【レポート】EdTechNight! 第3夜 ~グローバルにおける教育×インターネットのトレンド~【後編】

教育現場や学習の現状を紐解き、教育×インターネットの未来を切り開くイベント『EdTech Night!』の第3夜が5月に開催されましたイベントの様子をレポートします。

edtechnight

※前・中編はこちらから

 

Ed Tech Night! パネルディスカッション

Question : MOOCで、リッチなコンテンツが誰でも無料で受けられる。新経連で紹介があったが、MITのオンラインコースは12万人が受講した。コンプリートしたのは5%。95%はドロップしたという現実。誰でも受けられる環境は第一段階ステップしたと感じたが、ネクストステップをジャンプするには何が必要だと感じるか?(石井)

尾島氏:コンピテンシー(勉強と実社会で使う対式の間にギャップがあるのが普通だが、実社会でどれくらい使えるのかという意味でここでは捉えて)を測定・数値化しようというものが注目されていると思う。また、これまで、パソコンに向かうものが多かったが、ロボットなど、直接触るものは増えていると感じる。

佐藤氏:トライはいろいろあるが、テクノロジーは当たり前に入っている世界を作りたいと思っているだけで、流行りモノもおおいのではないか。アメリカはテクノロジーが当たり前になっていく例もあったので、そういう方向が正しいと感じる。

横井氏:トレンドは変わっていくものだと思うが、Edtech業界には、解明されていないものが多すぎると感じている。調達はするけれども、大赤字で破壊的イノベーションは起こせているのか。アダプティブというのも、どこからアダプティブの謎を解明していくかを探求していきたい。どこまでわかっているかといえば、まだ10%くらいだと感じている。野放しの人をどれだけ継続させるか、というのはハードルが高いとも感じている。MOOCだと5%でもいいくらいの数字だが、これまでの授業を補完するものとしてのテクノロジー利用には伸びる可能性があるだろう。

Alan氏:いかに継続させるかがキーポイントだろう。映画やテレビと違って、教育は「つまらない」がベースにあると思うので、知恵を絞らなければいけないと感じている。短く切るというのはポイントだと感じている。さらに、毎日新しくなるということが大事だと感じている。小さな量でも良いので、毎日少しずつ。いかにリマインドさせるか、一度学習したものから、これ覚えている?と質問していくのはAndoridで実装して成果がかがっているように感じている。

 

Question:ITを当たり前にしていくためにどうしていけば良いと感じているか?(石井氏)

佐藤氏:学習者はほっておいてもリテラシーは伸びていくと思っている。身近にテクノロジーはあるので、わくわくできる環境を作れればと思っている。問題は、親や先生が、それらの世界を楽しい物にできるか。制限しすぎず楽しい物にするか。先生方がこれを身につけるには、制度で学んでもらうか、評価で強制力を働かせるか。何かしら仕組みが必要だと感じている。実際、制度を作る側もITリテラシーが低いとも感じているのだが。

Question:フィリピンでやっている実感としてはどうか?(石井氏)

横井氏:感じるのは、日本のほうが圧倒的に難しい。ローキーな感じはする。アジアは、先生をモチベートすることでセルフドライブする環境がある。先生自身がクラスの運営に対する権限も大きいし、副業も比較的自由で、塾で教えたりもしており、横のつながりも強い。日本では先生がいいと思っても、そこでさくっと取り入れることが難しい。キーは先生だな、と感じている。ITのリテラシーもそうだし、教え方の型もベストプラクティスができているわけでもないし、タブレットの知見もためながらやっていく必要があるだろう。一番の特効薬は、黒板をなくすことではないか。100年前の医者は現代でできないが、教員はできるというよく言われる話がある。これが変わるというのが大事なのでは。アダプティブの部分はデジタルが最高に得意な部分なはずで、メリットしかない、と思っている。先生はティーチャーからファシリテーターになるだろう。有機的に子ども立ちがつながるような場の設計ができるようになることが重要ではないか。

Question:韓国はうまくやったとか、同じようなところに苦労しているなどはあるか?

Alan氏:公共は非常に日本と似ている状況だと思う。保守的でなかなか動かない。IT企業で教育変えたい人は政治家にもアプローチしているが、なかなか難しい。KnowReなどは、韓国を見捨てたわけではないだろうが、アメリカに行ったほうが良いという認識だったのではないか。

Question:変化はどのように起こせると感じるか?

尾島氏:アメリカで面白いと感じたのは、テクノロジーの進化に生徒を巻き込んでいること。ITサポート要員の社会人に生徒をアシスタント役として参加させていたり、導入しようとしたもののテスト役をやったり。生徒の方がリテラシーが高いので、先生向けに講座を運営させたりしていた。生徒を1人の大人として接しているところを強く感じた。

Question:Edtechがもたらす学びの未来は?こうしていきたい未来のことは?

尾島氏:テクノロジーはあくまでツールなので、質問に違和感をもった。学校教育はワクワクしながら役立つ実感を持ちながらできればよかったと感じているので、それを提供したい。

佐藤氏:テクノロジーは万能薬ではない。どの症状に対してどういう効果があるか、というのがあるもの。そういう科学がまだされていないのだと感じている。効果がきちんとみきれていない。それを科学することをやっていきたいと感じている。こういう場合はこういう効果がでる、ということを科学していきたい。皆さんにお願いしたいのは、Edtechの火を消さないために、語ってもらいたい。自分でで語れるように、サービスに触っていってもらいたい。

横井氏:Quipperとして知の流通革命というのは、教育そのものを変えたいということ。個の求める知が適切なものがインストールできるのが目指したい世界。個人的には、場の持つ価値が相対的に薄れていくと感じている中で、単に学力がつくということだけでなく、プロセス評価できるのがデジタルの良さでもあるので、それにより、よりその人を正確にアセスメントできるのではないか。TOEICなど、試験の値段が高いのも馬鹿らしい。場の運営費用があるせいでそういうことになっている。チート防止技術も発達していくなかで、より目指している世界に近づけていきたい。

Alan氏:変曲点があると思っている。全体的にそこまでは至っていないと感じている。テクノロジーをなんとか発展させるのはEdtechプレーヤーではあるが、がらっとかわるときは、大企業や公教育と一緒にやっていくということになるのではないか。これが一つの答えだと感じている。

 

会場からのQuestion

Question:デキる子がより興味を持たせることには効果がある実感があるが、できない子にはどれだけ効果があるのか

横井氏:質問と逆の認識をもっている。セルフドライブできる子は、そこまで必要ないと感じているが、できない子に取ってのほうが効果があるというのが生まれているのがQuipperのアプローチの結果。デジタルの方が、確実にアダプティブにはできる。上の子でも下の子でも自分にフィットしていることが大事だろう。誤答の時が一番大事で、どこに戻れば確実にわかるのか、ということをきちんとできていないといけない。そこでフィットしていないのはコンテンツの問題だろう。

佐藤氏:モチベーションの低い人を継続的にあげる答えはまだ見つかっていないと感じる。対面式などのほうが効く薬ではないかとも感じている。テクノロジーは、やる気のある人が突き抜ける可能性を開けることが素晴らしさでもあるのではないか。

Question:MOOCは米では職とつながっていると感じるが、日本はお金の話をするな、と言われてしまう。どうすれば?

佐藤氏:日本の大学・大学院は、研究者養成のプログラムになっている。専門職大学院のようなものはあるので、それは増やしていきたい。職に繋がる部分は、学校に求めなくても良いのではないかと感じている。今の傾向では、テクノロジーやプログラミング教育は、優先順位が下がっている。英語と道徳があがっているから。でも今は、それらを学ぶ選択肢ができた。それがEdtechの凄さであり、素晴らしさではないか。

Question:学習のペースを生徒に受け渡すのが嫌だ、という先生がいるが、どうしたら良いか?

佐藤氏:教育工学の仕組みがそうだから。公教育は格差を小さくするためのもので、そこに生じた歪ではないか。テクノロジーは結果としては、格差を助長するのではないかと思う。

 

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ABOUTこの記事をかいた人

EdTech(教育×テクノロジー)をテーマにした「EdTech Media」、教育業界に特化した求人サービス「Education Career」を運営する、株式会社ファンオブライフ代表取締役。 EdTechのムーブメントを、情報と人材の面から支援している。