「コミュニティとゲームが生む熱狂を、教育の領域へ」ドリコム ソーシャルラーニング事業部長 石井氏【EdTech Night!講演レポート】

2014年2月20日に行われたイベント「EdTech Night!」の、講演レポートの第4弾です。第4弾は、株式会社ドリコム ソーシャルラーニング事業部長 石井 学 氏の講演をレポートします。

【講演レポート】株式会社ドリコム ソーシャルラーニング事業部長 石井 学 氏

OLYMPUS DIGITAL CAMERA2月だけで3回目の講演になる。重複もあるが、反復学習してもらえれば嬉しい。ドリコムはもともと教育の会社ではない。今は、Socialを軸に、ゲーム、広告、教育を取り組んでいる。

ドリコムは、なぜ教育分野に取り組むのか

OLYMPUS DIGITAL CAMERA少し歴史を振り返ってみると、2008年、FirmVilleが大ヒットした。その結果ソーシャル上でのゲームの可能性を感じて、mixi、DeNA、GREEが台頭した。ドリコムとしてもソーシャルゲームを展開してきたが、ここで感じたのは、「コミュニティとゲームから生まれるユーザの熱狂」だった。

インターネットとコミュニティがゲームに革命を起こした。FirmVilleは毎日5000万人が遊ぶようなゲームだった。

そのような折、2010年に次のイノベーションは?ということを社内で話あっていた。

軸としては、

  • +gameで魅力が増すもの
  • コミュニティが有効に機能する
  • 無料+課金で利用が広がるマーケット(逆にいえば、有料であることが当たり前の領域)
  • スマホで使い勝手を変革できるもの

ドリコムでは、mixi上に漢字アプリを出したことがあった。これに250万人のユーザが取り組んだ。そのような経験もあって、教育に注力することになった。やるのであれば本気でということで、ソーシャルラーニング事業部では、「日本を賢く、世界を賢く」をビジョンとしている。

 

ドリコムの提供するソーシャルラーニングアプリ「えいぽんたん!」

  • ソーシャル(人とのつながり、コミュニティ)
  • ゲーミフィケーション(ゲームというルールが生み出す、競争)
  • データに基づく学習効率化

学習を継続するためのポイントは上記三つ。これをフリーミアムモデルで提供することをドリコムはやっていきたい。学習プロセスには、予習、習う、復習とあるが、復習での反復がもっとも学習効果があり、成長する領域だと考えて選んだ。しかし、反復はつまらなく、苦痛なことが多い。それを変えられるようなものを開発していきたいと考えている。

リリースしているアプリはえいぽんたんとスマコロ。世界観は英語を勉強しながら生徒を育てるもの。事前テストでコンテンツとユーザレベルの最適化を実施。仲間と協力して悪者を倒すようなイメンドやランキングなど。スマコロはシンプルなユーザ同士のコミュニティ。一緒に活用していると、えいぽんたんの学習効果が高いこともわかっている。

※【参考】2014年3月7日、えいぽんたん!は累計100万ダウンロードを突破したことを発表しました。

テクノロジーで学習を最適化することに、チャレンジする

OLYMPUS DIGITAL CAMERA問題難易度(正答率)×レベル判定(継続率)×出題自動調整(正答率)を見ながら、継続率がもっとも高いものをベンチマークに最適化していくような取り組みをしている。実際に見ている指標としては下記のようなもの。

  • アクティブ状況
  • 継続率(週、月)
  • 学習KPI(学習量、学習成果)
  • イベントKPI(一週間単位で、上位100位以内を目指したユーザ数、ポイントへの到達数など)
  • マネタイズKPI(課金率やアイテム率(どの部分で課金されているか))

OLYMPUS DIGITAL CAMERA日次、週次、月次で事細かに見ており、デイリーでもPDCAをまわしている。毎日目標も立てている。そして、基本的には週次でプランニングしている。数字を見ながら改善し、翌週にはそれをチェックして、ということ。また、3ヶ月レンジでは、よりハイレベルばプランも策定している。これは思いによる話だが、ユーザにどんな体験をしてもらいたいのか、という観点から、それを具体化していくプランを考えている。実現したいユーザ体験を考える、すぐ学び、すぐ行動するという考えでやっている。

テクノロジーによって、学習者のフィードバックがすぐに得られるということがすごい。レベルの調整を常におこなっている点は、テクノロジーの進化によってでできること。

利用状況/成果としては、

  • DAU 3.2万人で、380万問/日が解答される。
  • 40%が毎日プレイしており、99%が非課金で利用。
  • 14日Playした方はアルクのランクが4RankUp。
  • TOEIC140点アップ(595→735)の例もある。※えいぽんたんだけをひたすら6ヶ月やってもらった結果。

これまでは、競争(ワルぽん)をやってきたが、先月、協力を軸にしたイベント(ねこさまのお腹をいっぱいにしよう!というもの)をリリースした。

OLYMPUS DIGITAL CAMERAこれは、チームで協力するものでイベントでランキングなし。個人の努力がチームへの貢献につながることを意識したもので、競争がなくても持続するのか?という検証を行ったものだ。

結果として、このイベントで学習量は1.3倍にあがった。プレイ時間も35分→39分に上昇した。この結果から、協力要素でも伸ばせることがわかった。周りの方のためにも頑張ろうという意識や、競争に興味のないようなユーザ層にもささったのだろう。競争と協力の組合せが大事だろうと考えている。

OLYMPUS DIGITAL CAMERAえいぽんたんのユーザプレイスタイルは、下記3パターンが見えている。

  • 週末型
  • 毎日型
  • 平日通勤型

OLYMPUS DIGITAL CAMERA協力するイベントも、「誰かがいるから頑張ろう」ということが重要なので、アクティブのユーザ同士をいかに結びつけるかということを意識しながらやっている。 また、朝7時と朝8時でやっている人は、7時の人の方が英語力があるような結果もでていて、そんな気づきを今後のイベントにもいかしていきたいと考えている

教育アプリはヒットしても有料で数万人の方がやっているということではなく、無料で多くの方にということをチャレンジしている。飯は食わないといけないがチャレンジしている。学ぶものとしてはシンプルだが、他の教科への展開、資格試験、海外展開も視野に入れている。

学びを続ける、学びを求めるより多くの人に、その実現の確度をたかめることをしたい。そのためにデータをうまく活用して、学びを楽しく、自由にできるような未来を目指している。

更に積み上がる学習のデータと、今後のプロダクト開発に期待

学習におけるゲームの要素は、競争を上手く用いるものが非常に多いと感じますが、今回のえいぽんたん!の事例で話がされていた、協力という要素でも学習を促進出来ているということが発見でした。文中にもリンクを貼りましたが、えいぽんたん!は累計ダウンロード100万を突破しており、さらにユーザーの学習データが積みあがっていっています。今後、ドリコムがそのデータを生かしてどのようにプロダクト開発を行っていくのか、注目が集まります。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

1 個のコメント

  • コメントを残す

    メールアドレスが公開されることはありません。

    ABOUTこの記事をかいた人

    EdTech(教育×テクノロジー)をテーマにした「EdTech Media」、教育業界に特化した求人サービス「Education Career」を運営する、株式会社ファンオブライフ代表取締役。 EdTechのムーブメントを、情報と人材の面から支援している。