あらためて今、MOOC(ムーク)とは?「coursera」「udacity」「edx」に関するまとめ

MOOC(ムーク)とは、Massive Open Online Courseの略です。直訳すると、たくさんの(Massive)、開かれた(Open)、インターネット上の(Online)、講座(Course)となります。受講生はインターネット上で公開された無料の講座を受講し、修了条件を満たすと修了証が取得できます。さらにオンラインコミュニティでは受講生どうしで質問し合い講義への理解を深めます。そして生徒たちは取得した修了証を職探しなどに役立てることができます。MOOC元年といわれる2012年。スタンフォード大学、ハーバード大学、そしてマサチューセッツ工科大学の教授らが、本格参入しことをきっかけに世界中へサービス拡大していきました。

 

「coursera」「udacity」「edx」とその歴史について

MOOCという用語が始めて登場したのは2008年と言われています。2012年の秋にスタンフォード大学で3コースのMOOCが実験的に配信されたことをきっかけに世界中に広がりました。特に「人工知能入門」は世界中から16万人を超える学習者が登録し、国境を越えて高度な知識を学びたい優秀な学習者を集めるサービスとなりました。2012 年春、この「人工知能入門」を担当したセバスチャン・スラン氏によってMOOCプラットフォームの「Udacity(ユーダシティ)」が設立されました。

また同じ頃、「機械学習」のコースを担当した アンドリュー・エン氏とダフニー・コラー氏が「Coursera(コーセラ)」を設立しました。2012年秋、これに対抗する形でMIT(マサチューセッツ工科大学)とハーバード大学は「edX(エデックス)」を設立しています。CourseraとedXは積極的にアメリカのトップ大学のパートナー化を推進することになります。

そして、2013年頃にはアメリカ御三家MOOCに加え、フランス・ドイツ・中国・日本などでもMOOCプラットフォームが設立されていきました。

東大も参加、世界の110大学以上が参加する「coursera(コーセラ)」

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スタンフォード大学コンピュータ学部・准教授のアンドリュー・エンが仲間と共同で「Coursera」というMOOCを設立しました。「Universal access to the world’s best education」を企業理念として、世界中に最高の教育を提供しています。

Coursera にパートナーとして参加している大学・機関は2015年3月時点で117大学・機関です。米国だけで50大学に達し、ヨーロッパから36大学、アジアから13大学、南米とオセアニアからそれぞれ3大学となっています。

またダフニー・コラー氏のTED動画「オンライン教育が教えてくれること」ではCourseraを紹介するプレゼンテーションを観ることができます。日本語の字幕もあるため、MOOCが世界中から注目される理由を知るにはTED動画を観る方が手っ取り早いかもしれません。

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東京大学は日本で初めてCourseraに参加しました。2013年9月からカブリ数物連携宇宙研究機構特任教授・村山斉による「ビッグバンからダークエネルギーまで(From the Big Bang to Dark Energy)」と大学院法学政治学研究科教授・藤原帰一による「戦争と平和の条件(Conditions of War and Peace)」を配信しています。現在では世界150以上の国と地域から8万人以上が登録し、約5400人が修了しました。

Courseraは設立時より複数のベンチャーキャピタルから合計8000万ドル以上の出資を受けています。

 

プログラミングとコンピューターサイエンスに強い「udacity(ユーダシティ)」

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Udacity(ユ―ダシティ)は,グーグル自動運転車の開発責任者として知られるセバスチャン・スラン氏によって、2012年2月に設立されました。スラン氏が担当した「人工知能入門(Introduction to AI)」という講座は「こんな難しい講義を受ける人は少ないだろう」という当初の予想に反し、世界190ヵ国から約16万人の受講者を集めることに成功しました。スラン氏のTED動画「Googleの自動運転車で目指していること」は非常に有名です。

Udacityには、CourseraやedXと異なる点があります。それはパートナー大学との連携をベースにせず、大学教員が個人として参加して MOOC配信を行う点です。Courseraと同じスタンスフォード大学発祥のMOOCですが、大学教授個人がしてコンテンツの質に重きを置くように運営しています。Coursera(990コース)やedX(400コース)に比べ、Udacityのコース数は60コースと少なめです。

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またUdacityの特徴として、プログラミング講座とコンピューターサイエンス講座の2つに特化していることがあげられます。講座を絞ることによりコンテンツの質の向上を実現しています。例えば、サンノゼ州立大学は、州の予算削減で懐事情が厳しくなり、リアルな講義の代替選択肢を提供する仕組みとしてUdacityを利用した事例があります。このような取り組みによりスポンサー(AT&T)の獲得に成功しています。

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そしてUdacityの楽しみの1つに「Coffee Break」というユーチューブコンテンツがあります。Udacityに限らず、受講者のモチベーションをいかに継続させるかという課題は、すべてのMOOCに共通するテーマです。

京都大学、大阪大学も参加、非営利組織として運営される「edX(エデックス)」

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edXは、2012年5月にMIT(マサチューセッツ工科大学)とハーバード大学が6,000万ドルの出資を受けて設立されました。MIT教授でもあるCEOのアナン・アガワル氏の考え方はTED動画「オープン・オンラインコースが今なお重要な意味をもつ訳は」を観るとよく分かります。設立当初にアガワル氏が試験的に配信した「Circuit and Electronics」のコースには154,000人の受講者が登録し、そのうち7,157人が修了しました。2015年3月時点では、世界70大学・機構とパートナーシップがあり、400コース以上、350万人以上の登録者がいます。TED 動画でアガワル氏自身がいっているように、最初の1年間では配信コース200以下とうまく軌道にのれていませんでしたが、その後は順調に成長しています。

edXとCourseraは類似点がおおく、質の高い教授をオープンに提供することを理念としています。Courseraと異なる点は、非営利組織として運営していることです。例えばedXにあるソースコードを公開しているのはedXだけです。

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2013年5月から京都大学が「KyotoUx」としてedXに参加しています。京都大学はedx参加について下記のように述べています。

ハーバード大学やマサチューセッツ工科大学(MIT)に代表される世界のトップ大学連合による非営利組織によって運営されていること

edXを通して提供される「Massive Open Online Courses」(MOOC:ムーク)と呼ばれるインターネットを利用した新たな教育方法が、プラットフォームと講義コンテンツのオープンソース化に基づいていること

自らのオンライン講義だけではなく、参加大学のオンライン講義とキャンパスでの対面講義の相乗効果を活かすブレンディッド学習(Blended Learning)による教育改善を重視していること

edXによって収集されるオンライン学習データの分析と教育効果の検証を通じて、授業を提供する京都大学の教育開発の支援が可能となること

edXへ配信する最初の講義は、物質-細胞統合システム拠点および化学研究所教授・上杉志成の「生命の化学: Chemistry of Life」です。また京都大学に続き、2014年3月から 大阪大学もedXへ取り組みを始めています。

 

日本でも、JMOOCとして展開

アメリカでは50以上の大学・機構がMOOCに取り組んでいます。日本版MOOCは「JMOOC(ジェイムーク)」として展開が始まっています。日本版MOOCの普及・拡大を目指し、一般社団法人日本オープンオンライン教育推進協議会(略称JMOOC)が、日本全体の大学・企業の連合による組織として2013年に設立されています。

出所:coursera, edXudacitytheteachingpractice, 文部科学省, 東京大学, 現代ビジネスJMOOC

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