【レポート】EdTech JAPAN Pitch Festival 特別編「校長次第で、学校は変えられる」東愛宕小学校 松田 孝 校長

EdTech JAPAN Pitch Festivalの締めくくりは、多摩市の東愛宕小学校の松田孝校長がスピーチを行いました。多摩市立東愛宕小学校は全校生徒80名の小さな小学校で、一人一台iPadを持たせるなど、先進的な取り組みで知られています。自身がリーダーシップを発揮して、公教育の場で先進的な取り組みを行う松田孝校長が、EdTechのプレイヤーにメッセージを送りました。

【Pitchレポート特別編】多摩市立東愛宕小学校校長 松田孝氏

OLYMPUS DIGITAL CAMERA東愛宕小学校では10月からiPadを一人一台に持たせて授業を行ってきた。その発表会を行う予定だったが天候によって中止になってしまった。そのイベントの締めを佐藤先生にお願いしていた。そしたら逆に、このイベントで最後の締めを依頼され断れなくなってしまった(笑)

私が、何をやろうとしていたかというと、10月から5ヶ月間、iPadを利用した授業を行ってきて、それによって「今までの教育は変わるんだ」ということを発表して、次の可能性に繋げられればと思っていた。

私は、31年間教員をやっている。東愛宕ではこの4月から校長になった。その前の3年間は、狛江市という教育委員会で指導室長という人事行政の担当、その前は、調布の小学校で3年間校長をやっていた。

公教育の分野は、色々な面で疲弊している。人材育成を考えると「私学だよね」といった話の流れになりがちだったが、それを何とかしたいと考えていた。そんな時にタブレットに出会った。大きく時代が変わっている中で、新しい公立小学校の形をつくれないか、新しい形をプレゼンテーションしたいと考えるようになった。それを自分の最後のミッションとして、様々な取り組みを行ってきた。

100年前の教育と今の教育は全然変わっていない。よく笑い話で出ることだが、100年前の名医は、今にきても全く通用しない。でも100年前の優れた先生が、現代に来たら恐らくスーパーな先生だろう。これはいったいなんなのだろうという風に感じている。

公教育の壁が高いわけじゃない。校長次第で、公教育も変えられる

OLYMPUS DIGITAL CAMERA東愛宕小学校は大規模改修を行って、タブレットが入って色々なことを感じたときに、「あっ、黒板いらないな」と思った。黒板があるから変わらないのではないかと思うようになった。

教育工学の人に頑張ってほしいのは、黒板はもしかしたら、いらないのではないかと考えている。そういうことによって教室が変わってきて、教室がリビングルームのようになる教育の場が実現すると、教育は大きく変わっていくのではないか。

公教育は、やはり学びの中心であると思う。だからこそ皆さんに公教育の場に、私の方の授業にもっと思いっきり関わって頂きたいと考えている。公教育だから入りづらいとか、壁が高いとかそういう意見を聞くが、実はそうじゃない。結構、校長の権限で出来る。

校長には教育課程の管理という仕事があるが、教育課程は学校が作る。学校が作るということは、校長の責任で作るということ。そのとき問題になるのが学習指導要領だが、タブレットはツールだから、利用することは絶対に問題ない。学習指導要領に推進することは書いてあっても、規制することは一切書いていない。様々なコンテンツが出てきたが、これも問題なく利用出来る。

直接関係ある訳ではないが、関連したエピソードを話したい。東愛宕小学校で、食べられる菜園作りというのをやろうとしている。授業でやる時間はないが、どうにか授業内でやりたいと考えていた。その中で方法を見つけた。5・6年生に英語活動というのが、週に1回時間があった。この時間を「英語でガーデニング」として、実現している。実は同様の講座があったので、そういったものを持ってきて理屈をつければ、いくらでもこういったことが可能になる。

だから、もし皆さんに想いがあるのであれば、校長にアプローチして、校長を口説いて学校を変えていく、それが一番いいかもしれない。教育委員会は時間がかかってしょうがない。校長を口説いて、その学校をロールモデルとして変えていって、後から実績を出して、認めてもらえば良い。

公教育の中で、人材を育てていきたいと想いがある。そういうロールモデルを作れる校長先生を探してほしい。100人に1人くらいはいるかもしれない。ネットワークの中で探っていくのが一番面白いのではないかと思う。

佐藤氏のEdTech JAPAN Pitch Festival 締めの言葉

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佐藤氏:私も、一度東愛宕小学校にお邪魔させて頂いたことがある。小さい小学校だが、スタンフォードのdスクールの概念を導入して授業を行ったり、3Dプリンタを使った子ども向けの授業などに取り組んでいる。最初は驚いて、そんなことやっていいのかと質問したことがあるが、そのときにも「出来るんだよ!」という答えをもらって、目から鱗だった。例えば、先生を巻き込むご苦労なんかもあると思う。リーダシップを発揮されて学校を運営されているんだろうと、松田校長自身が本当にイノベーターだなと実感している。

今回のイベントのような、こういった場をきっかけにして、EdTechプレイヤーの方々、支援する大企業、学校現場の方々と三位一体となって、教育にイノベーションを起こして、未来を作っていければと考えている。

 

今回のEdTech JAPAN Pitch Festivalは、スタートアップ、大企業、教育現場の方など、多くの方々が登場し、非常に盛りだくさんの内容で、EdTech分野の盛り上がりを改めて実感しました。今後もどんな取り組みが行われていくのか、どんな新しいサービスやプレイヤーが出てくるかなど、これからも目が離せません。

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    EdTech(教育×テクノロジー)をテーマにした「EdTech Media」、教育業界に特化した求人サービス「Education Career」を運営する、株式会社ファンオブライフ代表取締役。 EdTechのムーブメントを、情報と人材の面から支援している。