小・中学校教員の9割が授業でのICT活用に前向き、ベネッセが「ICT を活用した学びのあり方に関する調査」の結果を公表

株式会社ベネッセコーポレーションの社内シンクタンク「ベネッセ教育総合研究所」では、2013 年10 月に、全国の公立小・中学校の教員を対象にした「ICT を活用した学びのあり方に関する調査」を実施(郵送調査、有効回答数 1,608 名)、その結果を3月19日に公表しました。

▼プレスリリース

http://berd.benesse.jp/global/research/detail1.php?id=4091

 

ICT活用の実態 「小学校教員の 8 割、中学校教員の 6 割が既に ICT を活用した授業に取り組む」

ベネッセ_調査

普通教室での ICT 機器の整備状況をみると、「デジタルテレビ」(79.4%、70.5%)や「実物投影機」(88.1%、73.8%)、電子黒板(47.9%、43.9%)は普及が進んでいますが、「子ども用タブレット端末」は 10%未満(7.7%、6.0%)にとどまります(「普通教室でつねに使える」と「普通教室で共有のものを使える」の合計)。その中で現在、授業で ICT を活用している教員は、小学校で 78.7%、中学校で 61.1%です。また、授業での ICT 活用の内容は、「子どもが興味を持つ教材をインターネットで集める」(71.5%、70.8%)や、「ノートや教材を実物投影機で映しながら説明する」(52.1%、28.3%)の割合が高く、教材の収集・提示が中心となっています(「よく実施している」と「ときどき実施している」の合計)。

 

今後ICTを活用したい意向がある教員は約9割に達する

berd_benesse_jp_up_images_textarea_global_ICT_20140319_ReleasePaper_pdf 2

今後、ICTを活用したいと考える教員は、小学校で95.6%、中学校で87.8%です(「とても活用したい」と「まあ活用したい」の合計)。また、今後、取り組みたい内容に関しては、「教材の収集・提示」や「情報教育」の項目に加えて、「プレゼンテーション用のソフトを使って子どもが共同で資料をまとめる」(54.6%、64.3%)が半数を超えるなど、協働学習に及んでいます(「とても取り組みたい」と「まあ取り組みたい」の合計)。

 

これからの授業を変えていく意識はあるが、ICT が「一人ひとりに応じた主体的な学び」に効果的と考える教員は4割未満

今後、子どもたちのどのような力を育成する授業を増やしたいかをたずねたところ、「自分の意見を伝える力の育成」(56.2%、51.6%)、「友だちと協働する力の育成」(51.9%、49.6%)、「主体的に行動する力の育成」(50.4%、46.0%)について「とても増やしたい」が約50%に達し、多様な力の育成について今後の授業で増やしていきたい意向がみられます。しかし、具体的なICTの効果については、「学習に対する子どもの興味・意欲が高まる」(91.9%、85.6%)と回答した割合が突出して高い結果になりました。「自分の興味・関心があることを自由に学べるにようなる」(38.5%、32.9%)、「一人ひとりの能力に合わせた学習の機会が増える」(32.7%、25.9%)など、ICTが「一人ひとりに応じた主体的な学び」に効果的と考える教員は4割未満にとどまっています。

 

教員は、授業準備の大変さや自分のICTスキルに不安を感じている

berd_benesse_jp_up_images_textarea_global_ICT_20140319_ReleasePaper_pdf 3 berd_benesse_jp_up_images_textarea_global_ICT_20140319_ReleasePaper_pdf 4

ICT を授業で活用することについて、「とても不安」「まあ不安」と回答した教員は、小学校で50.2%、中学校で 51.3%と約半数です。ICT を授業で活用する際の課題については、「授業の準備に時間がかかる」(77.7%、79.8%)、「自分の ICT スキルが不足している」(77.1%、72.6%)、「授業の計画を立てるのが難しい」(62.9%、57.5%)の割合が高くなっています。(「とてもそう感じる」と「ややそう感じる」の合計)

 

ICT の活用度が高い教員ほど、活用できたのは、「授業案を知ることができた」「機器操作・授業計画作成を支援してもらった」から

berd_benesse_jp_up_images_textarea_global_ICT_20140319_ReleasePaper_pdf 6

ICT「高活用」の教員は「低活用」の教員に比べて、「ICTを活用した授業例などの授業案を知ることができたから」(小学校教員:「高活用」43.7%>「低活用」23.1%)、「機器操作のサポートをICT支援員に行ってもらったから」(28.7%>6.8%)などの選択率が高くなっています。ICTを活用できた要因として、実践例を知ることや周囲の支援が関係していそうです。

ベネッセ総合研究所は、今回の調査から見えてきたこととして、下記のようにまとめています。

今回の調査結果から、学校でのICT活用に対して教員が前向きに捉えていることが明らかになりました。
しかし、その活用の範囲はまだ狭く、ICT活用の本来の目的である「ICTの効果を最大限に発揮し、子どもの学びの方法を変える」という認識までには至っていません。不安を抱えながら、今後の活用を模索しているのが現状といえます。
一方では、子どもたちに、基本知識・技能の習得だけでなく、自分の意見を表現する力などこれからの社会を生きていくために必要な幅広い力を身につけて欲しいと考え、そのために授業を変えたいという変革意識も見えはじめています。このことからも、ICTありきの活用ではなく、子どもたちに身につけて欲しい力の育成のためにICTを有効活用していくことが、とても大切であると考えます。 めざましく発達するICTの効果を生かしていくためには、教員の不安を払拭し、子どもの能力や学力を伸ばすような幅広い活用に高めていくことが必要です。そのためには、まずは教員が取り組むこと、そしてさらに、授業方法の例示や授業計画・実践の支援など、教員を支える体制を整えることが求められるといえるでしょう。

 

berd_benesse_jp_up_images_textarea_global_ICT_20140319_ReleasePaper_pdf 4

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

ABOUTこの記事をかいた人

EdTech(教育×テクノロジー)をテーマにした「EdTech Media」、教育業界に特化した求人サービス「Education Career」を運営する、株式会社ファンオブライフ代表取締役。 EdTechのムーブメントを、情報と人材の面から支援している。