

東京大学社会科学研究所とベネッセホールディングスの社内シンクタンク「ベネッセ教育総合研究所」は、2014年から「子どもの生活と学び」の実態を明らかにする共同研究プロジェクトを実施しています。今回、「子どもの生活と学びに関する親子調査2015」を行い、第一回調査として小学1年生から高校3年生の親子約1万6千組のデータを分析しました。

12学年にわたる親子の実態を捉える「子どもの生活と学びに関する親子調査2015」

第1回調査では、小学1年生から高校3年生までの親子について、「生活」をはじめ、「学習」「人間関係」「親子のかかわり」などを調査し、社会で活躍するためのベースとなる「自立」の基礎が、どの成長段階でどのくらい身についているのか、その実態や課題を分析しました。子どもが自立するうえでは、学習面で成果を上げるだけでなく、自分で生活する力を高めることや精神的に大人になっていくことも必要です。このプロジェクトでは、毎年調査を重ねることで、親子の「成長・発達」のプロセス(因果関係)や「自立」を促す要因を明らかにしていきます。

調査の主な結果

1.半数の保護者が「子どもが大人になったとき自立できるか不安である」と回答。とくに、男子の保護者で不安が高い。

子どもの将来の自立への不安(全学年・学年別/性別)
【保護者】Q.お子様の教育について、次のことはどれくらいあてはまりますか。
「子どもが大人になったとき自立できるか不安である」
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2.保護者の悩み・気がかりのナンバー1は「整理整頓・片づけ」。小学生の保護者は「友だちとのかかわり」、中・高校生では「学校の成績」「進路・学校選び」や「携帯電話やスマートフォンの使い方」に悩む保護者が増える。

保護者の悩み・気がかり(全学年・3学年別)
【保護者】Q.あなたは、お子様やあなたご自身のことについて、次のような「悩みや気がかり」がありますか。

 

3.「将来の目標がはっきりしている」を肯定する子どもは半数程度。中学生がもっとも低く、高校3年生で6割になる。

「将来の目標がはっきりしている」かどうか(全学年・学年別/性別)
【子ども】Q.あなた自身のことについて、次のようなことはどれくらいあてはまりますか(図2~4)。

「難しいことや新しいことにいつも挑戦したい」かどうか(全学年・3学年別/性別)

「自分でできることは自分でする」かどうか(全学年・3学年別/性別)

 

4.保護者から「励まし・応援」を受けている子どもは、将来の目標や行動力を持っている傾向が強い。

子どもの将来の目標・行動力などの有無(中学生、保護者のかかわり別)
【子ども】Q.あなた自身のことについて、次のようなことはどれくらいあてはまりますか(図5~6)。

子どもの将来の目標・行動力などの有無(中学生、保護者のふだんの活動別)

 

補足データ①:子どもの感情面の経験には、性差が大きい。

【子ども】Q.この1年くらいの間に、あなたは次のようなことを経験しましたか。
「夢中になって時間がたつのを忘れる」の経験率は7割前後。また、「うれしい思い」「くやしい思い」は5割前後が、「感動して泣く」は4割前後が経験している。ただし、いずれも女子の選択率のほうが高く、男子との差が大きい(小4~高3生全体で4~30ポイント差)。

 

補足データ②:子どもは、どの話題についても、父親より母親とよく話している。また、学校段階が上がっても「社会のニュース」について話す比率は高まらない。

【子ども】Q.ふだん、お父さんやお母さんと、次のことについてどれくらい話をしますか。
子どもは、男子・女子にかかわらず、どの話題についても、父親より母親とよく話している。また、小4~6生では、「学校での出来事」「友だちのこと」「勉強や成績のこと」を話す比率が高いが、中・高校生になるにつれて、「将来や進路のこと」を話す比率が高まる。ただし、「社会のニュース」について話す比率は高まらない。

今回の調査では、小1~高3生のいずれの学年でも、約半数の保護者が「子どもの将来の自立への不安」を感じていることが判明しました。その理由には、生活習慣の自立が十分でないこと、友だち関係や将来の進路に対する悩みや気がかりが多いことなど、さまざまな要因が影響していると考えられます。とくに男子の保護者では、それが強くあらわれています。
子どもたちは、いずれの学年でも8割強が「自分でできることは自分でする」と回答しています。その一方で、「将来の目標がはっきりしている」はおよそ5割、「難しいことや新しいことに挑戦したい」も5~6割台であり、迷いながら成長する子どもたちの姿が見られます。
このような子どもの状況に対して、保護者をはじめ周囲の大人は、どのようなサポートができる でしょうか。今回の調査では、「励まし・応援」を受けている子どものほうが、将来の目標や行動力などを持っていることがわかりました。大人は、それぞれの子どもの自立の段階やスピードを見極めながら、肯定的なかかわりによって、子どもの自立を多面的に促したいものです。また、保護者自身がさまざまな活動を行っている子どものほうが行動力を持っている傾向も見られるため、大人自身が、生活をより豊かにすることも重要だと考えられます。

プレスリリースはこちら
http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000507.000000120.html

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