LITALICOが運営する、IT×ものづくりの教室「Qremo」とは?

Qremoは「障害のない社会をつくる」ビジョンを掲げている株式会社LITALICOが運営しています。障害のある大人の方の「働く」をサポートする「WINGLE」、子供一人ひとりの特性に寄り添ったオーダーメイドの教育を届ける幼児教室・学習塾の「Leaf」、ものづくりを通じて子供の個性を伸ばすIT×ものづくり教室「Qremo」、親向けインターネットメディア「Conobie」等の事業を運営しています。

※株式会社LITALICOは2016年2月8日、東京証券取引所マザーズ市場への上場を承認されたことを発表しました。(上場は3月14日を予定)

「Qremo」は2014年4月に最初の渋谷校が開校、その後も川崎、池袋と展開、今年の2月に横浜、4月に秋葉原に新たに開校予定と勢いのある事業です。そのIT×ものづくり教室「Qremo」を運営する、株式会社LITALICOのQremo事業部長である小助川氏と横浜校の教室長となる、木村氏にお話を伺いました。

子どもの個性を伸ばし、未来につながる力を育む、IT×ものづくり教室「Qremo」

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小助川 将氏 株式会社LITALICO 執行役員・Qremo事業部長。 大学卒業後、コンサルティング会社、リクルート、グリーを経て、 2015年4月 株式会社LITALICOへ参画

ーーQremoを立ち上げた背景・敬意を教えてください

小助川:LITALICOの事業はビジョン「障害のない社会をつくる」に基づき展開をしています。具体的には、就労支援サービス「WINGLE」には精神障害の大人の方が6割強いらっしゃいます。なぜ、精神障害になったのかを調査したところ、子どもの頃に特性を踏まえた教育をしてくれる環境がなかったことが原因だと判明しました。そのため、一人ひとりの子どもの特性に寄り添った教育を提供する幼児教室・学習塾の「Leaf」を立ち上げることになりました。

そしてQremoが出来た背景は、Leafから派生しています。実はLeafには発達障害(ADHD、アスペルガー、自閉症等)の子どもたちが多く通っているのですが、PCやゲーム、ロボット、レゴ等がとにかく好きという子がたくさんいます。好きなことを起点に学びを広げてみようということで、東大とコラボして、Qremoの原型となるようなものをやってみたところ、参加した子どもたちがすごく集中して飲めりこみ、クリエイティブな作品を作ったんです。

「これはスゴイ! 今の社会では障害=弱みと一般的には認識されているのですが、そうではなく、特性を活かす環境があれば大きな強みになる」ということを実感し、このような機会を社会の当たり前にしようということがQremo立ち上げのきっかけですね。

 

ーーQremoで大事にしている考え方・学び方はどのようなものでしょうか

小助川:QremoではITモノづくりを通じた教育を提供するにあたって、大切にしている3つの考え方・信念があります。「興味が未来をつくる」「自由が個性を伸ばす」「将来に活きる力を育む」の3つです。

一つ目の「興味が未来をつくる」では、子供自身の関心・やりたいという気持ちを大切にしています。本人の希望をベースにして、同じコースでも学ぶ内容、作る作品や進めるスピードが異なります。子供の関心が重要ですので、保護者の方が入塾を希望されていてもお子様が乗り気でなければ、入塾をお断りすることもあります。そういったお子様には他に何か関心のあるものがあると思うので、そちらに力をいれた方が、その子にとってより良いと考えています。

ーー自由に学べるということも大事にされていらっしゃる?

小助川:はい、クラスはスキルや学年はバラバラです。年齢や学年によってカリキュラムを固定することはなく、お子様のやる気や関心に応じてカリキュラムを提供しています。学年で固定し、画一的なカリキュラムを提供すると子ども主体の自由な発想が制限され、好きで始めたことがドンドンつまらなくなってしまうことが多々あります。それではその子の個性が育まれないと考えています。スタッフもこのような考えを大事にしており、解答を「教える」ことではなく「個性を伸ばす」ことや子ども達が自分の目標に向かって自ら考え、やり切ることをサポートする関わり方を重視しています。

また、Qremoに通っていただいている子どもの特性の幅も広く、健常の方も障害のある方もいらっしゃいます。特別支援学級に通っているようなお子さんもいらっしゃいますが、Qremoでは一緒になって学んで頂いており、「障害」を誰も気にしておりません。

ーー「将来に活きる力を育む」というのは具体的にどういうことでしょうか?

小助川:自分らしい人生を主体的に歩み、未来にワクワクする子どもたちがいっぱいいる社会にしたいと考えています。そのために自ら考えて、作り、伝えること、それをモノづくりの過程で学習することを大事にしています。またその中で協働・共創する力を育んでいます。学年やスキルを超えて一緒にものづくりに取り組んでいます。ロボット大会やプログラミンキャンプなど目標に向けて成長しあう姿もよくみられます。

やりたいこと、作りたいモノがあったとしても一人でできる範囲は限られることがあります。誰かとチームを組み、目標に向けて協力し合い、前に進む力は、将来に活きると考えているため、協働・共創力もより育みたいと考えています。

今後ですが、こちらが提示するミッションも、「おじいさん・おばあさんを助けられるものをつくる」といったお題で、答えはなく、自分で考えられることを大事にしています。また、 誰かの役に立つことも意識してもらうような課題を出すことをより強化していきたいと思っています。こういったものづくりが誰かの役に立つということを認識してもらえるような課題を提示し、結果として他者からその子が褒められたり、ありがとうと言ってもらえることで、自信につながり、自己肯定感の向上につながる。結果として、自分らしい人生を自ら歩める子になるのではないかと捉えています。

関心に応じて没頭すると、障害が見えなくなることもある

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木村 弘樹氏 LITALICOに2013年新卒入社。2月に開講するQremo横浜校プロデューサー

ーー元々はLeafで働かれていたんですよね。Qremoへの参画経緯を教えてください。
木村:LITALICOに2013年に新卒で入社し、現在は社会人3年目です。1年半はLeafで指導員・地域コーディネーターを経験しました。その後、Qremoの2号店(川崎校)が立ち上がるタイミングで参画することになりました。元々ものづくりは好きだったので、Qremoへの関心は高かったです。

Qremoは2店目でまだ全然仕組みが整っていなかったので、多くの店舗を展開して仕組みが整っているLeafとは異なりました。よりベンチャー感がありましたね。笑

ーーQremoの運営に携わって印象的だったことはありますか?

木村:子供たちがのびのびとものづくりに取り組む姿が印象的でした。Qremoだと子供の興味・関心に沿って自由に活動してもらっているため、一人一人が自分のペースで取り組むことができます。

障害のあるお子さんでLeafで集中できる時間が10分に満たないような子でも、Qremoでは没頭して課題に取り組んでいたりします。興味・関心に応じていることをしていると、そのお子さんの苦手なところが見えなくなることもあるんだなと感じました。

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ーーお話を伺うと教室の運営が非常に難しいのではないかと感じます。どんな方だとスタッフに向いていらっしゃいますか

小助川:採用で大事にしているのは、一人一人のお子さんと誠実に向き合えるかどうかという観点です。他にも、やりたいという意志が明確にある方を求めています。ものづくりが好きにこしたことはないですが、必ずしもITのスキルが特筆すべき方を求めているわけではありません。

また現在の指導員の方の名称を、子供の将来を導く人という意味を込めて、「ディレクター」という名称に変更します。また、教室長も「プロデューサー」という名前に変更します。これは教室内外関係なく、子供に学びの機会を生み出す、また他のスタッフの学び・成長の機会も作り出すという意味を込めています。

ーー新卒3年目の方など若いスタッフの方が多く活躍されていらっしゃいます。人材育成において大事にされていることなどありますか?

小助川:中長期的に事業が成長するために、大事にしていることは大きく二つあります。一つ目がそれぞれのスタッフが一つ上のレイヤーで考えられるようになるということです。視界を高められるようにして、より高い視座で影響力を発揮できるようにしてほしいということです。そういった観点を人事制度や事業部内の仕組みにも組み込んでおり、より高い視点で考えていけるようにしています。

もう一つは、自分だけでなく、事業・人と組織の成長を、どちらか一方ではなく両輪で成長をさせられるといったことを大事にするようにいっています。

子供の関心・やりたいを大事にQremoを運営しているので、スタッフ・従業員の関心、やりたいことも大事にしていきたいと考えています。やりたいことを前提に次のチャレンジ・機会を提供するようにしています。

IT×ものづくりの機会を日本全国に広める

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Qremoのスタッフの皆様

ーー他のプログラミングスクールとの違いはどのように考えていますか?

小助川:やはり違いは私たちは「発達障害の子ども達の特性を強みにしたい」という想いから、ITものづくり教育が出発していることではないかと思っています。

そのため、プログラミング「スキル」がいかに効率よく身につくかという点よりも、ITものづくりを通じて、その子が自信を持ち、自ら考え、作り、伝え、共創できるようになってほしい。それがその子らしい未来を創ることへつながると信じているからです。

ーー最後にこれからチャレンジしていくこと、展望を教えてください

小助川:ITものづくりの機会、お子様の関心に基づいて学びを得られる環境を日本全国に広げたい、当たり前にしたいと考えています。現在は直営で首都圏中心に展開をしていますが、今後は他の地域にもITものづくりの機会を広めていけるようにしたいと考えています。Qremoで大事にしている思想や、型にはめない自由な教育をもっと広げていきたいと考えています。4月からは今の店舗の進化はもちろん、将来につながるような新しいチャレンジをしていきたいと考えています。

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2016.07.02

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EdTech(教育×テクノロジー)をテーマにした「EdTech Media」、教育業界に特化した求人サービス「Education Career」を運営する、株式会社ファンオブライフ代表取締役。 EdTechのムーブメントを、情報と人材の面から支援している。