SNSで英語の日記を更新、コーチとスケジュール共有で宿題にもコミット。コーチング型英語塾『エベレスト』の取り組みとは

先生の役割はティーチングからコーチングに変化する。動画コンテンツなどの安価で優良なコンテンツが広がる中では、知識を伝達するティーチングの役割は減っていき、生徒のモチベーションや進捗をサポートするコーチングの役割が重要になるのではないかと言われています。スポーツの領域ではコーチが当たり前のように存在していますが、教育の領域でもそれが当たり前になるのかもしれません。

そんな中、東京都文京区で、動画コンテンツやSNSを駆使し、より早く、確実に、英語を習得出来るようにしようという取り組みを行うコーチング型英語塾『エベレスト』があります。その取り組みを代表の齋藤 孝夫氏に伺いました。

サービス内容はこちらの記事に

http://edtech-media.com/2015/11/16/everest-2/

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――創業のきっかけについて教えてください

斎藤:きっかけは2つあります。

1つ目はアメリカでの学びです。アメリカでは建築をベースとした専攻をとっていました。授業では、制作物について深く問われます。何かを表現するときに常に、そこに至ったのはなぜか?ということを常に確認してくる環境でした。なぜそう考えたのか。他の人の指摘についてはどう思うか。常に、自己発信が求められる環境というのを体験し、新鮮でした。何よりもより本質的に学べているという実感がありましたし、その経験は日本の学校では一切求められなかったものです。

現在の学校教育ではテスト範囲を暗記する。高得点を取ると優秀な人と評価されます。個人の考えなどはさほど重要視されません。そういった学びのスタイルの違いに気付いて、漠然とそんな学び方があるということを伝えられたらなと考えていました。

2つ目は前職での経験です。

ロゼッタストーンという英会話教材のマーケティングを担当していました。その中で、英語に苦しむ大人たちが多くいる事に気がつきました。
そして、いろいろと調べてみると過去20年あまり学校教育が変わっていない現実があることや、英会話スクールも社会人の時間の制限やコスト面等を考えると、週1回50分というプランが多いです。それでは結局、英語を使う時間が短すぎて、身につきません。そのような現実を知って、何かやらなければという想いが募っていきました。私たちは世界で最低クラスのTOEFLスコアを持っています。日本は世界全体ランキングで105位(115か国中)です。

これまでの教育が悪いとわかっているのに、また同じ過ちを繰り返すのかと考えたときに、次の世代を担う今の子供たちに同じ間違いをさせてはいけないという、使命感が湧いてきて今のエベレストをスタートしました。

 

――他の英語塾とは何が違うのでしょうか?

斎藤:違いは、3つあります。
1つ目は、学習形式が違います。学校教育のような暗記スタイルではなく、実践形式のアウトプットが中心になっています。レッスンは2時間、会話が途切れません。反転学習の形式でビデオを見てきてもらうので、すぐに実践に入れます。

2つ目は、先生が違います。先生はもう教える人(ティーチング)ではなく、生徒のコーチのような存在(コーチング)として機能しています。いかに生徒を毎日英語に取り組ませるか、授業ではどれだけ生徒に話させるかがコーチの役割となっています。

3つ目は、仕組みが違います。一般的な英会話スクールでの週1回のレッスンが基本です。私たちは、毎日英語をアウトプットする仕組みを提供しています。授業もその仕組みの1つです。よって、私たちのところでは毎日英語を使う事になります。

 

――コーチング型の英語塾というサービス内容に至った理由は?

斎藤:理由は2つあります。
1つ目は、英語の先生が話過ぎてしまう多くの他社を見たことでした。創業前のリサーチ時の際、エリア内の英語塾を十数社見に行ったり、体験をしました。気づいたことは、先生が好きなように話していることでした。50分の授業で私が話せた時間は全体の1,2割だったように思います。生徒がとことん話す練習ができる場が必要だと感じました。
2つ目は、親御さんが求めている事を追求した結果でした。お恥ずかしい話ですが、生徒が辞めたことがきっかけでした。アウトプットをする実践の場というのは創業当時からやっていました。ただ、生徒が授業に慣れてくると、自宅での学習が徐々におろそかになっていきました。テストで高得点をとり、英検もほぼ満点というご報告を頂いていたのですが、退塾のご連絡を頂きました。理由は、自宅ではほとんど英語をやらないからとおっしゃっていました。そこで、親御さんが求めているニーズが明らかになりました。
生徒が楽しく授業をするだけではだめなんだ。生徒の成績が伸びるだけではだめなんだと。生徒の日々のライブスタイルに明らかな変化があり、それが継続しないと、価値を実感してもらえないんだという事でした。

生徒の学習進捗に使われるオリジナルのプリント

――どのように生徒は学習していくのでしょうか

斎藤:1週間単位で生徒の学習をマネジメントしていきます。週1回2時間のレッスンは、事前にレッスン動画を見てきてもらっているので、スピーキングの実践授業をしています。話す場を最大限提供しているという感じです。ただ、実は授業がメインではなく、あくまでも私たちのトレーニングの1部分でしかありません。

週7日間プログラムと言っていますが、毎日英語を使うトレーニングをしています。その1つの取り組みとして毎日の日記があります。
コーチと生徒はSNS(Talknote)でつながっており、日々、英語日記の添削をしています。

 

――具体的な学習効果などを教えてください

斎藤:生徒数がそこまで多くはないので、定量的ではないのですが、英語の学習習慣が身についたり、英語の日記が数行だったものが、当たり前に十数行書けるようになっていたりという効果は出ています。

具体的な成績の伸びはもちろんですが、学習習慣がつくことも重要視しています。エベレストでは授業以外でも動画を見たり、日記を英語で書いたりと日々学習することになっているタスクがあります。これを確実に行えるようにコーチと1週間のスケジュールを共有し、いつやるかスケジュールに落としていくところまでサポートしています。

 

――生徒のスケジュールまで把握して、勉強する時間を決めているというのは驚きました。そこまでこだわっているのはなぜでしょうか。

斎藤:生徒は社会人のように、時間管理があまり得意ではありません。また優先順位の付け方も、曖昧です。学校の宿題、バレエのレッスン、数学や国語など他の塾など、私たちは忙しいと口を揃えて伝えてきます。

スケジュールを確認することで、生徒の空き時間が見えてきます。空いている時間はテレビを見たり、今やらなくてもいいことをやっていたりもします。そこを整理してあげること、更に突っ込むと、一人ひとりの将来のゴールを見据えたときに本当に何を今優先すべきかを話し合います。そうやって、英語を毎日使う時間を予め、決めて生徒と約束して時間を確保してあげることで、英語が習慣化していきます。

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――生徒がTalknote(SNS)で日々日記を書くという仕組みも驚きました。具体的な成果は出ていますか?

斎藤 :はい、こちらがある生徒(小学5年生)が入学当初に書いた文章です。

Good evening.
I saw a Colonel statue.

次にこちらが、現在の生徒の日記です。

Hi teachers!
Today I’ll write about “Describe somebody you know”.
My favorite star is “IKIMONOGAKARI”.
I came to like this artist when I was a kindergarten student.
I like the words of their songs and the melodies.
The vocalist is Kiyoe Yoshioka.
Her voice is very powerful and attractive.
My family went to their concert 3 times (maybe).
I can’t decide the ranking of best song.
Please take a look at this picture!
What artist do you like?

ほぼ、毎日生徒は日記を書いてきます。平均すると、月21回という数字が出ています。毎日、添削をして、生徒は添削したものを再度投稿します。

《以下は先生の修正の指摘》

Hi Tomo! I like this band too, I know a couple of their older songs. 🙂

-> My favorite band* is “IKIMONOGAKARI”.

-> I came to like these artists/them* when I was…

“Star” and “artist” point to one person, you can’t use it for a group. 

I can’t decide the ranking of best song.

-> I can’t decide on* which is their best song.

-> I can’t decide on* the ranking of their songs.

“The ranking of the best song” is by definition #1. :))

Very good job Tomo! I’m not sure who my favourite artist is… I’ll think about it!

《指摘後の生徒の修正》

tensakugo

自分で再チェックすることで一度間違えた文法を次間違えることはありません。どんどん、言いたい表現力が身についていきます。更に面白いのは、他の生徒にもある時期を超えると、公開していきます。それによって、他の生徒とのインタラクションがあります。いいねボタンがついているので、みんなに読まれることが更にモチベーションになっています。

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――今後の目標、サービス展開についてはどのようにお考えでしょうか

斎藤:今、渋谷と豊洲に新しく店舗を展開しようとしています。来年の4月には100名の生徒を受け入れる予定です。
より、一人ひとりのマネジメントを強化し、英語塾の新しい形。コーチング型のスタイルを広めていきたいと考えています。簡単にいうと、ライザップの英語版というとわかりやすいですかね。そして、そのための仲間集めを強化していきます。これまでは先生集めが中心でしたが、
同じ志を持つメンバーを集めて実現していきたいと考えています。

最終的には全都道府県に出店し、結果として、エベレスト出身の生徒から世界で活躍する人材を多く輩出していければと思います。

 

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EdTech(教育×テクノロジー)をテーマにした「EdTech Media」、教育業界に特化した求人サービス「Education Career」を運営する、株式会社ファンオブライフ代表取締役。 EdTechのムーブメントを、情報と人材の面から支援している。